フリーレンの物語は疲れた心を癒してくれる |
がんばっても報われない孤独感、疲れた心が癒される
ファンからは「読後感がいい」「ノスタルジーな雰囲気がとてもいい」と高評価です。
主人公はエルフの魔法使いフリーレン。
かわいくて、ちょっと抜けてて、強い魔法を持つキャラクターがバツグン!
「冒険の旅」「魔族」「魔物」などの要素が盛り込まれたストーリーもおもしろい。
特に30〜40代で働き盛りのオトナの方。
仕事や家事などでがんばって結果を出したのに、ホメてもらえない。評価してもらえない。
がんばっているうちに体も心も疲れちゃって、孤独感にさいなまれている。
「オレ(ワタシ)、一人で何やってるんだろう…」。むなしくなっている。
そんな人の心に、フリーレンの言葉やストーリーが刺さる。ほんわかと癒されるんです。
この記事では「葬送のフリーレン」が持つ魅力として、
- オトナが忘れていた、ほめられることのうれしさ
- 長い人生で必ず訪れる、決断のときに背中を押してくれる
- 人の思いは未来までつながっていく
3つのポイントについて紹介し解説します。
「癒されるマンガを教えて」という方は、ぜひこの記事を読んでください。
きっと共感できて「葬送のフリーレン」が読みたくなります。
そして作品を読んで楽しんでいるうちに気持ちがほんわか。心が癒されていますよ!
「葬送のフリーレン」2023年秋アニメ放送スタート
原作は山田鐘人さん、作画はアベツカサさん。「週刊少年サンデー」で2020年22・23合併号から連載中。
「マンガ大賞2021」の大賞も受賞した超人気作品です。
コミックスは計13巻が発売中(2024年4月18日時点)。累計発行部数は2000万部を突破(2024年4月時点)。
2022年9月13日にはテレビアニメ化されることが発表。そして2023年9月29日から日本テレビ系で放送。
各動画配信サービスでも配信中です。
フリーレンの声を務めるのは声優・種崎敦美さん。人気アニメ「SPY×FAMILY」のアーニャ役を務める実力派です。
YouTubeでPVが発表されていますが、原作の絵が忠実に再現され、すごくキレイ。
バックに流れる音楽もケルトっぽくて作品の世界観にピッタリです。
★あらすじ
魔王を倒した勇者一行と、その後を描く「後日譚ファンタジー」。
主人公はエルフの魔法使いフリーレン。長寿のエルフなので1000年以上生きているけど、見た目は美少女。
ものすごく強力な魔法で魔族を倒すことから「葬送のフリーレン」と呼ばれます。
人間には「われ関せず」という感じ。ちょっと抜けてて、かわいいんです。
平和をおびやかす魔王を倒したヒンメル、フリーレンら勇者一行が王都に帰還。旅は10年にわたり、一行は感慨にふける。ただ長命のフリーレンにとっては、短い出来事だった。フリーレンは魔法集めの旅に出る。50年後、老いたヒンメルと再会するが、彼は間もなく亡くなる。ヒンメルの葬儀で、フリーレンは彼のことを知らず、知ろうともしなかったことに涙を流す。フリーレンは心の中からわき起こった悲しみの理由を探すため「もっと人間を知ろう」と旅に出る。
【勇者一行】(以下は作品から引用)
- 勇者ヒンメル・魔王を倒した1人。ナルシストな人間だが困った人を見過ごせない。フリーレンを優しく導く。
- 僧侶ハイター・人間で大酒飲みの「生臭坊主」。魔王討伐後は偉大な僧侶として尊敬される。孤児のフェルンを育て、亡くなる。
- アイゼン・長命なドワーフの勇者。頑強な肉体の持ち主。葬儀でのフリーレンの涙を見て、魂のヒンメルとの再会を願う。
【新しい旅の仲間】(以下は作品から引用)
- フェルン・人間の美少女魔法使い。フリーレンの弟子となり才能を開花。師匠を尊敬するが浪費ぐせなどに怒り、恐れられる。
- シュタルク・アイゼンの弟子。人間の少年。師匠と同じくオノが主武器。ビビりだがトンデモない実力の持ち主。
- ザイン・人間の僧侶。酒やお姉さんが大好き。友人に旅を誘われ断ったことを気にやんでいたが、フリーレンに誘われ一行に加入。
フリーレンの「人間を知る旅」は、魂が眠る地「オレオール」を目指します。
ヒンメルの葬儀で泣くフリーレンを見てかわいそうに思ったアイゼンが、オレオールでヒンメルと会えと勧めたから。
オレオールは、かつて勇者一行が討伐した魔王城がある「エンデ」にある。
