だれにも「人生をやり直したい」と思ったことがある |
大切な家族や友人、恋人を救うために時間を旅する不思議なストーリー
「人生をリセットしてやり直せたら、どんなにいいだろうなあ…」
だれもが一度、そう考えたことがあると思います。大切な友だちとケンカしちゃった時。スポーツの大事な試合で失敗した時。
さらに試験や仕事でミスった時。恋人にフラレちゃった時。
「タイムスリップしてあの時に戻れたら、自分に『こうすればいいんだよ』って教えてやりたい」なんて考えちゃう。
でもタイムスリップやタイムリープは、現時点ではできません。だから時間をさかのぼる気分が楽しめる漫画が大人気。
「タイムスリップものの漫画でオススメ作品を教えて!」
「主人公がタイムリープして人生をやり直したり、友人や恋人を救うストーリーが読みたい」
「不幸になる未来を変えるために過去に戻って主人公が奮闘する作品を探してます」
そんな声が多いんです。でも「タイムスリップ」ものは人気ジャンルで作品がたくさん。何を読めばいいのか、選ぶのに困っちゃうほど。
この記事では運命を変えるため過去の世界で主人公が奮闘する姿が感動的で面白い「タイムスリップ漫画」をチョイス。
- 「東京卍リベンジャーズ」(著者・和久井健さん)
- 「僕だけがいない街」(著者・三部けいさん)
- 「JIN ー仁ー」(著者・村上もとかさん)
上記の3作品について紹介&解説します。いずれも名作・力作ばかり。
不幸な結末を迎える家族や友人、恋人を救うため時間を旅する主人公の奮闘ぶりがジーンとくる。目がうるうるしちゃうストーリー。
この記事を読めばナットク&マンゾク。作品のページを開きたくなりますよ。
タイムリープとタイムスリップって、どう違うの?
タイムスリップとリープの違いは? |
主人公が過去の世界で活躍して、自分や大切な人たちの運命を変える。昔も今も人気のテーマです。
作品カテゴリーでいえば、これまでは「タイムトラベル」「タイムスリップ」という呼び名がポピュラーでした。
最近は「タイムリープ」が主流。大ざっぱにいえば「時空間を移動すること」で同じ意味。でも状況には違いがある。
- 「タイムトラベル」はタイムマシンを使って過去や未来へ移動・旅行する。
- 「タイムスリップ」は事故や事件などに遭遇することが原因・要因となって、体ごと過去&未来に移動してしまう。
- 「タイムリープ」は自分の意識だけが過去や未来に移動する。
「タイムトラベル」の代表的な作品は藤子・F・不二雄さんの「ドラえもん」ですね。
★過去の出来事を変えたら未来はどうなる?
自分が過去の出来事(歴史)を変えたら、現在や未来はどうなるか? これも作品のテーマ。
現時点でタイムトラベルは実現していない(と思う)ので、過去を変えたことによる結末がどうなるのか。だれにも分かりません。
でも仮説的にいろいろなことが考えられています。前提にある考え方が「タイムパラドックス」。例えば、
自分が生まれる前に戻り親を亡き者にする。すると自分は生まれなくなるので、誕生前の過去に行く自分も存在しない。
まさに矛盾(パラドックス)。タイムトラベルは不可能になります。だから可能だと主張する人はいろいろな仮説を主張しています。
【過去は変えられない】
- 自分がいる世界では歴史が決まっていて、親を亡き者にしようとしても邪魔が入ったりして達成できない。
- 過去に戻った自分がやろうとしていることは、歴史の中で織り込み済み。細かい部分は変わっても結末は変わらない。
