「バイクっていいなあ」「乗ってみたい」という人にお勧め!ツーリングにも出たくなる「バイク漫画」4選

2023年4月4日火曜日

マンガを楽しむ

t f B! P L

バイクで海辺にツーリング、最高です!

風を感じながら開放感を楽しんで、ゆっくりトコトコ走ってみたくなる


風の爽やかさと疾走感を味わい、目の前に広がる景色を楽しめるオートバイバイク。最高です。


最近では新型コロナ禍の影響で人混みを避けるため、バイクで通勤&通学している方が増加。


今も「バイクに乗ってみようかな」「スピードを出さずにゆっくり走ってみたい」と検討している人が増えています。


さらに仕事や子育てがひと段落して「昔乗ってたバイクを楽しみたい」という「リターンライダー」の希望者もたくさん。


だから疾走シーンやツーリング風景が楽しめる「バイク漫画」の注目も上昇中。


漫画を読んで、バイクに乗っているイメージを作ろうというワケ。それだけに、


バイクっていいなあ、乗りたいなあ〜と思っちゃう漫画を教えて


バイクの楽しさや情報とか知識を教えてくれる作品が読みたい!


バイクでゆったり走るツーリング風景を描いた作品を探しています


そんな声がたくさんあるんです。


この記事では、バイクの魅力やツーリングシーンが楽しめる「バイク漫画」をチョイス。


  1. 「日本をゆっくり走ってみたよ〜あの娘のために日本一周〜」(著者・吉本浩二さん)
  2. 「佐多岬(CAPE SATA)」(著者・大一さん)
  3. 「スーパーカブ」(作画・蟹丹さん、原作・トネ・コーケンさん、キャラクター原案・博さん)
  4. 「ホッカイダー 1998はじめての北海道編」(著者・神威バズさん)

