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七三さんの作品は読む者をワクワクさせる |
努力を重ねた末に栄冠を手にする主人公の姿は時代を超えた感動がある
昭和から平成にかけてのスポーツ漫画で、数々の名作を世に送り出した漫画原作者の七三太朗(なみ・たろう)さん。
2023年12月30日、東京都内のご自宅で、79歳で亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。
七三さんは高校野球やサッカー、ゴルフ、ボクシングなどスポーツに情熱を燃やす若者たちの物語を描き続けました。
作風の特徴である、努力を重ねた末に栄冠を手にする登場人物たちの爽やかさがファンの支持を獲得しました。
まさにスポーツ漫画原作のレジェンド! それだけに、
「七三太朗さんの代表作を教えて!」
「登場人物が努力と根性で成長していくスポーツ漫画を読みたいけど、七三さんの作品ってどんな感じですか?」
「七三さんの作風って、漫画家のちばあきおさんの作品に似てる感じがするけどどうして ⁉︎」
そんな声がたくさん上がっているんです。
この記事では七三さんの数多い作品から、登場キャラが努力を重ねて成長する姿がメチャ感動的な代表作をチョイス。
- 「4 P 田中くん」(作画・川三番地さん)
- 「風光る」(作画・川三番地さん)
- 「イレブン」(作画・高橋広さん)
- 「 D r e a m s 」(作画・川三番地さん)
上記の4作品について紹介&解説します。
この記事を読めば、七三さんの代表作や特徴、ちばあきおさんの作風に似ている理由がよく分かる!
さらに実際に本を手にとって、ページを開きたくなりますよ。
七三太朗って、どんな作家なの?
★ちば4兄弟の末弟
七三さんは1944年10月23日、当時の満洲国奉天(現在の中国・遼寧省瀋陽)生まれ。
本名は千葉樹之(ちば・しげゆき)さん。日中戦争後、中国大陸でご家族が大変な苦労をされ、日本に帰国されたそうです。
七三さんはご自身を含めて4人兄弟。長兄がちばてつやさん。三兄がちばあきおさん。
七三さんは4番目の末弟。次兄は、てつやさんと七三さんが所属するプロダクション社長の千葉研作さん。
そう、七三さんは有名すぎる漫画家のちば兄弟の末弟なんですね。ちなみに次兄・研作さんも漫画家だったそうです。
てつやさんが漫画家になってから、あきおさんと七三さんがアシスタントとしてお手伝い。
あきおさんが漫画家として独り立ちすると、七三さんもアシスタントとしてヘルプ。
七三さんが漫画原作者になると、てつやさん&あきおさんの作品ストーリーの原作やアドバイザーとしても協力されていたそうです。
七三さんに関して「ちばあきおさんの作風にどうして似ているの?」という声があがる理由は、ここにあります。
★2人の兄の作風を昇華
七三さんは2人のお兄さんの作品づくりに関わっていただけに、お兄さんたちそれぞれの作風を受け継いでいます。
てつやさんの代表作は「あしたのジョー」や「ハリスの旋風」「のたり松太郎」など。
アウトローな主人公がスポーツを通じて成長し、自分の中のポテンシャル(潜在能力)を高めて勝利を目指す作風です。
あきおさんの代表作は「キャプテン」や「プレイボール」。特別な能力はない普通の少年が努力を重ねて成長していく。
野球がテーマなら主人公は「魔球」など漫画表現的な必殺技は絶対に使わず、現実の学生野球にそくしたプレーで戦います。
読者が自分を反映できるような等身大の主人公を描くのが、作風でした。
七三さんの作品には、この兄たちの作風が色濃く反映されている感じ。
主人公に矢吹丈のようなケンカが強くてクールな雰囲気を漂わせたり。谷口タカオのような、ひたむきに練習を重ねる〝努力の天才〟を描いたり。
さらに2人の作風を合わせて昇華させたストーリーも描いています。
次項からは、七三さんの特徴や作風が分かるオススメの代表作を1つずつ紹介&解説していきます。
1.「4 P 田中くん」
★〝努力の才能〟にあふれた小さな大選手
作画の担当は川三番地(かわ・さんばんち)さん。若いころにちばてつやさんのアシスタントを務めていた作家さんです。
プロデビュー後にちば兄弟の末弟・七三さんとのコンビを結成。「4 P 田中くん」はコンビの野球漫画の代表作の1つです。
「4 P 田中くん」は1986年から1996年まで、「週刊少年チャンピオン」で連載されました。
コミックスは全51巻! なにしろ10年間も週刊誌連載が続いただけに、巻数も相当なもの。現在は電子書籍化されています。
