「一ノ瀬家の大罪」の謎を解明!難解ストーリーや「大罪」の意味と「打ち切り説」がよく分かる3つの考察

2024年3月16日土曜日

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異質すぎるファミリー&サスペンス漫画を理解して楽しむ方法


ファミリードラマにサスペンス要素などをおりまぜた、タイザン5さんの漫画「一ノ瀬家の大罪」。


マンガ大賞2023」や「手塚治虫文化賞」にノミネートされた大ヒット作「タコピーの原罪」に続く作品として大人気です。


「タコピーの原罪」と同様に「一ノ瀬家の大罪」も、いじめ家庭崩壊などの社会問題を背景としたストーリー仕立て。


さらにサスペンス&ミステリーや S F 要素もたっぷり。ストーリーがめまぐるしく展開して読み応えバツグンです! 


ただ、その展開ぶりが「エッ! マジっ⁉︎」ってくらい読む人の予想を超えているのでストーリーは実に難解!だから、


ストーリー展開が難しくて謎が多すぎ! 頭がパニックです…


タイトルの大罪って、何を意味しているの ⁉︎


なんて声がたくさんあがっているんです。


この作品は2023年11月に連載が終了しているんですが、インターネット上で「打ち切り」を指摘する声があり、


作品が打ち切りになったといわれているけど、本当なの ⁉︎


そんな疑問の声もあるんです。


この記事では作品の特徴や魅力難解で謎が多いストーリーやタイトルの意味と打ち切り情報の真相などを解明するためのポイントとして、


  1. ストーリーのキー「一家全員記憶喪失」が意味する「一家解散」
  2. 「大罪」は一家7人がそれぞれ抱える「理想の家族像」
  3. 「連載打ち切り情報」が流れた背景とその真相とは

上記の3つの考察について紹介&解説します。


この記事を読めば、作品を読んだファンが抱えていた疑問の解消に役立ちます!


まだ読んでいない人も、作品を手にとってページを開きたくなりますよ。

「一ノ瀬家の大罪」って、どんな作品なの?





