美しい鎌倉が舞台の4姉妹の物語を楽しもう |
映画版でハマった人こそ読みたい原作の注目ポイント
神奈川県の古都・鎌倉を舞台に、4姉妹がそれぞれの恋愛や悩みを乗り越えていく姿を描く漫画「海街 d i a r y 」。
「家族の日常や、舞台の風景がすてきな作品を読みたい」というファンに向けて、必ず名前が上がる作品です。
漫画家・吉田秋生さんによる原作は「マンガ大賞2013」などを受賞するなど、評価がメチャ高い。
実写映画も第39回日本アカデミー賞最優秀作品賞を獲得しています。
映画版は現在も配信サービスなどで視聴ができるため人気が高く、こちらから「海街」の世界に入るファンも多いよう。だから、
「映画はすごくよかったけど、原作の方は面白いんですか?」
「原作と映画では、どんな違いがあるんですか?」
「映画ではなかったけど、原作では4姉妹がどうなるのか描かれてるんですか?」
なんて声がたくさんあるんです。
この記事では「海街 d i a r y 」の原作漫画が持つ特徴や、映画版との違いが分かってハマるエピソードなどの魅力について、
- 映画では割愛されたエピソードがめっちゃ泣ける
- 映画ではなかった主人公の四女・すずのエピソードに癒される
- 映画では描かれなかった4姉妹の〝その後〟が感動的
上記の3つの魅力について紹介&解説します。
この記事を読めば「海街 d i a r y 」の原作漫画と映画版の違いが楽しめます。
さらに映画では登場しなかったエピソードや4姉妹の〝その後〟も分かって、「海街」の世界観にハマります。
そして、実際に原作漫画を手にしてページを開きたくなりますよ!
「海街 d i a r y 」という作品と登場人物&あらすじ
★4姉妹のヒューマンストーリーが高評価
著者は女性漫画家の吉田秋生さん。「櫻の園」「BANANA FISH」などに並ぶ代表作が「海街 d i a r y 」です。
「月刊フラワーズ」2006年8月号から2018年8月号まで、不定期で連載。コミックスは全9巻が発売されています。
作品の評価と人気は高く、2007年の第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。
2013年には第6回マンガ大賞、2015年には第61回小学館漫画賞の一般向け部門をそれぞれ獲得。
2018年12月時点で累計発行部数は360万部を突破しています。
人気の高さから2015年に実写映画が公開。是枝裕和さんが監督、脚本を担当。
女優の綾瀬はるかさん、長澤まさみさん、夏帆さん、広瀬すずさんが4姉妹を演じて大ヒット。
作品は2015年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、高評価を獲得。
2016年の第39回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞しています。
さらには2017年、2022年と2度にわたって舞台化もされています。
★登場人物とあらすじ
メインキャストは美しくてカワイくて、個性的な4姉妹。
【香田幸(こうだ・さち)】長女。鎌倉市民病院の内科病棟に勤務する看護師。
両親が離婚し家を飛び出した香田家を支えるしっかり者。一方で、小児科医の椎名和也との不倫関係に悩んでいた。
【香田佳乃(こうだ・よしの)】次女。鎌倉八幡信用金庫で働くOL。酒豪で男運が悪く、一時は大学生と偽っていた高校生・藤井朋章と交際。
信用金庫では窓口業務から外回りになり、上司の坂下美海の誠実さに惹かれていく。
【香田千佳(こうだ・ちか)】三女。スポーツ用品店「スポーツ・マックス」勤務。交際する店長の浜田三蔵とお揃いのアフロヘア。
破天荒な性格だけど姉思い。面倒見もよくて、サッカーが好きな妹・すずに地元チーム「湘南オクトパス」入りを勧める。
【浅野すず(あさの・すず)】主人公で香田3姉妹の異母妹、四女。中学2年(連載開始時)。
山形の「河鹿沢温泉」に住んでいたが3姉妹の父でもある浅野と死別。
父親の葬儀で初めて会った香田3姉妹に「一緒に住まない?」と誘われ鎌倉へ。千佳の勧めで入ったオクトパスで主力選手になる。