【過去を変えれば現在・未来も変わる】
- 過去の出来事を変えたら違う世界(時間軸)が生じる。その後、もともと自分がいた世界は消失する。
- 過去の出来事を変えると、自分がいた世界と新しく生じた世界が並行して存在する。パラレルワールド。
「タイムスリップ漫画」は上記の2仮説をベースに世界観を設定。ストーリーが展開されています。
これから紹介・解説する3作品も2仮説をベースにして魅力的なストーリーを描いています。
1.「東京卍リベンジャーズ」
著者は和久井健さん。「週刊少年マガジン」で2017年13号から2022年51号まで連載されました。
コミックスは2023年1月17日発売の第31巻で完結。累計発行部数は2022年7月時点で6500万部超の大ヒット。
2020年には第44回講談社漫画賞の少年部門を受賞しています。
アニメも大人気。2021年4月から9月まで「東京リベンジャーズ」のタイトルで毎日放送系&テレビ東京系で放送。
2023年1月から第2期が放送されました。
実写映画も制作されて大好評。北村匠海さんの主演で2021年7月に公開。
2021年9月26日時点で興行収入は43・8億円超。2021年公開の作品で実写No. 1の興行収入となりました。
2023年4月20日から第2作「血のハロウィン編ー運命ー」が公開されます。
★主な登場人物とあらすじ
「東京卍リベンジャーズ」は、ヤンキー&バイオレンス要素にSF要素が合体。
ヤンキーたちのケンカや暴れっぷりを楽しみつつ、不可思議なタイムリープ現象にハラハラしちゃうのが特徴です。
主人公は花垣武道(はながき・たけみち)。仲間からは「タケミチ」。レンタルショップでバイトするフリーター。
ヤンキーだった中学時代が人生の絶頂期だったと悔やむ26歳です。
ヒロインは橘日向(たちばな・ひなた)。武道の中学時代の彼女。優しくてしっかりした性格のかわいい子。
彼女の生死がストーリーの軸になっています。
佐野万次郎(さの・まんじろう)は暴走族「東京卍會」(東卍)の総長。通称マイキー。ケンカ最強。武道の根性が気に入っている。
2017年、武道は日向と弟の橘直人が犯罪集団・東京卍會の抗争に巻き込まれ死亡するニュースを目撃し衝撃を受ける。翌日のバイト帰り。駅のホームで何者かに突き落とされた直後、絶頂期だった中学時代の2005年にタイムリープ。渋谷の中学へ乗り込んだ中学の仲間と合流するが、東卍のメンバーにボコられる。ボコボコにされたタケミチは日向と再会。今でも彼女が好きなことを痛感する。その直後に直人とも再会。12年後に日向が亡くなると明かし「姉さんを守れ」と握手。突然、2017年に帰還する。
警官になった直人は奮闘したが日向を救うことはできなかった。でも握手することで武道がタイムリープすることに気づく。直人は東卍が凶悪化した原因は、総長の佐野と幹部の稀咲がツルんでからと分析。直人は武道に、12年前に戻り2人を合わせないようにして運命を変えてくれと頼む。
★タイムリープの設定がおもしろい
でも、タイムリープって自分で意識してできるの? スナオにそう考えちゃいますよね。
ストーリーでは、タイムリープを引き起こすトリガー(引き金)は武道と直人の握手だと設定。
タイムリープ&スリップをテーマにする作品では事件・事故や、磁場嵐など特殊な自然現象がトリガーとして設定されることが多い。
「東京卍リベンジャーズ」では「愛する人を救いたい」という気持ち。その象徴が「握手」としてキーになっています。
武道は「愛する日向の不幸な未来を変えたい」。直人は「大好きな姉を救いたい」。