読み出すと止まらなくなる。ワタシは「Kindle unlimited 」を利用したんですが、「田中くん沼」にドップリ(笑)。
プロ野球選手でも、ソフトバンクや米マリナーズなどで活躍された川崎宗則さんや広島の大瀬良大地投手もハマった人たちです。
ちばみにタイトルの「4 P 」は「4番でピッチャー」の意味です。
主人公は青森県の九戸中出身の田中球児(たなか・きゅうじ)。東京の名門・栄興学園に野球特待生として入学します。
栄興学園はかつて甲子園の常連校でしたが、最近は北東京地区で苦戦。東北で高い評価を得ていた球児をスカウトしたんです。
★作品のあらすじ
球児は「10年に一人の逸材」として、学校側から大きな期待を受けていた。でも体が小学校の低学年の子くらいで小柄。セレモニー後の新入部員の実力テストで、ランニングでは鈍足で新入部員についていけず、遠投ではヘロヘロ球。打撃では投球が捕手のミットにおさまった後にスイング…。スローボールはサク越えするほどパワーはあるけど素人同然。新入部員の佐竹から告げられた〝事実〟に八十島監督ら野球部関係者はショックを受ける。
佐竹は中学の全国大会で「八戸中」の「10年に一人の逸材」と対戦しているので別人だと分かったんですね。
手違いで球児を入部させてしまった八十島は、球児にハードな特別メニューを与える。遠投とダッシュ200本、シートノックと素振り500本。腕立て伏せと腹筋500回、うさぎとびでグラウンド10周。あまりのハードさにくじけて退部するのを狙ったが、球児は持ち前のすなおさと根性でメニューを毎日こなす。
マウンドでも粘球を展開して勝利投手に。球児は猛練習と自分自身の工夫と努力で周囲の評価を変えていくんです。
★ちばあきおの〝努力の天才〟を引き継ぐ
東北の農家の出身である球児は、基礎体力はバツグンでパワーもある。しかも性格はすなお。
チームメートの助言をプレーの参考にする。仲間や対戦相手がみせた好プレーを取り入れようと何度でも練習する。
実力を上げてベンチメンバーやレギュラーになっても、監督から課された特別メニューを毎日続ける。
人間に1%の才能しかなくたって99%の努力があれば補える。おまえは1%のクチだから頭からケツの穴まで努力することを考えろ。
そんな努力が実って、野球部では「4番ピッチャー」の座をゲット。
北東京大会でもライバルたちのプレーを研究。相手の打撃や投球とクセを分析し、対抗手段を見い出すと身につくまで練習を繰り返す。
そんな努力が球児と栄興野球部を甲子園、そして栄光に導くんです。
〝努力の天才〟球児の姿は、七三さんの兄・あきおさんの名作「キャプテン」「プレイボール」をほうふつさせます。
あきおさんが生み出した鉄板キャラ・谷口タカオも、体格は小柄で輝くような野球の才能はありません。
でも「才能がないヤツはこうするしかないんだ」と猛練習を繰り返して自分を高めていく。まさに〝努力の天才〟でした。
あきおさんのストーリー作りを手伝うことで、七三さんは〝努力の天才〟という設定を自身の原作作りのベースにしたようです。
さらに七三さん独自の手法も取り入れています。
七三さんの作品には、選手たちが投じた球やバットスイングに関する説明を詳しく描写するという特徴があります。
なぜこの球を投げるのか? なぜあの球を狙い打ちするのか? 理由を説明しつつプレーごとにゆらめく選手の心理面も描写する。
だから、1球&1スイングに込められた意味を理解しながら選手たちの駆け引きが楽しめる。
それゆえにコミックスの巻数が多くなるけど、ストーリーにハマって一気に読んでしまう。
「4 P 田中くん」は、そんな七三の作風と特徴があふれた代表作なんです。
2.「風光る」
★昭和と平成の名選手のプレーが懐かしい
作画は鉄板の相棒・川三番地さん。1991年から2006年まで「月刊少年マガジン」で連載されました。
川さんとのコンビでは、2作品目の野球漫画になります。
1992年の第16回講談社漫画賞を受賞。2021年8月時点で累計発行部数が670万部を記録しました。
コミックスは全44巻が刊行。電子書籍化されて「 Kindle unlimited 」では読み放題対象になっています。
主人公は東京の多摩川高校の野球部に所属する1年生、野中(のなか)ゆたか。
「4 P 田中くん」の田中球児と同じく、ゆたかも小柄で輝くような野球の才能には恵まれていない少年。
だからチームでは補欠。ただ一つ、野球選手のモノマネ(形態模写)がうまくて野球部の余興で披露していました。
モノマネの精度は、まさにパーフェクトコピー。完ぺき!