★「タコピーの原罪」に続く問題作


著者はタイザン5さん。代表作は「少年ジャンプ+」に掲載し、大反響となった連載デビュー作「タコピーの原罪」。


「一ノ瀬家の大罪」は前作に続く作品として、「週刊少年ジャンプ」で2022年11月から2023年11月まで連載されました。


作品は全48話で、コミックスは全6巻が発売されています。


コミックスの累計発行部数は、第4巻が発売された2023年10月時点で45万部超と大人気。


2023年8月に発表された「次にくるマンガ大賞2023」では、コミックス部門3位を獲得しています。


ストーリーは交通事故で全員が記憶を失った家族の姿を描く、ファミリー&サスペンスドラマです。


★作品のあらすじと登場人物


作品の登場人物である一ノ瀬家は7人家族。主人公は中学生のです。


一ノ瀬家は福井県への家族旅行の際に、交通事故に遭遇。一家全員が病院に搬送されました。

病院のベッドで目覚めた翼は、家族全員と再会。でも事故のショックで自分が誰なのか忘れてしまっていた。

他の家族も記憶がなく「一家全員記憶喪失」という異常事態に直面する。

病院では家族で記憶を取り戻そうと努力。家族の笑顔をみて、翼はみんなが記憶を取り戻せると確信し退院する。

でも、退院して帰宅した一ノ瀬家は自宅内のありさまを目の当たりにしてがく然とします。

家族が集まるリビングのテーブルはゴミだらけ。「家族の日常感」が皆無のゴミ部屋に、一家はがく然。

各自が自室に戻るとトビラにはカギがかかっている。それぞれが開錠して部屋に入ると、再びがく然。

翼の部屋は、壁や天井が「死」という文字に埋め尽くされていた。

翼は「もしかして俺たち、思っていたような自分じゃなくて、何か秘密を抱えていたのかもしれない」と確信する。

ストーリーは、日常生活に戻った家族が記憶の断片を取り戻すと同時に、それぞれが抱える悩み問題が明らかになる展開になっています。

そして、一ノ瀬家のメンバーは次の通りになります。


主人公で中学2年の翼(つばさ)。妹で中学1年の詩織(しおり)。そして兄妹の面倒をみる優しい長男・颯太(そうた)。


優しいけどちょっと気弱な父・(かける)。勝気な母・美奈子(みなこ)。


翼の祖父で元物理学者の耕三(こうぞう)。優しい祖母・幸恵


家族のそれぞれが問題を抱え、葛藤する姿が緊張感たっぷりに描かれていてホントに秀逸なんです。


1.ストーリーのキー「一家全員記憶喪失」が意味する「一家解散」





★記憶が戻るとループする世界


「一ノ瀬家の大罪」のストーリーの特徴は、家族の誰かが記憶を取り戻すとタイムループが起こること


それも、前述した自宅の「ゴミの山」が象徴する一ノ瀬家が抱える問題の原因=記憶を誰かが取り戻すとループが発生します。


最初のループはコミックス第2巻で描かれています。

一ノ瀬家の人たちは断片的に記憶を思い出すが、決定的なきっかけがなかった。

一方で、家族で団らんし笑顔が弾ける中、「記憶が戻らなくてもいいんじゃね」(翼)という気持ちもある。

ただ父・翔だけが一人、気持ちが沈みがちだった。

ある日、翔は会社の保養所がある日光に家族旅行に行こうと提案。一家は旅に出ることになります。

一家は車で日光に出発。車中で談笑する中、母・美奈子から配られた「酔い止め」のジュースを飲む。

運転手の翔以外、全員眠り込む中で翼が目覚める。車は日光ではなく記憶を失う前の旅行先である福井に向かっていた。

翔は「このままじゃダメなんだ」と翼に語りかけ、「ごめんね」と謝ると車はカーブを曲がらずガードレールに突っ込む。

翼が目を覚ますと、またもや病室。やはり一家全員が記憶喪失になっているんです。

事故が起きた後に、ストーリーの出発点である病室に戻っているタイムループ現象。でも物語のスタート時とは違いがあったんです。


★2000回目のループで変化が生じる


再び病室で目を覚ました翼は、やはり記憶がありませんでした。でもストーリーのスタート時点とは違っていた。


前回の自分が病室で目を覚ました際の記憶がある。そして、家族の中で父・翔が別人になっていたことです。

別人の男は若くて、翼が覚えている翔とは全く違う。〝若い翔〟は家族がやり直すために、いろいろ努力します。

記憶がないため使えないスマホを買い替えたり、学校でいじめられている翼(後述)を助けるため学校に相談したり。

「新しい一ノ瀬家として頑張っていこう」と家族に呼びかける。

〝若い翔〟は「新しい一ノ瀬家」のためというより、むしろ「昔の一ノ瀬家」のことを思い出させないように仕向けている。

そんな状況で翼は記憶の断片がよみがえり、〝若い翔〟が別人であることを確信し「あんた誰だ⁉︎」と追及します。


一方で母・美奈子も記憶がよみがえり、自分の夫である翔とのあつれき後述)などすべてを思い出すんです。


でも美奈子に〝若い翔〟が「時間切れだ」とつぶやくと美奈子は消失。家族も美奈子の記憶が消え失せてしまう。


違和感を覚える翼に、救いの手を伸ばしたのが祖父・耕三でした。

耕三は美奈子が消えたことや〝翔〟が別人であることを知っていて、自分が2000回ループしたことを告げる。

事故について知ろうとしたりすると時間が巻き戻る。その度に部屋の黒板などに書き留めたためループに気づいた。

2000回目となるループでは、翔が別人になり美奈子が消失するなど変化が生じたと指摘する。

耕三は物理学者としてループ現象をひそかに研究。本物の翔のように何かを思い出した者が消されていると推測するんです。

★ループの原因・理由は「翼の夢」


どうしてループが起きるのか? 翼や耕三のほかにも、祖母・幸恵や詩織も現象に気がつき原因を突き止めようとします。


でも、ループの原因・理由はあっさり判明。〝若い翔〟が翼に明かすんです。

〝若い翔〟は自分を翼と詩織の兄である「颯太」だと告白。

「お前は本当は福井の事故で大怪我をして、4年間昏睡状態になってるんだ」

「ここはお前の、夢の世界なんだよ」

だから翼がいくら思い出そうとしても、現実の本人が目覚めることができないため、事態は解決しない。またスタートの病室に戻るワケです。

さらに颯太は、翼が目覚めることができない理由も明かします。

「お前が目覚められないのは、過去を受け入れていないからだ」

翼が受け入れられない〝過去〟についても、翼たちが家族の記憶を取り戻していくにつれて判明していきます。

過去については次項でふれていますが、ストーリーのドラマ性を楽しむためにもぜひ作品をお読みください。


過去を思い出すことで〝受け入れた〟翼は、4年間の昏睡状態から目覚め、17歳に成長した状態で現実に戻ります。


ただ現実で再会した家族には異変がありました。颯太は家を飛び出して、耕三は寝たきりの状態。詩織もめったに家に戻らない


まさに一ノ瀬家は「解散」したような状態。しかも翼は目覚めたはずなのに、眠ると夢が続いているんです!


