「昭和の野球漫画」大ヒット作品じゃないけどエモすぎてもう一度読みたい!懐かしの名作3選

2025年3月23日日曜日

マンガを楽しむ

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昭和の野球小僧にはエモすぎる作品がたくさん!

昭和40〜50年代に読みふけって熱狂した野球小僧たちへ


昭和の時代では、日本人にとって「野球」は大相撲と並ぶ〝国技〟といえるほど、令和の今以上に人気のスポーツでした。


だから漫画でも超人気のジャンル。ワタシがチビで野球小僧だった昭和40〜50年代にはたくさんの作品が生まれました。


巨人の星」(原作・梶原一騎さん、作画・川崎のぼるさん)や「キャプテン」(著者・ちばあきおさん)。


さらには「アストロ球団」(原作・遠崎史朗さん、作画・中島徳博さん)や「ドカベン」(著者・水島新司さん)etc。


アニメ化されたり実写ドラマ化された大ヒット作がたくさん! でも野球小僧たちを熱狂させた名作はもっとある! それだけに、


昭和の野球漫画でオススメの作品はある⁉︎


『巨人の星』や『キャプテン』のほかにも面白いヤツを教えて!


なんて声がたくさん。ワタシと同じ昭和40〜50年代の野球小僧たちからも、


大ヒットはしてないけど、キャラが熱血だったり面白かった懐かしい作品を読み返したい


という声も多いんです。


この記事では昭和40〜50年代に発表された大ヒット作品じゃないけどエモくてもう一度読んでみたいオススメの名作として、


  1. 「侍ジャイアンツ」(原作・梶原一騎さん、作画・井上コオさん)
  2. 「しまっていこうぜ!」(著者・吉森みき男さん)
  3. 「がんばれ ‼︎ タブチくん ‼︎」(著者・いしいひさいちさん)

上記の3作品を紹介&解説します。


この記事を読めば、大ヒット作品ではないけど、キャラが熱血で面白くて懐かしい3作品のことがよく分かります。


さらに3作品を手にして、ページを開きたくなりますよ。


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3作品をチョイスした理由


カッコ良かったアノ左腕投手が…

年をとるにつれて、最近のワタシは子どもの頃に読み漁った「昭和の漫画」を思い出すことが多くなりました。


そして野球小僧だったので、大好きだった「野球漫画」を「あの作品の結末って、どうだったっけ?」なんて懐かしく感じちゃうんです。


その原因は電子書籍。「Amazon」の「Kindle Unlimited」に加入していると、懐かしい作品の表紙がいっぱい出てくる。


あの漫画が電子書籍で復活してるんだ!」なんてエモくなっちゃうんですよね。


それで「Amazon」や「Kindle Unlimited」で「野球漫画」を検索してスクロールしていたら出てきたんですよ、紹介する作品が!


侍ジャイアンツ」はプロ野球・巨人が舞台の熱血(スポ根)ストーリー。


しまっていこうぜ!」は中学・高校野球が舞台の野球小僧たちの青春ストーリー。


がんばれ ‼︎ タブチくん ‼︎」は実在のプロ野球選手たちがモデルの超絶ギャグ作品。


この3作品、「巨人の星」や「キャプテン」など令和でも読み継がれている大ヒット作品ではありません。


だけど、昭和40〜50年代の野球小僧たちをトリコにした名作。掲載紙が書店に並ぶのを楽しみにしていて読みふけっていた作品です。


さらにオジサンになって、表紙を見たら頭の中の記憶が一気によみがえってエモくなる魅力を持った作品なんです。


次項からは3作品を1つずつ紹介&解説していきます。


1.「侍ジャイアンツ」




★アニメのテーマソングは令和でも歌い継がれて


侍ジャイアンツ」は、原作・梶原一騎さん、作画・井上コオさん。


週刊少年ジャンプ」1971(昭和46)年36号から1974(昭和49)年42号まで連載。


単行本は全16巻が刊行されていて、ほかにも「梶原一騎原作漫画傑作選」などに収録。現在は電子書籍でも読むことができます。


ただ、当時は漫画よりもアニメの方が人気があった記憶があります(間違ってたらごめんなさい…)。


テレビアニメ版は1973年10月から1974年9月まで、日本テレビ系で放送されました。


主人公の番場蛮(ばんば・ばん)の豪快で明るいキャラと、梶原さんの熱血ストーリーがアニメ表現にめちゃハマって面白かった!