2人の強い気持ち。「念」「気」が握手することで強まり、時空間のトビラを開けるんです。
面白いのは、タイムリープできるのが「12年前の今日」。過去に移動しようと決めた日だけなんです。
だから武道は何度もタイムリープ。12年前の世界で、東卍が凶悪化する原因をなくそうと奮闘する。
さらに、リープするたびに巻き込まれるチーム間の抗争劇がエピソードとして展開される。すごくうまいストーリー構成になっています。
ちなみに12年前に戻った武道は、2017年の世界では仮死状態と設定。まさに意識だけが時空間を超えるタイムリープです。
武道はタイムリープするたびに抗争に巻き込まれます。東卍の幹部2人を引き離すためにチームに接触することが目的ですからね。
武道は渋谷の中学で東卍メンバーにボコられ、ドレイになる。メンバーの清水から「賭博喧嘩」への参加を強要される。自分のケンカが賭けの対象になり、体はボロボロ。このままではドレイのまま。幹部2人には会えない。状況を変えるため、武道は清水とのタイマン勝負に出る。でも力の差は歴然…。武道は折れない。日向を救うため「引けねえ理由があるんだよ!」「勝つにはオレを殺すしかねえぞ」と立ち向かう。その時、東卍の総長・佐野と副総長の龍宮寺堅(ドラケン)が登場。清水に制裁を加えて武道を救う。
2人は武道を遊びに誘う。武道が拉致されたと思った日向は佐野をビンタ。龍宮寺に腕をつかまれ脅される。武道は「その手を離せ」。にらむ龍宮寺に「譲れねえモンがあんだよ」とすごむ。
喧嘩に強いヤツはたくさんいる。でも譲れないもののためなら、どんなヤツにでもタテ突く。そんなヤツはそういない。
★タイムパラドックスを超えられるのか?
マイキー&ドラケンと親しくなった武道は東卍に参加。抗争に巻き込まれながらマイキーと稀咲の接触を阻止します。
戻った2017年では、武道がレンタルショップの店長になったり。東京卍會の幹部になっていたり周囲の環境が変わっている。
でも真の目的である日向の死を防ぐことができない。武道も刺客に命を狙われたりします。
まさに、前述した【過去は変えられない】仮説の2項目に当てはまる状況。
日向の死はすでに歴史で決まったこと、宇宙、神さま、天の決定事項なのか?
何度も接触を阻止しても、稀咲は補佐的な立場で佐野に関わっている。日向のケースとともに結末を変えることができない。
小学生時代の稀咲は日向と同じ塾に通っていて、彼女に好意を持っていた。塾の帰り道で、中学生に絡まれた日向を武道が助けた。日向は武道に好意を抱き、稀咲も彼女の気持ちに気づいて…。
武道は稀咲にどう立ち向かい、日向の未来を変えるのか? 続きはぜひ作品をご覧ください。
2.「僕だけがいない街」
著者は三部けいさん。「ヤングエース」で2012年7月号から2016年4月号まで連載。
「2014マンガ大賞」で第2位。2017年には日本の作品で初めてフランスの「歴史改変SF大賞」グラフィック賞に選出。
コミックスは全9巻が刊行され、累計400万部超の大ヒットとなりました。
テレビアニメ化もされて、2016年1月から3月までフジテレビ系で全12話が放送。
2016年3月には実写映画版が公開。藤原竜也さんが主演、有村架純さんがヒロインを熱演。大好評となりました。
2017年には「Netflix」が連続ドラマ化。古川雄輝さんが主演した全12話が世界190か国に配信されています。
★主な登場人物とあらすじ