新しい旅は「勇者一行」の旅をたどります。旅路を進むにつれて、新旧パーティーの直面する状況が交錯。
その際のフリーレンの心の描写が、心が疲れて癒されたいオトナに刺さるんです。
1.オトナが忘れていた、ホメられることのうれしさ
ストーリーでは、フリーレンがよく仲間をホメるシーンが描かれています。
アイゼンの弟子シュタルクが紅鏡竜に立ち向かう。シュタルクがおとりとして時間を稼ぎ、フリーレンとフェルンがしとめる手はず。でも2人は手を出さない。覚悟を決めたシュタルクが1人で竜を一刀両断。
第3巻の第23話「勝利と弔い」でも、魔族の強敵を自力で倒したフェルンとシュタルクに「よく倒した。偉いぞ」と。
1000年以上生きているフリーレンには、師匠の大魔法使いフランメ亡き後はホメてくれる人はいませんでした。
人間は自分より短命で、すぐいなくなってしまう。どんなに素晴らしいことをしてもホメてくれる人はいない。
勇者一行との旅に出るまで、常にそんな思いが心にありました。
第3巻の第24話「エルフの願望」。エルフの武道僧クラフトと出会います。
「死んだら女神様にいっぱい褒めて貰うんだ」「お前の人生は素晴らしいものだったってな」「自分の生きてきた軌跡が誰にも覚えられちゃいないってのはあまりな話だ」
同族のエルフであるクラフトは、フリーレンの気持ちをよくわかっているんです。
オトナになると、ホメられることってあまりないですよね。
身も心も疲れ果てたとき。やっぱり誰かに「よくやった」ってホメてほしい。
でも子どもじゃないからガマンする。オトナのツライところです。
がんばったときは誰かにホメてほしいものです |
★生きるための心のビタミン
実は勇者一行の旅で、フリーレンにはホメてくれる人ができていたんです。
僧侶のハイター。彼もクラフトと同じことをフリーレンに伝え、ホメていたんです。
フリーレンはハイターに〝お礼〟をしています。
第4巻の第29話「理想の大人」。フリーレンが亡くなる間際のハイターとの談笑を振り返るシーン。
「理想の大人を目指して、大人の振りをして、それを積み重ねただけです」養育するフェルンに対し「子供には心の支えになる大人の存在が必要ですから」「フェルンは努力家。たくさん褒めて導いてあげないと」
フリーレン「それじゃあ、死ぬまで大人の振りを続けたハイターは、誰が褒めてくれるの?」ハイター「そのために女神様がいるんですよ。天国に行くまでお預けですが」フリーレン「じゃあ、この世(こっち)では私が褒めるよ」
ホメてもらえなくても、きっと誰かが見てくれている。そんな思いで毎日を生きている。
でも、やっぱりホメてもらうのって「思いのほか悪くはないですね」。
つたないブログ記事を書いているワタシも、子どもから「毎日続いて偉いね」といわれると「悪くない」。
ホメられるって、生きる上で心のビタミンになるんです。
だから子どもはもちろん、友人や年上の知人もホメてあげよう。
フリーレンとハイターのエピソードは、そう思うほど心に刺さりました。
2.長い人生で必ず訪れる、決断のときに背中を押してくれる
オトナになると、新しいことに挑戦するのをためらいがちになります。
達成できるスキルがあるのに、むずかしそう、大変そう、現状維持でいいや。そう考えちゃう。
子どものころから、若いころから「やってみたい」ことにも「もう、いいか」。
それでいて「やっぱり、やっておけばよかった」なんてウジウジしていたり。
「葬送のフリーレン」は、そんな背中を押してくれるんです。
フリーレンは新パーティーに前衛が必要だとシュタルクを誘う。シュタルクは条件として紅鏡竜を退治してくれと頼む。フリーレンは30秒足止めしろというが、シュタルクは「俺がやらないと駄目かな?」
ビビりっぷりにフェルンはあきれ顔。でもフリーレンはシュタルクが「いい戦士」だとアイゼンから聞いてたんです。
フェルンも、シュタルクがオノで崖をぶち壊す修行をみて考えを改める。戦士になるために必要なのは戦う覚悟だと伝えます。
そしてシュタルクは紅鏡竜を一撃。フリーレンはシュタルクが一歩踏み出すための覚悟を与えたんですね。
★いまの自分の気持ちに正直に
第4巻の第28話「僧侶と後悔」。フリーレンが僧侶ザインをパーティーに誘います。