ゆたかはこのタレントを指導者に見い出され、野球選手として成長をとげていくんです。
★作品のあらすじ
かつて多摩川高を甲子園に導き、東京六大学時代に「神宮の星」と異名をとった O B の君島が監督として赴任した。君島監督の歓迎会で、ゆたかは得意のモノマネを披露。野茂英雄のトルネード投法、清原和博の豪快スイング、落合博満の神主打法。さらに六大学時代の君島のスイング。ゆたかのモノマネの精度の高さに君島は衝撃を受ける。
戸惑うゆたかに君島は「野茂で行ってみよう」と指示。ゆたかは野茂ばりのトルネード投法で千束の強力打線をピシャリ。打撃でも落合打法で千束エース・大城の速球をホームラン。投打にわたる活躍でチームを勝利に導く。
夏の地区予選で強豪たちを倒していくんです。
★モノマネのベースは優れた観察力と洞察力
ゆたかのモノマネは、野茂、山田、清原、落合の名選手たちに加えて、元中日投手・今中慎二や元巨人投手の桑田真澄。
さらにイチロー、松井秀喜、バリー・ボンズ、ランディ・ジョンソンら米メジャーリーグのレジェンド級選手たちに及びます。
ただ「名選手のモノマネしたって、実際にしっかりプレーできるわけないじゃん」と思う人は少なくないはず。
でも作品の設定は非常に説得力があるんです。ゆたかはモノマネをするために、対象の選手の映像を見まくります。
選手たちのしぐさはもちろん、プレー時の体の使い方までチェック。
例えば投球フォームでの体重移動や、打撃フォームならインコース打ちでのひじのたたみ方。
それらを頭にインプットして、鏡の前で動作を反復練習します。その成果を歓迎会で目にした君島監督が着目。
名選手が名選手たるゆえんは、投球&打撃フォームがその人の体格と動作の理論にかなっているから。
君島監督はモノマネしたフォームが、ゆたかの体にも無駄や無理がなくフィットしていると確信。
フォームを高い精度で再現したゆたかの観察眼と洞察力が野球でも発揮できると思ったから、グラウンドで実践させたワケです。
君島監督の指導は細かく指示するスタイルじゃないんです。
「リリースポイントはこの辺だよ」とポイントだけ修正させて、後はゆたかに工夫させる。選手を「気づき」に導くんです。
たった1つの「得意なこと」を極めようと努力する選手。教え子の「得意なこと」に気づき、選手個人に工夫させる監督。
ストーリー上では「自ら野球」と呼んでいますが、そんな師弟の物語が「風光る」の最大の特徴で読みどころでもあるんです。
3.「イレブン」
★ちばあきおさんの絵柄も受け継ぐサッカー漫画
漫画ファンから最も「ちばあきおさんの作風に似ている」といわれるサッカー漫画です。
作画は高橋広(たかはし・ひろし)さん。実は、ちばあおきおさんのアシスタントをへて漫画家になった人なんです。
そのため絵のタッチなどは、あきおさんの素朴な絵柄を受け継いだ感じ。だから「あきおさんの作風に似ている」ワケです。
「イレブン」は「月刊少年ジャンプ」で1985年から2000年まで連載。
コミックスは全43巻が刊行。現在は電子書籍化されています。
主人公は埼玉県の武蔵台高校に通う1年生、青葉茂(あおば・しげる)。
元サッカー日本代表選手の青葉洋介を父に持つ、元気いっぱいの少年です。
茂にとって、父の洋介は憧れのサッカー選手でもありました。ただ洋介は南米遠征で訪れたブラジルで交通事故のため死去。
でも成長した茂がサッカーをやる時のために、洋介はサッカーの技術や練習法などをノートに書き残していました。
茂は父が遺したノートをもとに、サッカー選手を目指すんです。
★作品のあらすじ
ストーリーは茂が武蔵台高校に入学するところからスタート。茂はサッカー部の門をたたきます。
でも茂はサッカーをやるのは初めて。「サッカーを始めるのは高校から」という父の遺言を守っていた。遺言は、高校生に負けない足腰をつくるため陸上競技を勧めていた。茂は中学記録をつくるほどの走力を身につけた。茂はサッカーの知識はなかったが、ずば抜けた走力を買われてレギュラーに抜てきされる。茂は同級生の谷からの助言を受けながら、サッカーノートに記された練習法を重ねて上達していく。