いったい何がどうなっているのか? 翼はひどく困惑するばかり。


でも、颯太が第18話でヒントを残しています。「全部忘れて、やり直せたら良かったのにね」と。


2.「大罪」は一家7人がそれぞれ抱える「理想の家族像」





★「一ノ瀬家の解散」の原因


颯太が翼に明かした「全部忘れて、やり直せたら良かったのにね」。この言葉には一ノ瀬家が「解散」にいたった原因が隠されています。


当然「全部忘れたかった」家族の〝過去〟もストーリーに描かれています。この項では家族一人ずつの過去〟を紹介します。


父・翔】子供のころから気弱な性格で、学者の父・耕三から期待されていないという劣等感を覚えていた。


成長して会社員になってもうだつが上がらず、リストラされて近所のハンバーガー店でバイト生活。


夫婦仲も悪く、美奈子から子供たちの前で叱責される。全てをやり直したいと思っていた。


母・美奈子】優しいけど優柔不断な翔を愛しつつもイラ立ち、夫を叱責。ストレスから過食症に陥っていた。


ある日、翔が見知らぬ女性のアパートの部屋に入るのを目撃。女性とその息子との仲むつまじい姿も目にして浮気を疑う。


女性の息子にすら殺意を抱くほど精神的に追い詰められ、家事や育児すら放棄状態になった。


子供の目前で展開される両親の不仲。殺伐とした空気が流れる中で、翼と詩織の兄妹の救いだったのが、長男・颯太でした。


長男・颯太】優しい性格で、翼と詩織の面倒をみていた。勉強もできて、耕三から将来は学者として期待されていた。


趣味の家族写真がきっかけでカメラマンを志していた。だが学者を目指してほしい家族(おそらく耕三)がカメラを破壊。


心が折れ「もう一緒にいられない」。慕う翼と詩織を残して家を飛び出す。福井・東尋坊で知り合った女性と男の子と3人で擬似家族をつくる。


颯太の家出がきっかけで、揺らいでいた一ノ瀬家の「解散」=崩壊が始まります。


★福井の交通事故の真相


家の中が荒れて、仲が悪くなった両親から愛情を示されることがなくなり、救い的な兄もいなくなった翼と詩織も大きな影響を受けます。


】家庭環境が悪くなる中、大好きだったサッカーを辞めざるをえなくなる


気持ちが沈み前向きだった性格が暗くなったことから、親友の中嶋ら学校の友だちからいじめを受ける


部屋の壁などに「」という文字を書き込むなど、精神的に追い込まれる。一方で、心の奥では家族と笑顔で過ごしていたいと考えるようになる。


妹・詩織】家庭が暗くなり、大好きだった颯太もいなくなり精神的に不安定になる。


部屋中にびっしりとぬいぐるみを並べたり、はるかに年上の会社員男性と援交まがいに付き合う


詩織は〝愛〟を求めて街をさまよい家を開けるようになる。


心理学では、ぬいぐるみは誰かと一緒にいたいという「親和欲求」の表れとされています。


ドン底に落ち込んだ一ノ瀬家は、最悪の選択をします。前述した通り、一ノ瀬家は福井へ家族旅行に向かいます。


運転手の翔をのぞき、一家は美奈子が配ったジュースを飲んでグッスリ。そして事故に遭いました。


くわしくは描かれていませんが、翼は親友の中嶋に「家族が自殺しようとしていた」と明かしています。


翔がジュースに薬を混入したんですが、ジュースを配った美奈子も片棒をかついだようです(後述)。


福井の交通事故は、絶望した夫婦が共犯で引き起こしたのが真相です。





★「一家全員記憶喪失」の黒幕


最後に〝過去〟を紹介する耕三と幸恵の老夫婦。実は耕三がストーリーのキーマンだったんです。


祖父・耕三】物理学者として働いていただけに、息子の翔も研究者の道を歩むことを望んでいた


翔が学者の道を選ばなかったが、耕三は納得して受け入れ、孫の颯太に期待をかけた。だが颯太はカメラマンを志望し決別…。


その後、認知症の一種であるアルツハイマー病を発症。日ごとに記憶が失われる中、ひそかにある研究を始める。


祖母・幸恵】優しい性格で耕三を支えてきた。夫がアルツハイマー病になり、病気が進行し寝たきりになっても世話を続けた。


ただ夫の看病を続けるうちに、それぞれ抱える悩みに苦しんでいる息子夫婦や孫たちをかえりみなくなる


そして、再び耕三と笑顔で暮らしたい。たとえ、それが夢の中でも…と考えるようになる。