鎌倉に住む香田3姉妹に、幼い頃に母と離婚して家を出ていった父の訃報が山形から届いた。幸は家族を捨て他の女性と逃げた父に複雑な気持ちを抱くが、佳乃と千佳は長く会っていない父の訃報に感慨がわかない。葬儀が行われる山形で3姉妹は異母妹のすずと出会う。3姉妹の出迎えや葬儀の手伝いなどをけなげにこなすが、表情が少ない。父の浅野はすずの母親が亡くなった後に再婚。父が入院すると、おろおろするだけの義母にかわり一人で世話をしていた。涙を隠して父の最後を看取ったすずに、幸は「あたしたちと一緒に暮らさない?」と申し出て、すずは「行きます!」と応える。
1.映画では割愛されたエピソードがめっちゃ泣ける
★父親に振り回された娘たち
「海街 d i a r y 」では、原作の世界観を映画版も丁寧に踏襲。上記で説明した登場人物とストーリーの流れはほぼ同じです。
映画版だけでも原作の世界観をしっかりと楽しめます。ただ原作の世界観は、映画版を楽しむ意味でも押さえたい重要なモノ。
それは、4人の異母姉妹がそれぞれの人生に影響を及ぼした父である「浅野」に抱く複雑な思い。
原作では香田3姉妹とすずの感情が対比的にかつ精緻に描かれています。
3姉妹は父に対し〝優しい人だけど、ダメな人〟という認識がある。父を奪った季和子に対しては、成長するにつれ「どうしようもない男と女の間の問題」という考え方に。すずには、母の死後に父が違う女性と再婚し複雑な環境の中で闘病する父の世話を一人でしてくれたことに感謝の念を覚える。
一方のすずは、母が亡くなった後に再婚した父に「何であんな人と再婚したの?」という許せない気持ちがある。山形での義母たちとの生活はなじめず「居場所がない」と孤独感を感じていた。香田3姉妹に対しては「自分の母親が姉たちから父親を奪った」という申し訳ない気持ちを抱いている。
さらに姉たちが「一緒に住まない?」と誘ってくれた言葉がうれしかった。
でも鎌倉に移った後も「自分はここにいていいのか?」「ここにいちゃいけないんじゃないのか?」という思いを抱いている。
4姉妹のそんな複雑な感情をベースとして世界観がつくられ、ストーリーが展開。
4姉妹の感情が精緻&丁寧に描写されているだけに、映画版以上に深くシンパシーを感じるんです。
★アクシデントに見舞われたチームメイトへの想い
映画版は原作コミックスの第1巻から第5巻までのエピソードを選択して、ストーリーが構成されています。
それだけに原作ファンからは「あのエピソードが入ってない!」なんて声が上がっているんです。
特に「入ってなくて残念…」という声が多いのが、オクトパスの主将・多田裕也のエピソードです。
鎌倉で新生活に飛び込んだすずにとって、オクトパスは姉たちと暮らす家と同じくらいの「新しい居場所」。
だから新しく知り合った尾崎風太、緒方将志、坂下美帆らチームメイトは、かけがえのない仲間たちになっていきます。
その中でも裕也はオクトパスのエースで主将。バツグンのテクニックを持ち、リーダーシップにも長けたイケメン少年。
すずの入団テストをかねたミニゲームで、風太のタックルを受け転倒。その際に右ひざの異常が発覚。精密検査で悪性腫瘍が見つかり、ひざ下から切断する手術を受けた。
でも中学生の少年には残酷すぎるほどのアクシデント。仲間たちも、どう接していいのか戸惑いました。
「あたしたちに会うの、ほんとはまだつらいんじゃないかなって思ったから」クリスマスの日、すずは風太と病院へ。裕也から「ときどき痛むんだ。ないはずの右足が」と幻肢痛の経験を聞く。さらに「本当は足がなくなってから何度も死にたいと思ったんだ」と明かされる。
山形のころ、周りの人たちに「お父さんもお母さんも死んじゃってかわいそう」といわれた。「自分のことをかわいそうだと思ったことなかったから、他人にいわれて自分はかわいそうだと思われているんだと知ったの」「かんたんに人のこと、かわいそうっていう人、すっごムカつく!」
そして複雑な環境で育ったすずは、友人たちとの仲が深まるにつれてよく笑い、おてんばな顔も見せ始める。