テーマソングもカッコよくて、オープニング曲は「侍ジャイアンツ」「王者 侍ジャイアンツ」の2曲。


エンディング曲も「サムライ 番場蛮」「ゆけ!バンババン」の2曲。いずれも人気がありました。


特に記憶に焼きついているのが「王者 侍ジャイアンツ」で、サビの「ジャイアンツの〜ジャアンツの〜 旗のも〜と〜」。


令和の今でも巨人の応援団が、ライトスタンドからトランペットで演奏しているほど。


知る人ぞ知る、昭和の名曲でもあるんです!


★土佐のサムライ・バンババン


ストーリーの時代は昭和45(1970)年。前述したように、主人公は番場蛮。土佐の高知出身の左腕投手です。


両親は土佐のカツオ一本釣り漁師。蛮が6歳のときに父親がクジラの犠牲になり、学校に通いつつ漁師をして家計を助けていました。


一方で、クジラに父親を奪われたことから「強くてデカくていばったヤツ」に闘志を燃やすようになりました。


土佐嵐高校では野球部に所属し、1年ながらバツグンの身体能力でエースに。


トンデモないノーコンだけど、右足をピンと上に伸ばしたフォームで投げ込む豪速球と豪快な打撃で高知の高校球界では有名に。


一方、巨人は「打撃の神様」川上哲治さんが監督で、長嶋茂雄さん、王貞治さんの「O・N砲」の全盛期。昭和45年時点で6年連続日本一でした。


まさに黄金時代。でも多くの選手たちは野生味がなくこじんまりしている。


そんなチーム状況に川上監督は「これからのチームには野武士のようなサムライが必要だ」と危機を感じていました。


そんな時、土佐嵐高校出身の投手、八幡太郎平が後輩の蛮を紹介。スカウトにきた川上監督に、蛮は宣言するんです。


甲子園へ行ってプロへの実績を築いたら、前年度どんじり球団に入団して巨人をぶっ倒す


でも蛮はノーコンが災いして高知予選で敗退し、母親が倒れたため学校を中退。漁師を続けつつプロを目指すことになりました。


そんな蛮を「本物のサムライだ」とほれ込んだ川上監督はドラフト会議で指名


蛮は「巨人というクジラに一度飲まれて、腹を突き破って飛び出してやる」とブチ上げて巨人に入団するんです。


でも本心は「サムライはおのれを知るもののために死す」。自分の欠点を飲み込んで入団させた巨人にほれてしまったんですね。


プロ野球では「死に(4、42)番」と忌み嫌われていた背番号」を背負って、蛮は巨人のために死闘を演じていきます。



★次々と生み出される魔球


超ノーコンだった蛮は、捕手に転向した先輩・八幡との大特訓で制球力を身につけ、豪速球を引っさげてプロデビューします。


この作品の特徴は、当時の名プレーヤーたちが実名で登場すること。


長嶋&王の「O・N」や、阪神・田淵幸一さん、ヤクルト・若松勉さん、広島・衣笠祥雄さん、南海・野村克也さん etc。


オリジナルのライバルキャラとして、天才打者のヤクルト・眉月光、巨漢打者の中日・大砲万作、殺人スライディング男の阪神・ウルフ・チーフ


そんな強打者たちに、球種がストレートだけの蛮はどん底に突き落とされます。


それでも「男は地獄で歌うもの」と不敵に笑う蛮は、自ら編み出した「魔球」ではい上がってくるんです。そして主な魔球は、


ハイジャンプ魔球】マウンドで真上にジャンプして、空中から投球。上からの急角度の速球で打者を打ち取る。


大回転魔球】マウンドで体をコマのように回転させて投球。回転の残像で手が何本もあるように見えて〝本物〟が分からない。


分身魔球】ボールを左手で握りつぶし、変形させた状態で投げ込む。変形したボールはブレて何個もあるように見える。


野球規則からみると「ハイジャンプ魔球」はボーク。投球中はどちらかの足を地面につけなくちゃいけないんです。


「大回転魔球」はグレー。「分身魔球」はボールに細工する不正投球になります(笑)。


ライバルたちが独自の打法で対抗すると、蛮も魔球を改良。ハイジャンプと大回転を混ぜた「ハイジャンプ大回転魔球」もありました。


令和のいま読むとメッチャ荒唐無稽なんですが、昭和の子どもたちにはカッコよくて、みんなマネしてました(笑)。


★悲劇的な漫画版のラストシーン


そして、めちゃエモくて印象的なのがラストシーン


アニメ版では、巨人が日米ワールドシリーズに出場。第7戦でチームの「世界一」をかけて蛮が登板します。


そして「ハイジャンプ」「大回転」「分身」と各魔球をミックスした「ミラクルボール」を力投。蛮はMVPを獲得します。