主人公はマンガ家の藤沼悟(ふじぬま・さとる)。北海道出身。2006年時点で作品は売れず、ピザ店でバイトする29歳。
藤沼はタイムリープ能力があり「再上映(リバイバル)」と呼んでいる。能力は自分の意思と関係なく発動します。
ピザの配達中に能力が発動。心臓発作で死亡した運転手のトラックが横断歩道の子どもをはねる事故が起きる流れだった。藤沼は子どもを別方向から横断させ事故を防ぐが、自分がトラックにはねられる。入院した藤沼は、バイト先の同僚で女子高生の片桐愛梨と親しくなる。退院後、面倒を見にきた母・佐知子と暮らし始める。藤沼は佐知子と買い物中に能力が発動。佐知子は「子連れの男」と目が合い、男が誘拐をやめたと直感。これを藤沼に告げる。佐知子は子連れの男の目つきを思い出し、1988年に北海道で発生した連続誘拐殺人事件の真犯人だとひらめく。だが佐知子は息子に考えを伝える前に、何者かによって刺殺されてしまう…。
★「リバイバル」の発動でストーリーが加速する
リバイバルは主人公の意思に関係なく発動。事件・事故が発生する直前に「ドクン」という鼓動とともにやってきます。
藤沼が事件・事故の「ヒント」を見つけ、原因を特定して解消するまで何度も発動するんです。
藤沼は子どものころから「発動」を繰り返し経験。対処法がわかっている。
「ドクン」ときたら必死に周囲を観察。「ヒント」を探すんですが、この要素がストーリー進行のギアを上げるんです。
退院後、バイト先へあいさつに行った藤沼は、仕事後の愛梨と帰宅の途につく。解体中のビルの前を通りすぎた際に「ドクン」。何度も通りすぎるたびに鼓動が生じるため原因はビルと特定する。藤沼はビルの階段を上がり3つのランドセルを発見。小学生が入り込んだと推察。「お前たち、そこを動くな」と叫ぶ。声に驚いた子どもがエレベーター跡の穴に落下。気づいた愛梨が受け止めるが支えきれない。転落寸前に藤沼が2人を救出。
藤沼が焦りの表情で「ヒント」を探し回り、崩れかけた階段を駆け上がる。
発動後にストーリー進行のギアが上がり、スピード感と緊迫感もアップ。これがストーリーにアクセントを加えているんです。
刺殺された母親を救いたい。そう強く思った藤沼にリバイバルが発動。
藤沼が小学5年生のころ、小学生女子2人と男子1人が誘拐され殺害される事件が発生。犠牲者は同級生も含まれていた。やがて犯人が逮捕。藤沼が心を許し遊び相手になってくれた大学生・白鳥潤。すでに死刑が確定していた。
事件当時は白鳥が子どもたちの身近な存在だったため、保護者たちは事件の情報を子どもたちから遠ざけた。佐知子は2006年、買い物の際に「子連れの男」と遭遇した際にこの男が犯人で白鳥は無実だと直感する。だが佐知子は「子連れ男」と目が合ったことで気づかれ、刺殺されてしまう。藤沼は刺殺現場の自室の外で怪しい人影を発見し逃げられる。追いかける姿をアパートの大家に目撃され通報される。
さらに誘拐未遂犯が、目が合った母を目撃者として処理。自分を追いかけさせることで藤沼を〝逃亡する犯人〟に仕立てたと推察。
そのずる賢さへの怒りが能力を発動させ、小学生時代にタイムリープします。
旧友たちと再びすごし、犠牲になった同級生たちが抱える事情を認識。友人を助けることが母の救出につながることを確信する。
藤沼が封印していた連続誘拐殺人事件の解決が、リバイバルが発動する母の刺殺事件の原因を解消する。能力の発動がそう示唆しているんです。
小学生時代へのタイムリープは世界や宇宙といった〝大いなる存在〟からの使命のように感じます。
★事件解決で未来を変えられるのか?
