ハッツッハ! んなアホな! |
タイトルが「ん」で始まるマンガ作品を日本で初めて解説する
ギャグとコメディーはマンガの花道。まさに王道のジャンルです。
そして、4コママンガで日本を代表する作家といえば、いしいひさいちさん。
実在のプロ野球選手をデフォルメした「がんばれ!!タブチくん!!」。ブラックユーモア満載の「おじゃまんが山田くん」はアニメ化されて大人気。
朝日新聞の朝刊で連載され、毎朝みんなを笑わせてくれている「ののちゃん」。代表作はたくさんあります。
いしいさんの作風はシュールなギャグ。天才的なひらめきが生み出すナンセンスギャグがたまりません。それだけに、
「いしいさんの作品で、メチャ面白かったモノを教えて!」
「タブチくんや山田くんで、いしいさんにハマりました。他にオススメ作品があったら読んでみたい」
「いしいさんの作品で、おじゃまんがよりシュールすぎるヤツってありますか?」
なんて悩ましげな声が多いんです。
そんな満足できないいしいファンに、当ブログが自信を持ってオススメする作品が「んなアホな!」。
「タブチくん」や「山田くん」よりもシュール&ナンセンスすぎて難解かつ前衛的。だけどメチャ面白い。
「さすが天才!」とうなっちゃう作品群を集めた文庫本です。しかもタイトル自体が「ん」から始まるシュールさ。最高です!
そして、この作品をオススメする理由もあるんです。
- いしいさんの有名キャラを使わず、一般庶民キャラでギャグを展開。
- 通常の4コマに加え3コマや6コマ、8コマなど変則的で実験的な構成。
- 実験的だけに内容、質も千差万別。スベリ気味でカオス&難解なモノもある。
上記の3つの魅力が、いしい作品の中でも際立っているから。
この記事では作品が持つ3つの魅力について詳しく紹介&解説します。
また、この作品の評価をマンガストア上で調べたら、購入者レビューがわずかにあるだけ。
ほとんど知られていない上に、内容の解説もない作品。だからこの記事での紹介&解説は、おそらく日本初の試み(笑)。
この記事を読めば、シュール&ナンセンスすぎる前衛ギャグが分かってナットク&マンゾク。
作品のページを開きたくなって、いしい作品にハマりますよ。
「んなアホな!」って、どんな作品なの?
「んなアホな!」は2004年10月に双葉文庫から「ひさいち文庫」の一作品として発売。
全140編のギャグマンガで構成。1編のタイトルは【001】といった数字で示されています。
ワタシが作品を知ったきっかけは、知人に「〝ん〟で始まるタイトルのマンガって、あるかな?」と質問されたこと。
「タイトルは大事な要素。さすがに〝ん〟はないだろ⁉︎」と思って調べたら、あった(笑)。
しかも著者は、天才いしいさん。ホントにシュールでナンセンスのカタマリのような人です。
プロ野球、政治、経済、時事など幅広いジャンルを4コマで表現。作品の世界観はシュールでナンセンス。難解なものもあるけど笑っちゃう。
それゆえに「いしいワールド」といわれています。
いしいさんが生み出したキャラクターもすごい。「タブチくん」意外にも実在の野球選手・監督をデフォルメした「ヤスダくん」「ヒロオカ」。
政治・時事ものでは、大手新聞社の最高幹部がモデルの「ナベツネツネオ」も人気です。
そんな「いしいワールド」の中でも「んなアホな!」は特異すぎる作品。
だから「シュールでナンセンスすぎる」作品が読みたい人にオススメするんです。
ここからは前述した3つの魅力について、詳しく説明していきます。
1.有名キャラを使わず一般庶民キャラでギャグを展開
「んなアホな!」に登場するのは、一般庶民キャラです。
飛び込みの営業マン、ピアノを練習する小学生、主婦、生活苦の人、大企業の経営者、無人島の漂流者etc。
まさに千差万別。一方で「タブチくん」など有名すぎるキャラはゼロ。一般庶民が芸人さんのようなシュールなギャグを披露しているんです。
作品を編集した「チャンネルゼロ編集部」によると、特に定まったキャラをもたない話を「炊き寄せ風に編んで一本(作品)」にしたもの。
有名キャラのおもしろさには頼らない。いしいさんのアイデアが主体となって、代表作よりもシュールなギャグの世界が展開されてるんです。
まずは【041】。
生活に苦しむ男が床下にツボを置き、小銭がたまるたびにツボにチャリンと落として貯金。でも、床下にはもう1人、生活に苦しんでいる人が住みつき、ツボをどかしてお皿を置いて小銭をゲット。「ありがたいことです」と手を合わせる。
笑っちゃったのが【076】。人をあやめた歌舞伎役者のストーリー。
殺された男性の葬式に参列する2人の刑事。犯人は役者の甥とにらんでいる。若い刑事は「演技でごまかされないようにしないと」と気合を入れる。ベテラン刑事は「演技をするとすぐ分かる、歌舞伎役者だから」。その甥は「いやさ、悲しいィねぇ~」と大見得を切る。
ナンセンスかつシュールなギャグが大爆発。思わず吹き出してしまいます。