原作ではそうしたやりとりもエピソードになっていて、メチャ楽しめるんです。
ストーリーでは江ノ電も登場します |
★風太との恋の行方も
もう一つは、映画版では描かれなかったすずと風太の恋の行方です。
映画版ではすずと風太が自転車に二人乗りして、桜が満開の道を駆け抜けるシーンが出てきます。
当然ながら原作でも描かれていますが、2人の恋はストーリーのテーマの1つでもあるんです。
2人がお互いのことを知っていくにつれて信頼感が芽生え、相手のことを気遣いながら恋心を深めていく。
その過程が読んでいて、心がホンワカと暖かくなるんですよ。
風太はオクトパスに入団したときからすずに恋心を抱いていたけど、すずが主将の裕也と仲が良い姿をみて距離を置いていました。
風太は裕也にかわり主将となり、練習試合ですずが男子の選手にけずられる姿をみてチームでサポートすることを提案。サポートはチームが勝つためと説明し、すずには「1対1なら絶対に勝て」。「おれらもおまえが女だからどーのこーのいわねえから、おまえも女だってこといいわけにすんな!」
祭りの「面掛け行列」で、すずと風太は姉の幸が不倫相手の椎名とデートしているところに出くわし、後をつけて見守る。すずは風太に「(自分の)お父さんとお母さんの選んだことだから仕方ないけど、なんでその道(駆け落ち)かなって」。そうこぼす彼女に、風太は「お母さんだって、お父さんだって、きっとつらかったと思う」。「おれは浅野がこの世に生まれてくれてよかったって思ってるから」
すずの心は風太に傾いていきます。原作では、その結末も楽しむことができるんです。
2.映画ではなかった主人公・すずのエピソードに癒される
★母・季和子の思いが明かされる
映画ではなかった、すずの母・季和子のエピソードが第5巻以降に描かれています。
季和子が亡くなった際、すずは母の親戚から何の連絡もないことに不信感を抱き、自分は嫌われているんだと思っていました。
香田家に季和子の妹・北川十和子から連絡が入り、彼女たちの母、すずにとっては祖母が亡くなったと知らされる。その祖母がすずのためにお金を残しており、お金を届けるために十和子が鎌倉を訪ねることになった。すずは母の葬式にも来なかった親戚に対し「何で今頃って正直思う」「そんなの(お金)今さら欲しくないし」。
十和子は「すず…ちゃんね、初めまして」。香田3姉妹には「姉の季和子がご迷惑をおかけしました」と頭を下げ謝罪する。さらにすずが生まれた日に、祖母が預金通帳を作ったと明かす。
祖母は「人様の家庭を壊してまで自分の思い通りにしようとはとんでもない」と最後まで季和子を許そうとしなかった。それでもすずのために通帳を作り季和子の兄・正人を通じて渡そうとしたが、季和子は「北川家と縁を切る」と断った。「私は浅野さんの家族から夫と父親を奪ってしまった。そのうえすずという宝物まで授かり、これ以上もらうわけにはいかない」
「嫌われていると思っていたから、お母さんの家のことは考えないようにしていました」「本当いうと好きじゃなかったんです」「嫌われてないってわかってよかった」
★金沢の母の実家で迎えるカタルシス
すずと北川家のエピソードはまだあって第6巻に収容。これがメチャいいストーリーなんです。
北川家は金沢にある老舗の呉服屋さん。すずは祖母の遺産相続のため、3人の姉たちと金沢を訪ねます。
遺産をめぐる家族会議に出席するためで、中には季和子と浅野を許していない親戚がいるというヘビーなミーティングです。
里美は「季和ちゃんによう似とるわ」。正人も「やっぱり母娘やなあ。季和子の子供の頃にそっくりや」とうれしそうに目を細める。
親戚は遺産が欲しいが、すずには渡したくない。「相続分以外はいらないと一筆書け」と要求する。あまりの欲深さに、十和子が「今後お付き合いはいっさいご遠慮させていただきます!」とブチ切れ。正人も「金が欲しーいのはアンタらじゃろーが!」と切れまくった。
正人夫妻と十和子は、季和子の形見である加賀友禅の振袖をすずに着せた。季和子の成人式の際に作ったもので、すずにも成人式で着てほしいと申し出る。正人夫妻には4歳で亡くした女の子がいた。だからすずが気になり、消息がわかった際は金沢に引き取ろうと考えていた。