犠牲者の一人、雛月加代(ひなづき・かよ)は友だちと距離をとり孤立していた。藤沼は積極的に話しかけ、彼女の体に虐待と思われる傷跡があるのに気づく。母親が虐待していると思い、加代が亡くなる日まで母娘を引き離そうと奮闘。
犠牲になった子どもたちは、友だちと距離を取るなどクラスの中で孤立している。子どもたちは、それぞれが家庭環境の事情から一人でいる状況が多い。真犯人は子どもたちの家庭やクラスでの事情をよく知っている。
だから真犯人の容疑者から無意識に外していたんですが、その人物から襲われて生命の危機に陥るんです。
ストーリーの紹介&解説はここまで。主人公は連続誘拐殺人事件を阻止して母や友だちを救うことができるのか。
真犯人を捕まえることができるのか。タイムリープで送り込まれた過去で世界=未来を変えることができるのか。
スリリングで謎が多いストーリーの続きを、ぜひ作品でお楽しみください。
3.「JIN ー仁ー」
著者は村上もとかさん。「スーパージャンプ」2000年9号から2010年24号まで連載。
2011年の第15回手塚治虫文化賞のマンガ大賞を受賞しました。
コミックスは全20巻が刊行。文庫版も全13巻が発売されています。2012年時点で累計発行部数800万部超。
現代から幕末時代にタイムスリップした医師が、病気やケガに苦しむ江戸の人々を救う。
時空を超えたヒューマンストーリーは大人気となって、テレビドラマ化。
TBS系で2009年10月から12月まで第1期、2011年4月から6月まで第2期が放送。
大沢たかおさんが主演、綾瀬はるかさんがヒロインを熱演したドラマは大好評を博しました。
日本民間放送連盟賞テレビドラマ部門最優秀賞など多くの賞を獲得。アジア、北米、ヨーロッパでも放送されました。
★主な登場人物とあらすじ
主人公は南方仁(みなかた・じん)。東都大学附属病院の脳外科医局長。
卓越したオペ技術と医療知識&経験を持ち、病気やケガに苦しむ人を助ける使命に燃える脳外科医です。
2000年のある夜、仁は病院に搬送された急患の男性を執刀。男性の脳から胎児の形をした奇形脳腫を摘出する。仁は頭痛と「離サナイデ」という幻聴に苦しむ。集中治療室を脱走し医療キッドを持ち出した急患男性と階段から転落。気がついた仁が周囲を見渡すと、侍同士が斬り合っている。仁は頭を切られた旗本・橘恭太郎を治療し命を救った。仁がいるのは幕末の江戸。タイムスリップしたことに困惑する。兄を救った仁に恩義を覚えた咲と、江戸で医療を始める。
★幕末へタイムスリップ
主人公・仁は幕末の江戸へ。自分の意識だけが移動するタイムリープではなく、肉体ごと時空間を超えたタイムスリップに困惑します。
時間や場所は違っても、医師の使命感で病人やケガ人を見たら放っておけない。仁は江戸の人たちを現代医療で処置します。
幕末にはなかった現代の医療技術を使っていいのか? 自分はなぜこの時代にいるのか?自分が治療したことで患者の未来と歴史が改変されるんじゃないのか? そんな自分の医療行為を歴史は許すのか?
開国した幕末の日本では、外国人が持ち込んだコロリが大流行。江戸も猛威にさらされる。仁は感染を防ぐため、患者が住む長屋を緊急診療所として周辺を封鎖。長屋周辺に石灰を巻いて消毒。患者の着物を焼却する。長屋内で仁が一人奮闘する中、咲が静止を振り切って中へ入り手伝う。治療薬がなく、下痢や嘔吐で急速に水分を失っていく患者のために生理食塩水を作って体内に点滴注入する。続々と運ばれる患者を2人は懸命に処置。知り合った坂本龍馬は感銘し感染を顧みず患者を搬送。着物の焼却も手伝う。
でも、落ち着いた直後に仁が感染してしまう。咲は習い覚えた対症療法で処置。仁への恋情と医療の尊さに目覚めるんです。
そして坂本龍馬。知り合った当初、仁は人懐っこい人だなと思ってましたが、幕末の英雄と知ってビックリ。
人柄を知っていくうちに龍馬のことが好きになる。龍馬も仁を親友と思って接してくる。