耕三は病気が進行する中、崩壊する家族を救うために研究を推進。目的は飲めば家族全員が同じ夢を見る薬でした。


そして、その理由を手紙に仕立てて家族全員に用意していました。

「家族の仲が悪くなるなんてのは、一緒にいれば自然なことだろう。ただの環境要因だ」

「一つだけ心残りがあるとすれば、家族旅行に行かなかったことだ」

「7人で旅の記憶を作ってやりたかった。この先、お前たちが一家離散しようが、泥沼のように一緒に居続けようが」

「切れない家族の絆を憎らしく思ったときに、思い出してしまうような夢(たび)になればうれしい」

薬の効果はバツグン。夢の中で記憶喪失の家族は颯太が撮った写真の場所を訪ね、家族旅行にも出かけます(ループするけど)。

一ノ瀬家はループする夢の真相が分かった後も、夢の中の旅を楽しい思い出として思い出すんです。


★「笑顔の家族でありたい」という「大罪」


最後にタイトルの「大罪」の意味について。


多くの読者がピンとこないようで「大罪って、何を意味してるの?」「大罪というほどの罪はないけど」という声がたくさんあります。


ワタシもピンときませんでしたが、ストーリー上の2つの言葉が「大罪」の意味を考える上でのヒントだと考えました。


  1. 翼が夢の中で繰り返していた「家族で笑っていたい」という「理想の家族像」。
  2. 耕三が手紙にしたためた「家族の仲が悪くなるのは自然なこと」。

一ノ瀬家の7人は家族や仕事、学校、進路など、それぞれが問題を抱えて苦しんでいました。


家族はぶつかり合いグチャグチャになり、崩壊していきました。


そんな一方で、全員が「全てを忘れたい」「もう一度やり直せたら」「いつまでも家族で笑いあっていたい」と思っている。


だから「一家全員記憶喪失」という夢を共有し、全てを忘れてやり直す「夢の世界」にハマったんです。


でも耕三がいうように、家族って笑いあっているだけじゃなくて、いがみあったり憎しみあったりすることもある。


それでも切れない絆があって、それがずっと続いていく。それが家族の宿命というか、だと思うんです。


それを考えず「全部忘れてやり直したい」「ずっと笑いあっていたい」というのは人や世界の道理に合わない。大きな罪である、と。


これこそがタイトルの「大罪」が意味することなんじゃないかと思うんです。


3.「連載打ち切り情報」が流れた背景とその真相とは





★夢にまつわる2つの考察


連載打ち切り情報」の背景と真相について紹介する前に、ストーリーで気になった点についてふれたいと思います。


まず、翼が4年間の昏睡状態から覚めた後もループする夢を見続けたこと


原因は翔と美奈子にありました。事故の影響で翼が眠り続ける中、実は翔と美奈子も夢を見ていたんです


夢は翼が見ている「一家全員記憶喪失」と同じ内容。2人は「夢の中で翼と話せている」と喜び、目覚める可能性があると信じました。


奇跡的に翼が目覚めると「もう一度家族としてやり直したい」と決意しました。


でも家族を再生させるための努力と方法がちょっとイビツ。再び家族仲が悪くなるのを恐れたからです。


翔は父親の研究内容に気づいていました。「家族で笑い合う」夢を見続けさせるため、翼の食事などに耕三が作った薬を混入させたんです。


だから翼は覚醒しても夢を見続けた。翼は夢の原因にたどり着き、2人に薬を混入させることをやめさせ、悪夢が終わりました。


もう1つが、家族全員が同じ夢を見ること。「そんなことありえるの ⁉︎」「まあ漫画の中のお話だから」と思った人は多いでしょう。


でも、あながち「漫画の中のお話」というワケじゃなさそうです。


脳認知学・生理心理学の研究によると、同じゲームをプレイするなど共通の目的がある場合、人の脳は同期するそうです。


「一ノ瀬家」の場合、「全部忘れてやり直したい」「夢の中で家族で笑い合っていたい」という共通の目的(希望)がありました。


だから耕三が作った薬を飲んだことで、一家全員の脳が同期。「同じ夢を見る」ことになった…。


「同じ夢を見る」ことは現実でも起こりうる現象なのかもしれません。


★難解すぎるストーリーが少年誌に合うのか?