県大会予選で、茂はあらけずりながらサッカーのセンスが開花。チームは強豪に苦戦しながらブロック代表に。県大会1回戦で対戦した相手の激しいラフプレーを受けながら P K 戦で勝利。だが体のダメージが影響して2回戦で敗退。敗れはしたが、茂は予選での6試合で18得点をあげ注目を集める。
世界ユース大会を皮切りにブラジルのプロ養成組織「リオ・ガルシア F C 」、日本代表、J リーグ、ワールドカップ( W 杯)。
茂はプロ選手として活躍の場を広げていくんです。
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茂は世界の舞台でも持ち味を発揮します |
★父の夢を息子がかなえる壮大な物語
茂は日本代表だった父を持つとはいえ、子どものころの段階ではサッカーの技術やセンスは未知数でした。
でも父の遺言を守り、残された練習法を懸命に実践する意欲と努力するセンスがあった。
高校からサッカーを始めた茂が、プロ選手への階段を駆け上がることができた要因として描かれています。
また「努力のセンス」で急成長する茂をユースに招へいした米山監督。実は父・洋介の日本代表での盟友でもありました。
そして洋介と米山監督の夢は「 W 杯制覇」。そのために有望選手を若いうちに海外の強豪クラブに送り育てようという計画があった。
ブラジルやアフリカの組織の環境は、まさにタイガーマスクの「虎の穴」。挫折すれば命を落とす危険があり、練習も過酷。でも茂は持ち前の向上心と努力する才能で困難を切り抜け、動物的な勘を身につけた世界レベルの選手として帰国。
「イレブン」は、1人のサッカー少年が努力で才能と実力を開花させる姿が楽しめる。
そして父と息子が2代にわたって夢と目標を実現させる、壮大な物語でもあるんです。
4.「 D r e a m s 」
★あしたのジョーのようなアウトローヒーロー
ここまで紹介してきた作品の主人公は、強じんな体格や輝くようなスポーツの才能には恵まれない少年たち。
それでも特訓の汗をいとわない〝努力の天才〟だったり、たった1つの特技を磨いて成長していきました。
でも「 D r e a m s 」の主人公は、めちゃスポーツのセンスに恵まれている天才肌。そして不良。
ヤンチャでケンカっぱやい。七三さんの兄・ちばてつやさんの「あしたのジョー」の矢吹丈のような感じ。
そんなアウトローヒーローのセンスが爆発する野球漫画です。
作画は盟友の川三番地さん。「週刊少年マガジン」と「マガジン S P E C I A L 」で1996年から2017年まで連載。
コミックスは圧巻の71巻! 2016年9月時点での累計発行部数は800万部超。現在は電子書籍化されています。
主人公は久里武志(くり・たけし)。東京の夢の島高校に通う1年生。野球部のセレクションをへて入部しました。
ちょっと小柄だけど野球センスはバツグン。投球&打撃も伸びしろで将来性を感じさせる、超高校級のプレイヤー。
でもロン毛の茶髪でヤンキー気味。さらには喫煙者。キレやすい性格でグラウンドでのケンカがたえない。まさにアウトローです。
★作品のあらすじ
野球センスと実力がある主人公の武志ですが、実はたくさんの高校の入部セレクションに落ちまくり。
ケンカっ早い性格が災いして、セレクション中もほかの受験生ともめたり。受験先の監督に殴りかかったり。
秋季大会でベスト8に入ったがお世辞にも強豪といえない夢の島。チーム強化のため甲子園出場経験のある工藤監督を招へい。さらに有力校に落ちた選手を対象にしたセレクションを実施。新戦力を集めていた。武志もラストチャンスとして夢の島にチャレンジ。手のひらに「がまん」と書いてセレクションに臨んだ。問題を起こしながらも好記録を残したが、面接でこれまでの問題をツッコまれるとやはりキレてしまった…。
素行の悪い武志を追い出したい野球部長は、チームの紅白戦でいやがらせを繰り返す。武志はがまんできずキレるが、部員たちが武志の野球を愛する姿勢と実力を認め、入部も認められる。
武志は南東京大会や甲子園で強力なライバルと激突するたびに、トンデモないセンスとプレーをこれでもかと披露していくんです。
★ポテンシャルを見せ続けるヒーロー
武志は見た目がヤンキーでグラウンドでの態度も悪い。でも野球に対する姿勢はメチャ真剣で誠実なんです。
武志の家庭は両親が別居。父親が野球で息子を鍛える姿を母親が虐待と感じて警察に通報。家庭は崩壊しました。