そして4姉妹と北川家の全員で家族写真を撮るシーンは、すずの両親をめぐるわだかまりが晴れる、まさにカタルシス。
写真は孤独だったすずに温かい家族ができたことを象徴していて、読んでいて目がウルウルしてくるほどです。
★女子サッカーへの道
第6巻以降のストーリーでは、すずの進路も描かれています。
すずは父親が存命のころに住んでいた仙台で、全国大会の優勝経験があるジュニアユース「青葉JFC」でレギュラーでした。
オクトパスでもレギュラーとして活躍。ライバルのチームからキツいファウルをもらうほどマークされる実力者です。
それだけに、男子サッカーの強豪校で女子部を新設した静岡・掛川学院から特待生としてオファーが届くんです。
すずはオクトパスで男子選手のフィジカルに苦しみ、一時はサッカーをやめることを考えたほど。
GKの美帆に「前向きになれない理由」を聞かれ、すずはお金のことや特待生として結果が求められる重圧をあげる。
風太に「お姉ちゃんたちと離れるの、イヤなんじゃね?」と指摘されると、すずは「そうかもしれない」。母親が亡くなり、山形で新しい家族と暮らすようになっても「本当はずっとさびしかった」「もうひとりぼっちはいやなの」。「だから正直不安なの。また別のところへ行って、新しい生活を始めるって」
姉たちが仕事のため留守番し、一人でゴハンを食べることが多いけど「さびしくない」。
姉たちが家族としていつまでも一緒にいてくれるという安心感、絆ができたから。
姉たちと離れて暮らすことで、また「ひとりぼっち」になる不安を感じていたんです。
「今はひとりでメシ食っててもさびしくないっつったじゃん。おまえもう、ひとりぼっちなんかじゃねえからだろ︎」「おまえがどこで暮らしたって、お姉ちゃんたちが、おまえのお姉ちゃんなのは変わんないって、そう思えるからじゃねえのか」
そんな思いがこもったセリフ。めっちゃ男前じゃないですか!
風太のゲキを受けて、すずも決心します。不安が吹き飛んだ、最高にいい顔で。
続きはぜひ作品でお読みください。メチャ感動しますよ。
3.映画では描かれなかった4姉妹の〝その後〟が感動的
★長女・幸は新しい理解者と人生を歩み始める
椎名は心を病んだ妻との離婚に踏み切れないまま幸と付き合っていた。ついに離婚しボストンに留学することを決めた。椎名は「一緒についてきてほしい」と頼むが、幸は「これが自分が本当に望んでいたものなのか?」と悩む自分に気づく。幸は椎名との別れを決断。同時に、打診を受けていた「緩和ケア」担当へ異動。「看取る」看護へ尽力していく。
ヤスとはすずの保護者として接していた幸だが、仕事帰りなどにお互いの悩みを話し合ううちに打ち解けていく。食事をしたり、お酒を飲んだり。椎名とは感じなかった楽しさを、幸はヤスとの時間の中に感じるようになっていき…。
医療従事者としても、仕事に関わる悩みや愚痴をこぼし合ったり。幸にとってヤスの存在感がどんどんと大きくなっていくんです。
★次女・佳乃は恋と仕事に燃えて
信用金庫で窓口担当だった次女・佳乃は、「融資課長席付お客様相談係」に。融資などの外回り業務につきます。
窓口業務時代に、後輩に気遣いができる佳乃の人柄を買った坂下が推薦していたんです。外回りの仕事ぶりも大したもの。
資金繰りに苦しみ「楽になりたい」とこぼす工場経営者に「死ぬくらいなら工場を畳みましょう。生きてナンボです」と励まして翻意させたり。
坂下は佳乃の人柄に好感を持っていました。一方で佳乃は坂下のことをダサいとバカにしていて…。
坂下は遺言状の作成や店の後始末など、幸子が安心して〝旅立てる〟ように尽力。佳乃も必死に奔走する。佳乃は坂下の顧客への誠実な仕事ぶりに惹かれ、国立大出でかつて都市銀行にいた彼が信用金庫にいることが気になる。坂下が心に抱いている苦悶にも気づき、佳乃は何度もアタックして本心を聞き出す。坂下は都銀時代に顧客が金策に苦しんで亡くなり、助けられたんじゃなかったのかと悔やみ続けていた…。
ストーリーの後半は、三女・千佳が主役といっても過言ではありません。