ここまで作品を振り返ってきて改めて感じるのが、ストーリーの絶妙なうまさ。人間ドラマが心に突き刺さりまくる世界観の妙です。


ワタシのようなオッサンでもシンドくなる緊張感とハラハラ感が満載。前述したように巧みなサスペンスと S F 要素が謎を呼ぶ。


マジで面白いけど重い漫画だな」と痛感しました。


ただ思うのが、この重さって少年誌に合うのかな? ということ。


作品が掲載された「週刊少年ジャンプ」の読者層って、30〜40代の読者もいるけどメインは小学生から高校生とされています。


そしてメインの読者層が共感できるように、主人公も同世代とその周辺に設定


ストーリーもジャンプの代名詞である「友情・努力・勝利」要素が盛り込まれていて、明るい笑いと感動にあふれている。


そんな雑誌に、ストーリー展開が難解で、家族の絆の重さとしんどさを感じる人間ドラマが掲載される。違和感バリバリです。


ワタシはこの違和感が「連載打ち切り情報」の背景にあると思うんです。


作品の連載がスタートした当初は、メディアで「衝撃的な展開が続くファミリードラマ」として話題になりました。


作品が佳境の2023年8月には「次にくるマンガ大賞2023」コミックス部門で3位に入るなど、業界関係者の評価は高かった


一方で雑誌の掲載順位は15〜20位と低迷していました。


読者アンケートの評価で掲載順が決まることを考えれば、読者の評価は低かったといえます。


さらに「マンガ大賞」で3位に選ばれながら、それから数カ月で連載が終了…。


状況的に「連載が打ち切られた」と考えてしまっても仕方ないと思います。


★少年誌では異質すぎる作品


では、本当に作品は連載打ち切りになったんでしょうか? 


真相はジャンプ編集部などからは明かされていません。ワタシは、作品は打ち切られず連載を全うしたと考えています。


「打ち切り」の根拠として、ネットなどでは「ストーリーの終盤はあわててまとめている感じがする」なんて声があります。


でも緊張感が漂い、多くの謎にあふれ、ストーリーが一転二転するこの作品を単行本で一気に読むと違う印象を受けるんです。


ラストエピソードは「あわててまとめた」感じはせず、これ以上ないといっていいほど巧みな終わり方だと思うんです。


家族には優しさや温もりといった「」だけじゃなく、肉親ゆえにいがみあったり憎しみあったりする「」もある。


それらを引っくるめて、腐れ縁のように付き合っていくしかない。それが家族だ、と。


でもワタシのようなおっさんが「家族ってそんなもんだよなあ」と苦笑いして納得する異質すぎる作品が少年誌の掲載でよかったんでしょうか?


前作「タコピーの原罪」のように、年齢層や性別も多彩な読者が集まるネットメディアでの連載がマッチしていたんじゃないか?


そして読者の反応も「打ち切り」とは違うモノになったんじゃないか?


「一ノ瀬家の大罪」は、週刊誌ではなく自由にアクセスできるネットメディアやコミックスでじっくり読むのがベストな名作だと思います。


まとめ・全48話を通してじっくり読むことで楽しめる名作


タイムループなどSF要素やサスペンスも楽しめるファミリードラマ

ここまで「一ノ瀬家の大罪」の特徴や魅力について紹介してきました。


そして作品の難解で謎があふれるストーリーやタイトルの意味打ち切り情報の真相などを解明するためのポイントとして、


  1. ストーリーのキー「一家全員記憶喪失」が意味する「一家解散」
  2. 「大罪」は一家7人がそれぞれ抱える「理想の家族像」
  3. 「連載打ち切り情報」が流れた背景とその真相とは

上記の3つの考察について紹介&解説してきました。


この作品はファミリードラマながらサスペンス&ミステリーや S F 要素もたっぷり。ストーリーがめまぐるしく展開します。


その展開ぶりが読む人の予想を超えているので実に難解。それだけに作品のラストでは「連載が打ち切られた」といわれたほど。


だからこそ、この記事を読んで、


ストーリー展開が難しくて謎が多すぎ、頭がパニックです…


タイトルの大罪って、何を意味しているの ⁉︎


作品が打ち切りになったといわれているけど、本当なの ⁉︎


なんて頭を抱えていた人は、疑問が解消したと思います。


「一ノ瀬家の大罪」はストーリーが難解なだけに、全48話を通してじっくり読むことをオススメする名作です。


だから、まだ読んでいない人は実際に作品を手にとってページを開いてみてください。めちゃハマりますよ!


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