一方の漫画版。梶原節があふれまくる悲劇的な結末なんです。詳しくは漫画を読んでほしいんですが、少しだけ説明します。


「分身魔球」は硬球を握りつぶすだけに、肉体にトンデモない負担がかかります。


さらに巨人は「V9」を達成し「V10」を目指していたけど、引退間近の長嶋さんが衰え投手陣も不調。


蛮は3連投など酷使され続け、肉体の疲労がピークに達して…。この続きはぜひ、作品をお読みください。


2.「しまっていこうぜ!」

★ひたむきな野球小僧たちの物語


しまっていこうぜ!」の著者は、吉森みき男さん。


少女漫画の作品が多い作家さんですが、少年漫画でも力作がたくさんあります。


読売新聞に連載した「ライパチくん」シリーズとともに、「しまっていこうぜ!」は吉森さんの代表作になります。


そして「しまっていこうぜ!」は「週刊少年チャンピオン」で1972(昭和47)年から1980(昭和55)年まで連載。


単行本は全26巻が刊行。現在は紙の単行本は発売されておらず、古本市場では1万円近い値段がついているプレミア作品。


最近になって電子書籍版で復活したので、お手頃な価格で楽しむことができるんです。


連載当時は「チャンピオン」の看板漫画の1つだった「ドカベン」(著者・水島新司さん)と同時に掲載され、人気を博しました。


両作品とも中学&高校野球がストーリーの舞台でしたが、作品の世界観が大きく違っていました。


「ドカベン」は主人公の山田太郎をはじめ、超高校級の野球選手たちが活躍する姿が描かれています。


一方の「しまっていこうぜ!」の登場人物は主人公・沢村大介(さわむら・だいすけ)ら、街のどこにでもいる普通の野球少年たち。


野球が大好きな普通の少年たちがひたむきに練習してうまくなり、勝利を目指すストーリーなんです。


純粋に野球が好きで「うまくなりたい」と練習、努力する野球少年たちを描く作品。


そう聞くと思い出すのが、ちばあきおさんの「キャプテン」だと思います。


主人公・谷口タカオら選手たちが努力してうまくなっていく姿は、読者に「練習や努力は嘘をつかない」ということを教えてくれました。


そんな名作と同時期に連載された「しまっていこうぜ!」は、「キャプテン」に負けない魅力にあふれているんです。


★「魔球なし」ガチの熱血少年野球


主人公は沢村大介。東京の荒川区立東第三中学に通う中学2年生です。


大介は気が弱くてケンカも弱い。でも大好きな同級生の一ノ瀬純子(いちのせ・じゅんこ)にいいところを見せたい。


そんな思いからスポーツで体を鍛えようと柔道部の練習を見たりするけど、厳しすぎてビビっちゃう。


ひょんなことから強肩であることが野球部の乾キャプテンに認められて、野球部に入部するんです。


でも大介は、野球は素人。野球のルールを知らないし、プレーの基礎もない。


そんな大介を、1年後輩で野球のことがメチャくわしい捕手の池田広(いけだ・ひろし=愛称チビ)が見事にリードしていくんです。


ボールの握り方や投げ方、プレー時の姿勢やルールまで。丁寧に繰り返し教えるんです。


チビも大介が強肩であることを知って、その素質にほれ込んだんですね。


大介はチームから投手としての期待を受けて、チビとの猛練習で右の本格派投手として成長。チームを勝利に導きます。


大介の持ち球はキレのあるストレート。後にカーブを覚えますが、文字通りの「しょんべんカーブ」。


だから速球一本ヤリになって、相手打者にタイミングを合わされてしまう。


でもコンビを組むチビが、大介にマウンドのプレートを踏む位置を変えさせるんです。


軸足となる右足のプレートでの位置が変われば、速球の軌道が変わってくる


同じ速球でも内角に食い込んできたり、外角に逃げていったり。打者にとって打ちにくい角度がつくんですね。


そんな打者の反応を観察するチビが、速球のスピードを抑えさせたり(今でいうチェンジアップ)してタイミングも外す。


当時の野球漫画は「巨人の星」や前項の「侍ジャイアンツ」など、「魔球」が花盛りでした。


でも「しまっていこうぜ!」では「魔球」はなし。大介とチビは猛練習を重ねる上に知識観察心理面で打者を抑えていく。


消える魔球」などは全く出てこないのに、「野球」自体がめっちゃ面白い! そう感じてしまうんです。


吉森さんの野球の知識のすごさと同時に、野球への研究熱心ぶりを感じてしまうんですよね。


★少女漫画と熱血スポーツ漫画の融合


少女漫画の作品が多い吉森さんらしく、ストーリーでは少女漫画の要素もうまく取り入れています。