2.通常4コマに加え3コマや6コマ、8コマなど変則的で実験的構成
「んなアホな!」のコンテンツは、1編の構成が変則的かつ実験的なんです。
「起承転結」が基本の4コマに加え、3コマや6コマ、さらに8コマ構成のストーリーまでズラリ。
個人的にパンチが効いていると思うのが、3コマもの。計33編もあるんです。
コマ数が少ない分、シンプルでギャグが分かりやすくおもしろいんです。
【025】では、
病院の待合室のイスに座っているサラリーマン。そこにもう1人のサラリーマンがやってきて「お待たせしました」とあいさつ。座っていた方も「いえいえ」と答えて病院から立ち去る。文字通りの〝待合室〟だった。
6コマものでは【031】。銀行強盗と行員さんのやりとりが秀逸すぎます。
銀行強盗が「カネを出せ、俺はピストルを持っている」と払い戻し請求書に記し、窓口の女性行員を脅迫。その行員さんが融資契約証書を強盗に手渡す。そこには「担保物件、ピストル一丁」と書いてあった。
8コマものではストーリー性と説明要素が加わって、これも笑っちゃう。
【098】では、
将棋のタイトル戦。盤上の難解な展開に「山田六段」が長考に入る。彼の頭の中では悩みがうずまいている。「やっぱり、あのマンション買おうかな」「ウチのムスコは、ほんとにオレの子か」。中継のアナウンサー「山田六段、大長考ですね」。
コマの数によってストーリー展開の仕方を大胆にしたり、詳細にしたり。
ストーリーの説明要素を細かく加える一方で、メチャはぶいたり。
コマ数に応じて、自分のアイデアを一コマにどう込めてやろうか。
いしいさんの実験的な考えと意思が感じられて、ホントにおもしろいんです。
3.実験的だけに内容、質も千差万別。カオス&難解なモノも
実験的なだけにスベリ気味なギャグも… |
ここまで紹介したギャグはホントにうまくて、「んなアホな!」と笑っちゃう内容でした。
一方、変則的で実験的な作り方のため難解でスベリ気味。「あれっ?」「んんっ?」と首をかしげてしまうカオスなギャグもあります。
まずは【009】。
ある家庭の、朝の出勤風景。玄関を出る夫に、奥さんが「あなた、忘れものよ」とヨードチンキを手渡す。夫は「ええっ、どうするんだい?ヨードチンキなんか」。奥さんは「バカね。ケガした時つけるんじゃない」。
さらに【123】。
ある主婦が一念発起して「よーし、家計簿をつけるぞ」。でも、2日目には「めんどくさい」とペンをポイ捨て。その家計簿を小学校に持っていったムスコが同級生にみせると「わー、ケンちゃんのノートすごーい」「オカネモチなんだねー」。
難解なギャグもあるけど笑っちゃう |
こんな感じで、ちょっと意味が分からないカオスでスベリ気味なギャグもある。ホント、前衛的。
いしいさんは、秀逸なアイデアを生み出す天才性で日本のギャグマンガの第一人者となった人。
その天才性のゆえに世間一般の感性から飛び出しちゃうことがある。そう解釈せざるをえないんです(笑)。
前述した「チャンネルゼロ編集部」によると、いしいさんは一つのアイデアを起点として、それを転がし分岐させていく傾向がある。
そして集中より逸脱を好む性質があるのではないか。そう分析しています。妙にナットクしてしまう分析ですね。
まとめ・いしいワールドの本質が楽しめる
ここまで「んなアホな!」に収録されているギャグを紹介&解説してきました。
そして、この作品が持つ3つの魅力、
- いしいさんの有名キャラを使わず、一般庶民キャラでギャグを展開。
- 通常の4コマに加え3コマや6コマ、8コマなど変則的で実験的な構成。
- 実験的だけに内容、質も千差万別。スベリ気味でカオス&難解なモノも。
上記の3点が際立っている。「タブチくん」や「山田くん」よりシュール&ナンセンスすぎて難解かつ前衛的だけど、メチャ面白い。だから、
「いしいさんの作品で、メチャ面白かったモノを教えて!」
「タブチくんや山田くんで、いしいさんにハマりました。他にオススメ作品があったら読んでみたい」
「いしいさんの作品で、おじゃまんがよりシュールすぎるヤツってありますか?」
なんて方にオススメなんです。
また「チャンネルゼロ編集部」は、いしい作品の中で、はし休め的に楽しんでほしいと説明しています。
この作品を読むことで「タブチくん」などの代表作がより楽しめるということ。ぜひ作品のページを開いてお試しください。
さらに「いしいワールド」のトリコになること、間違いなし。
当ブログでは、4コマが基本のいしい作品では珍しい青春ストーリー作品についても紹介しています。
また、ほかにも読めば楽しくなるマンガを紹介しています。ぜひお読みください。
いしいひさいちさんの作品は電子書籍版でも好評発売中。マンガストアなら無料で試し読みができますよ。
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