子どものころ、友だちに冒険の旅に出ようと誘われ、10年たち消息不明の友を探しに旅立ちたい。でも行かない。聖都の司祭として招へいされながらザインのためにあきらめた兄への遠慮。10年たって行方がわからない友が、生きているわけがない。
ザインにフリーレンは「私は今の話をしているんだよ」と厳しい表情で問いかける。
1人で勝手気ままに旅をしていた方がいい。「すぐに死んじゃう」人間といまさら行動をともにしても…。
「手を取れフリーレン」「君が旅立つきっかけは、この僕だ」。
ザインは「どうして俺なんかにこんなに構ってくれるんだ?」といぶかしがる。フリーレンは「きっかけを与えたかったんだろうね」「勇者ヒンメルならそうしたってことだよ」。
大事なのはフリーレンがいう「今の話」。いま、自分はどう思っているか。気持ちに正直になれということ。
やらないで後悔するより、やって後悔した方が生きる上でずっといい。ホント、心に刺さるエピソードです。
3.人の思いは未来までつながっていく
「葬送のフリーレン」では、人の記憶、思い出について語られるシーンが多く出てきます。
フリーレンは長命のエルフ。
数えられないほど出会った人の記憶や思い出に触れているからです。
でも「すぐ死んじゃうでしょ」。アイゼンから「人との関係はそういうものじゃない」とさとされても冷淡だった。
「人間の寿命は短いってわかってたのに…なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…」
人の記憶、思い出はつながっている。新しい旅でフリーレンは再確認していきます。
ヒンメルはフリーレンが孤独にならないよう銅像をたてた |
★記憶を未来まで持っていく
フリーレンが立ち寄る街、村、森には、勇者ヒンメルの銅像がたっています。
フリーレンに「一番の理由は、君が未来で一人ぼっちにならないようにするためかな」。そして「おとぎ話じゃない。僕達は確かに実在したんだ」。
何より、長命のフリーレンが伝えてくれると願っていたんです。
ドワーフも300年の長命だが、老齢のため亡き妻の記憶があいまいになっている。「もう思い出せない、顔も声も眼差しも」とこぼす。そんな老ドワーフに、フリーレンは優しく語りかける。「フォル爺の記憶も、私が未来に連れて行ってあげるからね」
自分が死ねば、全て無に帰してしまう。むなしいものだなあと考えてしまいます。
でも、そうじゃない。自分の思いや記憶は、出会った人の心に残る。
「自分」という確かな形じゃなくても、伝えた人の思いや記憶と一緒になって、次の人に伝わっていく。
そんな考え方を教えてくれる。ホント、心に刺さって染みるエピソードです。
まとめ・魔法でのバトルシーンも絶妙な設定とアイデアでおもしろい
魔法でのバトルシーンもおもしろい! |
「葬送のフリーレン」のジャンルは「冒険ファンタジー」。私のようなオッサンより若者向けだよなあ、と思ってました。
読んでみたら、疲れたオッサンの心に刺さり、染みるエピソードばかり。
- オトナが忘れていた、ほめられることのうれしさ
- 長い人生で必ず訪れる、決断のときに背中を押してくれる
- 人の思いは未来までつながっていく
3つの魅力のトリコにされました。
作品は「マンガ大賞2021」大賞、「第25回手塚治虫文化賞」新生賞を獲得。ほかのマンガ賞でも上位にランクイン。
ファンからも「読後感がいい」「ノスタルジーな雰囲気がとてもいい」という声が多い。
理由は、3つの魅力を簡潔なセリフと絶妙な間を感じさせる絵で表現していることです。
それだけじゃありません。
コミックス5〜6巻では、旅の目的地に行くのに必要な一級魔法使いの資格をとるためフリーレンとフェルンが試験にチャレンジ。
ほかの受験者の魔法使いたちと、激しいバトルを展開します。
バトルシーンは絶妙な設定とアイデアが詰まっていておもしろい!
もちろん3つの魅力もしっかり盛り込まれています。
「癒されるマンガが読みたい」という人は、ぜひお読みください。
特にオトナの方。疲れた心に刺さってほんわかな気持ちになり、明日への活力がよみがえりますよ!
当ブログでは、ほかにもファンタジーマンガを紹介しています。ぜひ、ごらんください。
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