ヒロインの一ノ瀬純子は、野球へ夢中になっていく一方で親しくしてくれる大介に好意を持ちます。


ケガや故障を負いながらマウンドで熱投する大介を、スタンドで雨に濡れながら応援したり。


一方でがんばっている大介に背中を押されるように、少女漫画家を目指して創作活動に入ったり。


でも純子は心臓に病気を抱えて、成功率が低い手術を受けることになるんです。


大介は、純子の手術が成功し元気になることを祈りながら、病院の周りをボロボロになるまでウサギ跳びするんです。


まさに少女漫画と熱血スポーツ漫画の融合。スポ根漫画ばかり読んでいた野球小僧のワタシでも、ストーリーに引き込まれました。


今でいう〝恋愛要素〟を取り入れた先駆け的な作品なんですね。


★勝負の厳しさと非情さも


「しまっていこうぜ!」では熱血要素やさわやかさに加えて、勝負の厳しさや非情さも取り入れています。


中学野球を終えた大介は、高校への進学を決めます。


そして進路を模索していると、野球部元主将の乾が自身の進学先である私立の強豪・英光学園に大介を誘うんです。


英光学園野球部は甲子園の常連で、乾が2軍に甘んじるほどの強豪校。大介は強豪校に進み甲子園を目指すつもりでした。


でも、都立鷹野台高校の野球部主将・的場から「一緒にプレーしよう」と誘われます。


鷹野台野球部は出来立てのホヤホヤ。部員はそろっていなくて、グラウンドも的場ら部員が空き地を整備して使っているほど。


粗末な施設で人数がそろわなくても必死に練習する部員の姿をみて感動した大介は、鷹野台に進学するんです。


入学後に野球部に入った大介は仲間とともに猛練習。チームは試合で勝ちはじめ、英光学園と練習試合もできるようになります。


そして2年生になった大介が迎えた公式戦で、英光学園と激突するんです。


英光学園の先発は先輩の乾。3年生として最後の夏で、鷹野台戦は1軍昇格がかかった大事な試合です。


大介たちにとっても甲子園を目指すために負けられない試合で、自分を野球に導いてくれた先輩と戦うことになるんです。


ラストチャンスを逃したくない乾は、死にものぐるいで大介をマウンドから引きずり下ろそうと仕掛けてくる。


危機迫る先輩に負けず、大介たちも懸命にマウンドの乾を崩そうとする。


まさに死闘。いわゆる「スポーツ漫画」にはない勝負の厳しさと非情さがあふれまくっていて、読んでいてドキドキしました。


結末は作品を読んでいただきたいですが、ちばさんの「キャプテン」や「プレイボール」に負けない意外性や感動があふれています。


3.「がんばれ ‼︎ タブチくん ‼︎」


★実在の名選手・名監督たちをモデルに


がんばれ ‼︎ タブチくん ‼︎」の著者は、いしいひさいちさん。日本が誇る4コマギャグ漫画のレジェンドです。


底抜けにおかしくてシュールなギャグが特徴のいしいさんを天才といわしめた、代表作の1つです。


漫画アクション」で連載されていた「くるくるパーティー」という作品から、「タブチくん」のエピソードをセレクト。


1979(昭和54)年に「がんばれ ‼︎ タブチくん ‼︎」のタイトルで単行本化されました。


単行本は全3巻。文庫版なども刊行されましたが、残念ながら現在は絶版。中古本が1000円〜1500円ほどで発売中です。


3巻の単行本のインパクトはメチャ強くて、1979年から1980年にかけてアニメ映画が3作品も制作されています。


映画は3作品で計300万人を動員するなど大ヒットしました。


主人公はプロ野球選手のタブチくん。阪神、西武でプレーした田淵幸一さんがモデル。


ほかの登場人物たちも、実在の選手や監督球団オーナーらがモデルになっている、超絶4コマギャグ漫画です。


前項までピックアップした「侍ジャイアンツ」や「しまっていこうぜ!」のほかにも、熱血ストーリーの野球漫画の力作はたくさんあります。


なのに4コマギャグの「タブチくん」を紹介する理由は、実在の有名人をモデルにしたギャグ漫画を確立させた画期的な作品だからです。


★名選手や名監督をイジり倒す


前述した通り、主人公はタブチくん。そしてモデルは阪神、西武で活躍した強打の捕手、田淵幸一さん。


巨人・長嶋さん、王さんの「O・N砲」全盛のころ、阪神の主砲として活躍。1975(昭和50)年のセ・リーグ本塁打王です。


ただ現役時代はケガが多くて、治療の投薬の影響でポッチャリしてきて…。その姿をデフォルメしたのが「タブチくん」なんです。


