あまりベタベタすると、スッと離れる。
気が付けばいつの間にやら、そばにきて丸まって寝ていたりしてー。
勝手気ままで自由な、猫。
楽しい時も、辛い時も、いつもそばにいてくれる親友でもあります。
でも、別れの時は必ずやってきます。
共に過ごした日々が濃密であればあるほど喪失感は重く、深い。
それだけに、ペットロス症候群に苦しむ人が多くいらっしゃいます。
そんな方たちに、ぜひ読んでいただきたいのが、人気マンガ「グーグーだって猫である」。
この作品は、女流マンガ家・大島弓子先生が愛猫たちと過ごした、濃密な日々をつづったマンガエッセイです。
愛情深いストーリーが展開され、心がほんわか、そしてじんわりとしてきます。
大島さんは長く〝連れ添った〟愛猫「サバ」を亡くし、悲しみに暮れます。
悲しみに沈む大島さんが出会ったのが、グーグー。
グーグーと出会い、暮らすうちにサバを失った悲しみを克服。再び訪れる別れにも、しっかりと向き合う。
ストーリーでの大島さんの姿には、ペットロスを克服するヒントがたっぷり詰まっているんです。
猫や犬などペットを愛する全ての人たちへ、この記事で作品を解説します。
- 大島さんの猫たちの愛し方。
- 大島さんが別れの次に訪れるペットロスを克服していく姿。
この2点を中心に解説。お読みいただければ、きっとペットロスを克服できますよ。
どんな物語なの?
2008年に小泉今日子さん主演で映画化。2014、2016年にはWOWOWで、宮沢りえさんの主演でドラマ化されました。
約13年半ともに暮らした愛する猫のサバを失い、食事や睡眠がとれなくなった大島さん。「ああしてあげればよかった」などと悔やみ、ペットロスに苦しんでいた。立ち寄ったペットショップで、ケージの中でうとうとする子猫・グーグーと出会い、物語がスタート。
猫に限らず、生き物は病気にかかると大変。
「ここが痛いの」なんて話せない。
グーグーに、急に症状が出て大慌て。大島さんは、あちこちの動物病院を駆け回ります。
でも、元気な時は、作品を執筆中でも背中に乗って「遊んで遊んで」と催促。
手のかかる子ほど、かわいくて、いとおしい。
大島さんは、グーグーとの濃厚な日々に没頭していきます。
宿命をしっかり受け入れる
でも、大島さんは時どき、グーグーのことを「サバ」と呼んでしまう。
「ごめんごめん」と謝るけど、サバの喪失感からなかなか抜け出せない。
ペットロスから脱出するには、「また新しい子を迎えて愛情を注ぐこと」が一番。
世間ではよくそう言われていますが、まさに金言。
一つの命と出会い、別れを経験して心にポッカリと穴が開いた人は、また新しい命を迎えて愛情を注ぐのが宿命。
その宿命をしっかり受け入れること。
ペットロスから抜け出す一つの方法であることを、大島さんは作品の中で実践し、教えてくれます。
1.大島さんの愛情の注ぎ方が素晴らしい
大島さんが愛情を注ぐのは、グーグーだけじゃありません。
家のベランダから猫の鳴き声を聞きつけると、すぐに捜索を開始します。
真夜中の藪をさまよい、草むらの中から子猫を発見。「家の子」として保護する。
自宅の庭に遊びにくる野良猫には、距離感を保ちつつごはんをあげる。
距離を少しづつ縮めながら「家の子になりな」と問いかける。
大島さんのアプローチの仕方が、本当に愛情にあふれているんです。
ドタバタの日々がいとおしい
大島さんが世話をする猫たちは十匹以上に上り、ドタバタの日々が続きます。
それでも、1匹1匹のことを真剣に考え、手厚く、優しく世話をしていきます。
目が見えなくても懸命に生きる子のために、外へ散歩に連れ出して順応性を高める。
最後まで「家の子」にならず、自宅の庭ですごそうとする子のために、少しでも寒さをしのげるように、安らげるようにしたい。そんな思いから自前で段ボールで簡易ハウスを製作する。
その簡易ハウスの中で、一匹の野良猫が静かに息を引き取ります。
静かに眠るその子に、大島さんは「もっと、やってあげられることはなかったのか」。
そう、自問自答します。
この姿勢が、サバの喪失の悲しみを克服できた最大の理由です。
あとで後悔しないように、自分ができるかぎりの愛情を注ぐ。
ペットロスと闘うためのポイント。大島さんがサバの喪失感から抜け出せた理由なんです。
2.ペットロスの克服、そして昇華へ
寝顔がたまらなくかわいい |
最終回のエピソードは、切なくてたまりませんでした。
グーグーは加齢のため体が弱り、避けようのない別れの時が訪れます。
大島さんは、出会った頃のようにグーグーと一緒にベッドで眠る。その深夜、グーグーが自分を見ていることに気づき、その表情に「ああ、ご臨終だ」と悟る。大島さんが指をグーグーの手に乗せると、キュッとその指を握ってきた…。
私は静かで、一人で集中することができる真夜中に、マンガを読むことを至福としています。
このシーンは何度読んでも涙が流れてしまいました。
深夜にオッサンがマンガを読みながら泣いている姿は、異常に見えるでしょうが…。
まとめ・きっと動揺するけど、この作品を参考に克服したい
実はわが家にも犬がいました。私のプロフィールの写真に出てくる子です。
2023年6月22日、16歳で虹の橋を渡りました。
私は仕事中で最後に会えませんでした。最後を看取った妻によると、苦しそうな息遣いの末、最後は大きく息を吐いて、逝ったそうです。
写真は子犬のころですが、年をとるに連れてひざは悪くなり、目も白内障のため見えなくなって、そして寝たきりに。
食も細くなって、ある日突然けいれんが起きました。体を支える栄養が足りなくなって起こる。最後の症状だそうです。
そんなことを検索して調べて、私は激しく動揺しました、「別れが近いのか…」と。
そして最後の連絡、お葬式。火葬場に入る直前に体をなでてお別れしました。
慌ただしさが落ち着き日常に戻ると、突然くるんですね。「もういないんだなあ」という実感が。これって、ホント切ないです。
愛犬とお別れして、私はこの作品を読み返しました。
大島さんはグーグーとの最後の別れを、絵ではなく文字で淡々と説明しています。
そこには、つらく悲しい別れをしっかりと受け入れ、克服。さらに新しい子を受け入れて昇華させた大島さんの心情が、心に刺さるんです。
そして新しく出会う子に、別れた愛犬と同じくらい、それ以上の愛情を注ぎたい。
そうすることで、必ず喪失感を克服できる。
そう確信しているんです。
ペットロスに苦しんでいる方は、大島さんの作品をお読みになり、ぜひ参考にしてください。
絶対に克服をアシストしてくれます。
当ブログでは、ほかの「ネコマンガ」について紹介、解説しています。
ほかにも動物をテーマにしたマンガを紹介しています。ぜひお読みください。
「グーグーだって猫であるをすぐに読みたい!」という方は、スマホなどにダウンロードしてすぐに読める電子書籍版がオススメ。
「ebookjapan」「BOOK☆WALKER」などのマンガストアなら無料で試し読みができますよ。
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