千佳が勤めているスポーツ店の店長で恋人の浜田は、かつては日本を代表するクライマー。
浜田は山登りは引退していたが、かつての仲間がエベレストを目指すことになりサポートとして同行することになった。浜田が登山準備で多忙な一方で、千佳の表情がさえなくなる。浜田が出発した後、千佳はアフロヘアからショートに。千佳は安産祈願の神社に通うところをすずに見られ、浜田の子供を体に宿していることを明かす。でも千佳は、すずに「お姉ちゃんたちには言わないで」と口止め。その真意は「彼には山に集中してほしいから」。
浜田は日本の山さえ登らない。あの山で失ったものを取り戻してほしい。好きなものを好きだって言えるようになってほしい。千佳とすずは安全祈願のために鎌倉のパワースポットを巡る。途中で千佳が倒れて、姉たちに妊娠を知られてしまう。
すべての準備を終えて、浜田は再びエベレストに戻ります。でもアタック中の浜田のチームからの連絡が途絶えて…。
劇的なストーリーは、ぜひ作品でご覧ください。
★四女・すずの〝その後〟は ⁉︎
ストーリーは最終話「行ってくる」で完結。登場人物たちがそれぞれ新しい日々へスタート。
ラストは、すずが江ノ電に乗って新天地へ向かうシーンで締めています。
最終話が収録されている第9巻には、番外編として「通り雨のあとに」というエピソードも収められています。
この番外編で〝その後のすず〟が描かれているんです。
ある夏の日、温泉宿にすずが訪ねてきた。浜田と千佳の子・走馬と風太の兄の子・光道を連れて、父の13回忌のためだった。山形にはすずの両親のお墓があったが、鎌倉へ移すため「墓じまい」の目的もあった。温泉宿で働いている和樹は守と駅で出迎え、すずと久しぶりに対面。すずから「結婚するの」と告げられる。
ただ走馬と光道が守と会ったことがあり、守がすずを「昔サッカーやってた人」と表現するなど交流があったことを示唆しています。
すずの結婚相手も明かされていません。でもヒントはあります。まずは風太の甥っ子・光道を同行したこと。
すずが中学時代に風太に貸して「ハデすぎ」と恥ずかしがられた花柄の折り畳み傘をまだ使っていること。
この傘が結婚相手に「ハデすぎて評判が悪い」とすずが明かしていること。
すずがゴールインした相手が何となく分かり、「やっぱりなあ」と心地よい後味が楽しめるんです。
まとめ・「海街」の世界観に満ちた三部作も楽しもう
江ノ電は「海街」の世界観の象徴の一つです |
ここまで「海街 d i a r y 」の原作漫画が持つ魅力などについて紹介してきました。
そして作品の特徴が分かり、映画版との違いも分かってハマるエピソードなどの魅力について、
- 映画では割愛されたエピソードがめっちゃ泣ける
- 映画ではなかった主人公の四女・すずのエピソードに癒される
- 映画では描かれなかった4姉妹の〝その後〟が感動的
上記の3つの魅力について紹介&解説してきました。
最近では映画版を配信サービスなどで視聴して、「海街」の世界に入るファンも多くなっているだけに、
「映画はすごくよかったけど、原作の方は面白いんですか?」
「原作と映画では、どんな違いがあるんですか?」
「映画ではなかったけど、原作では4姉妹がどうなるのか描かれてるんですか?」
なんて悩んでいる方は、この記事を読んで「海街 d i a r y 」の原作漫画と映画版の違いが楽しめたと思います。
さらに映画では登場しなかったエピソードや4姉妹の〝その後〟も分かったはずです。
最後に、吉田さんの作品には「海街」に登場したキャラが活躍する作品があるんです。
1995年〜1996年まで「月冊少女コミック」で掲載された「ラヴァーズ・キス」。
佳乃の恋人だった高校生の藤井や、風太のお姉さんらが登場する、クロスオーバー作品です。
番外編「通り雨のあとに」で登場した和樹が主人公の「詩歌川百景」は、スピンオフ作品となります。
〝三部作〟を合わせて読めば、「海街」の世界観にどっぷりハマることができるんです。ぜひ手に取って楽しんでください。
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