龍馬が大政奉還をなしとげた直後に暗殺される歴史を知っているので、仁は身辺に注意してほしいとやんわり忠告します。
歴史の改変にためらいながら、仁は目前の患者と龍馬を救おうと尽力するんです。
江戸で治療を始めた仁には、一緒にタイムスリップした医療キッドしか医療用具がありませんでした。
それでも頭を切られ最初の患者となった恭太郎を開頭手術。大工道具を代用し成功させます。
さらに鍛治や道具などの職人さんに医療用具を説明して作ってもらったり。幕末で現代治療を施すために精いっぱい努力する。
幕末では漢方薬を使った内科的な処方を行う漢方医がメジャー。西洋医学で外科的治療を行う蘭方医は格下に見られていました。
当初は漢方・蘭方の医者たちは仁を異端視。見たことがない用具や治療法に「ありえない」と驚き、反発するばかり。
でもコロリに感染した蘭方医や胃潰瘍に苦しむ漢方医を見事に救う。漢・蘭の医者たちは仁の医療に感銘し協力していきます。
西洋医学所頭取で蘭方医の緒方洪庵もその1人。コロリの流行を防いだ仁の治療法を日本に広めることを決め、協力します。
洪庵は仁が未来からきたと気づくが、その事実を他人に漏らさず仁を支える。肺病(結核)が悪化して洪庵は死の床につく。仁に「あなたがきた世界では、今の人たちが苦しんでいる病気は治るのか」。洪庵の問いに仁は静かにうなずく。洪庵は涙を流して仁の〝答え〟に喜ぶ。
医療従事者たちの時空を超えた医療への思い。メチャ泣けるエピソードです。
★タイムパラドックスによる結末が感動的
仁は性病や乳がんに苦しむ吉原の女性たちを救うために、抗生物質のペニシリンを作ります。
ペニシリンは英医学者フレミングが1928年に発見した抗生物質。劇的に細菌を消滅させる作用で多くの人を救いました。
仁がペニシリンをはじめとした現代治療を広める一方で、時代は幕府の崩壊や戊辰戦争と動乱の時代に突入していく。
仁は瀕死の状態から救った患者が別の原因で死亡するなど、歴史による〝修正〟も経験。
歴史は仁の医療行為に対し、どんな判断(歴史)を下すのか? 仁は龍馬の命を救えるのか? 未来(現代)は変わるのか?
ストーリーの冒頭で急患患者から摘出した胎児の奇形種は、何なのか?
この続きはぜひ作品で! でもタイムパラドックスによるストーリーの結末はメチャ感動的。最後にヒントだけ書きます。
仁が開業した「仁友堂」は漢方医が内科、蘭方医が外科で協力。まさに「総合病院」となっていきます。
現在でも東洋医学、西洋医学の良い部分を生かした治療を目指す医療従事者の方たちがいらっしゃいます。
東・西の医学の融合による医療は、歴史の必然といえるようです。
まとめ・未来を変えるため奮闘する主人公に共感しちゃうストーリー
タイムスリップをストーリーで擬似体験しよう |
ここまで、運命を変えるため過去の世界で主人公が奮闘する姿が感動的で面白い「タイムスリップ漫画」を紹介&解説しました。
- 「東京卍リベンジャーズ」(著者・和久井健さん)
- 「僕だけがいない街」(著者・三部けいさん)
- 「JIN ー仁ー」(著者・村上もとかさん)
上記の3作品は名作・力作ばかり。友人や恋人、家族など不幸な結末を迎える人たちを救うため時間を旅する主人公が大奮闘。
その姿が圧巻で感動的、思わず泣けちゃうストーリー。だから、
「タイムスリップものの漫画でオススメ作品を教えて!」
「主人公がタイムリープして人生をやり直したり、友人や恋人を救うストーリーが読みたい」
「不幸になる未来を変えるために過去に戻って主人公が奮闘する作品を探してます」
そうお悩みの方にはピッタリなんです。ぜひ作品のページを開いてください。
この記事では他にも登場キャラがタイムスリップする作品を紹介しています。ぜひご覧ください。
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