いしいさんが描くタブチくんは、打席では三振か本塁打、どちらかというと扇風機気味…。


守備でも、相手走者の二盗を刺そうと二塁へ投げた送球が投手に直撃してKOしちゃったり。


阪神から西武へトレードされたことがトラウマになって、トレードの気配があると各方面に電話して探りを入れたり。


家庭では、奥さんの「ミヨコさん」にホームランの自慢をしてあきれられたり。家の中でダラダラすごしていたらお尻を蹴飛ばされたり。


いしいさんは球界のスーパースターをイジり倒してスーパーギャガーに変身させたんです。


タブチくんのほかにも強烈キャラがたくさん。ここではタブチくんに匹敵する面白キャラの「ヤスダくん」を紹介します。


「ヤスダくん」はヤクルトの左腕投手で小柄な体と、ぶっとい眉毛がトレードマーク。


直球が遅いためいろんな魔球を編み出すけど、これが役に立たなくて監督や選手たちにバカにされちゃう。


契約更改では自分の娘を同席させて「お父ちゃん、ひもじいよ」といわせて球団フロントの同情を買おうと画策したり。


姑息なインサイドワークがメチャ面白いキャラ。モデルはヤクルト投手の安田猛さん。


球速は130キロ台だったけど、バツグンの制球力と緩急をつけた投球術93勝をあげた技巧派左腕でした。


ワタシは仕事で安田さんとお付き合いがあったんですが、とても明るい方。ご本人の太い眉はまさに「ヤスダくん」でしたね。


ヤスダくんのほかにも、監督としてヤクルト、西武をリーグ優勝に導いた広岡達朗さんがモデルの「ヒロオカさん」。


西武球団の元オーナーで西武グループの総帥だった堤義明さんがモデルの「ツツミさん」。


名監督や大物財界人までもがギャガーとしてイジられていたんですね。


★田淵さんはタブチくんの大ファン


ズッコケのギャガーとしてイジられて、当の田淵さんは「タブチくん」をどう思っていたのか?


それが全く怒っていなくて、原作漫画の大ファン。自分自身がネタにされているのに大笑いしていたそうです。


実は漫画のネタ元は、タブチ夫人の「ミヨコさん」のモデルである前夫人だったそう。


前夫人が、いしいさんはじめ作品の関係者に教えていたそうで、田淵さん自身もそんな事情を理解していたのかもしれません。


田淵さんは西武時代の1981(昭和56)年に前夫人と離婚。同年に元タレントのジャネット八田さんと再婚しました。


離婚後まもない再婚劇だっただけに、当時は話題になりました。


当時の八田さんは野球選手のことは知らなくて、漫画の「タブチくん」で田淵さんのことを知ったそうです。


「タブチくん」は田淵さんに不思議な縁をもたらしたワケです。


実はワタシ、田淵さんとも仕事でお付き合いがあったんですけど、性格がホントにおおらかな人。


ちょっとトボけた感じがあって、会話も話題が豊富で面白い人です。


ああ、この人がタブチくんのモデルになったんだなあ」と、何だかナットクできました(笑)。


いしいさんの作品は時代の新旧は関係なく、いつ読んでも笑っちゃう魅力があふれていて、まさに天才と感じてしまう。


その代表作である「タブチくん」は、令和のいま読んでも最高のギャグ野球漫画として楽しめる作品です。


まとめ・昭和の野球漫画の名作にハマろう!


紹介した3作品は令和のいま読んでもハマるよ

ここまで昭和40〜50年代に発表された、昭和の野球漫画について紹介してきました。


そして大ヒット作品じゃないけど、エモくてもう一度読みたい懐かしの名作として、


  1. 「侍ジャイアンツ」(原作・梶原一騎さん、作画・井上コオさん)
  2. 「しまっていこうぜ!」(著者・吉森みき男さん)
  3. 「がんばれ ‼︎ タブチくん ‼︎」(著者・いしいひさいちさん)

上記の3作品を紹介&解説してきました。


この記事を読んで3作品が、大ヒット作品じゃないけどキャラが熱血で面白いことがよく分かったと思います。だから、


昭和の野球漫画でオススメの作品はある⁉︎


『巨人の星』や『キャプテン』のほかにも面白いヤツを教えて!


大ヒットはしてないけど、キャラが熱血だったり面白かった懐かしい作品を読み返したい


なんて方にはピッタリの作品なんです。


この記事を読んだことをいい機会として、ぜひ3作品を読んでみてください。いずれも名作なので絶対にハマりますよ!


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