生きていくためには大好きな野球しかない。そのために野球の知識、技術を真剣に学び、練習する。1人で影に隠れて。
そんな武志に工藤監督は「甲子園を制覇してプロを飛び越え、米メジャーでプレーする」という「夢」を与えるんです。
そして「夢」をかなえるために臨んだ試合で、武志は身につけたスーパープレーをグラウンドで披露。チームメートや対戦相手の度肝を抜くんです。
例えば「バグボール」。武志が小学生のころから投げている魔球。人差し指と中指で球を軽くはさんで投げる。
今でいうスプリットボール。回転が少ないからズシリと球威がある。
打者との状況次第で握りにちょっとしたアクセントをつける。球が揺れたり、スライドしたり落ちたりするんです。
練習で身につけたモノをアレンジして進化させる。向上心と研究熱心さ、そして練習量のたまものです。
さらに野球にいい影響を与えると思うことは何でも取り入れる。
スポーツ時の心拍数は1分で130拍前後が効果的。これを維持するためにはリラックスする必要がある。緊張をプレー時の自分からそらすためにガムをかむんだ。
★悪童・武志に矢吹丈がダブる
武志は先輩や同級生、監督や先生にも殴りかかったり生意気な態度を取るんですが、優しさとの背中合わせでもあります。
対戦したりプレーを見て実力があると見抜いた選手には、荒っぽい武志流だけどしっかりと称賛する。
プレーがヘタでもうまくなろうと努力する選手には、プレーがうまくできない原因やクセを指摘して、改善法も教える。
対戦相手の投手や打者の特徴やクセを見抜き、仲間に攻略法も教えるんです。
自分が練習や研究を重ねて身につけた知識や経験、ずば抜けた観察眼と洞察力を惜しみなくチームに伝える。
だからチームメートは武志の意気に応えるんです。
ガムをクチャクチャかんだり、ケンカっぱやい。でも戦いを通して認めた相手にはリスペクトするアウトロー。
ワタシはその姿に、七三さんの兄・てつやさんが描いた矢吹丈がダブるんです。
矢吹丈はケンカ一番の暴れん坊で、流れ着いたドヤ街で詐欺を行い少年院に送られたほどの不良でした。
でも元プロボクサーの丹下段平との出会いで覚えたボクシングで生まれ変わる。
常に攻撃的で荒々しい性格には、グローブを交えたことで力石徹らライバルたちへのリスペクトが生まれました。
そして強敵にぶつかるたびに、トリプルクロスカウンターなどの超絶パンチを進化させていく。
ジョーが四角いリングで強敵や窮地を乗り越える姿は、まさに武志がグラウンドで見せるパフォーマンスに重なる。
昭和生まれの漫画ファンであるワタシが、「 D r e a m s 」にハマった最大の理由なんです。
まとめ・令和のいま読み返してもワクワクする作品
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努力の天才たちの物語は感動的すぎる! |
ここまで漫画原作者・七三太朗さんの作品について説明してきました。
そして七三さんの数多い作品から、登場キャラが努力を重ねて成長する姿がメチャ感動的で作風や特徴が分かる代表作をチョイス。
- 「4 P 田中くん」(作画・川三番地さん)
- 「風光る」(作画・川三番地さん)
- 「イレブン」(作画・高橋広さん)
- 「 D r e a m s 」(作画・川三番地さん)
上記の4作品について紹介&解説してきました。
七三さんは主にスポーツ漫画ジャンルで、数々の名作を世に送り出した漫画原作者のレジェンド。
努力を重ねた末に栄冠を手にする登場人物たちの感動的な姿を描く。
七三の作風は昭和や平成のファンから多くの支持を獲得しましたが、令和のいま読み返してもワクワクして面白いんです。
だから、この記事で紹介した4作品は、
「七三太朗さんの代表作を教えて!」
「登場人物が努力と根性で成長していくスポーツ漫画を読みたいけど、七三さんの作品ってどんな感じですか?」
「七三さんの作風って、漫画家のちばあきおさんの作品に似てる感じがするけどどうして ⁉︎」
なんて思っている方には、その疑問が解消できる作品です。ぜひ作品を手にとって読んでください。絶対に楽しめますよ!
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