上記の4作品について紹介&解説します。


いずれも名作ばかり。バイクの楽しさや魅力がたっぷり詰まっている。作品を読めば「バイクっていいなあ。乗りたいなあ」と思っちゃう。


この記事を読めば作品が読みたくなる。そしてバイクに乗りたくなってツーリングに出たくなりますよ

4作品をチョイスした理由


ホンダ・エイプ50。原付だけど楽しいよ

★ゆっくり走りながらバイクを楽しみたい

「バイク漫画」は人気のジャンル。力作や名作がたくさんあります。


バイクの激走感やレース感がたまらない「バリバリ伝説」(著者・しげの秀一さん)。


公道バトルに挑むライダーを描く「キリン」(著者・東本昌平さん)etc 。


バイクの速さと爆走感に憧れ、バトルやレースを楽しみたい若い人たちの支持を集めています。


一方、この記事ではバイク経験はないけど「乗ってみたい」「ゆっくり走りながらツーリングしてみたい」という方。


多忙な生活でバイクは〝一時停止中〟。「落ち着いたら、また乗ってみたいなあ」という「リターンライダー」を考えている人。


そんな人たちにピッタリな4作品をチョイスしています。


★「リターンライダー」を考えている人にもお勧め


ワタシは学生時代に原付MT(ミッション)を楽しんでいた1人。でも仕事&子育てで〝一時停止〟。


年齢が〝オーバー50〟になって「またバイクに乗りたいな」と思っていました。


この歳で今さらかな」とためらう気持ちもありました。でも「後悔したくない」「やりたいことをやろう」。


そんな気持ちを高めるために上記の4作品を読んだら「またバイクに乗ろう!」というハートがメラメラ(笑)。


まずは原付MTから始めよう」と中古の「ホンダ・APE(エイプ)50」(原付一種)を購入(上の写真)。


50 cc なので、制限速度は30キロで二段階右折をしなくちゃいけない


ちょっと面倒くさいけど、疾走感と風が気持ちよくてメチャ楽しい!「また乗ってよかった」と大満足しています。


バイクに乗ってみたい人。また乗ろうか迷っている人。


そんな方たちの背中を押してくれる4作品。ここからは1作品ずつ紹介&解説していきます。


1.「日本をゆっくり走ってみたよ〜あの娘のために日本一周〜」

★ドキュメンタリー漫画の名手


著者は吉本浩二さん。「漫画アクション」2010年24号から2011年18号まで連載。コミックスは全2巻が発売中です。


吉本さんはルポ&ドキュメンタリータッチの作品を数多く発表されています。


2011年の東日本大震災で被災した岩手・三陸鉄道の復興劇を描く「さんてつ」は感動的な作品です。


そして、この項で紹介するバイク作品。これも吉本さんの実体験がベース。


日本一周のツーリングの楽しさはもちろん、きれいごとじゃない旅のハードさなど実体験も描写。


吉本さんのヒューマンストーリーも楽しめる作品です。


★主な登場人物とあらすじ


主人公は漫画家の吉本浩二。ご本人です。そしてヒロインのEさん


当時36歳の主人公が、漫画の連載が終了し「これから、どうしようかな」と悩んでいるところから物語がスタートします。

吉本は新作漫画を書こうと奮闘していたが「新作(のアイデア)が出ない」と苦戦していた。

一方で7歳年下の女性書店員・Eさんに恋していた。でもEさんは突然、故郷の栃木に戻ってしまった。

「Eさんに会いたい」。趣味のバイクで「ツーリングの途中で寄った」と理由をつけて会いに行こうと日本一周を決意。

吉本さんの愛車は「スズキ・ジェベル250XC」。250cc のオフロードバイク。

テントやガスコンロなどのキャンプ用品などを揃え、Eさんにアポを取って東京から栃木に向かいます。

久しぶりのバイク。リアにくくりつけた大荷物でバランスに苦しみ、雨にも襲われながら栃木に到着。

宇都宮駅でEさんと再会。デートで寄ったアクセサリー店でピアスをプレゼント。

日本一周することを告げ、Eさんの誕生日までに戻ると約束。その時にはピアスをしてきてほしいと頼む。

日本一周をやりとげれば、Eさんにふさわしい男になれるんじゃないか。強い男になってEさんに告白するんだ。

そんな思いを胸に栃木から西の方面へ出発。1万6000キロを約4カ月で走破する日本一周の旅がスタートしました。

ジェベルはツーリングに最適

★あたふた旅にリアリティーを感じる

吉本さんの愛車ジェベルは自然の中で走れる「トレイルバイク」。フレームが頑丈でパワーもある。ツーリングに適したバイク。


でも漫画家生活が長く久びさの公道ライド。大きな荷物を後ろに積んでいるからバランスを取るのが難しい。


車が横をビュンビュン飛ばしてきてメチャ怖い。あたふたして、立ちゴケ…。


でもカッコつけてない吉本さんのライド姿がリアルで面白いんです。


愛車ジェベルは250cc で高速に乗ることができる。でも「俺、急ぐ必要がないんだよな」。


日本の各地に住んでいる旧友たちを訪ねて下道(一般国道)をゆっくり走る。このスタイルが最高なんです。


★ゆっくり走る旅にシンパシー


栃木から西へ向かい、九州からフェリーで沖縄へ。米軍関係者がムチャ走りする沖縄の道路事情など現地ならではの情報も紹介しています。

九州に戻り日本海側の本州をゆったり疾走。故郷・富山を越えて新潟からフェリーで北海道へ。


各地の風景が描かれていて、読みながら旅する気分が味わえるんです。


でも旅には苦労がつきもの。出発時点で雨に降られて寒いし道路はスベる。雨の日のバイクのキツさをリアルに表現しています。


宿泊は主にキャンプ場。テントの中で1人過ごす夜は心細い。出版社から依頼されたイラストをテントの中で描いたり。


バイク旅の大変さ、生活感もあふれるリアルな描写にシンパシーを感じるんです。


★ヒューマンストーリーも秀逸


故郷・富山では久しぶりに実家に連泊。でもご両親が夫婦ゲンカの真っ最中で吉本さんは大困惑したり。


高校時代の親友と合コンしたのはいいけど、相手の女性に対する親友の態度に激怒したり。それでも仲直りしたり。


吉本さんの人柄が出ていて、旅のほほえましい一コマが楽しめます。


そして北海道から本州に戻り、ゴールの栃木へ。再会を約束したEさんへ、吉本さんは告白できるのか?


2巻の巻末には、Eさんのモデルになった女性との対談が掲載。〝その後〟の生活も描かれていて、最後まで楽しめる作品です。


2.「佐多岬(CAPE SATA)」


★超人気の4miniバイク「ホンダ・モンキー」での旅


著者は大一さん。ウェブ漫画雑誌「マンガonウェブ」第8号side-Aから連載された作品。


掲載された計7話がまとめられ、2016年8月に単行本が発売されました。


主人公の少年が原付MTの大人気車「ホンダ・モンキー」で旅する物語です。


大一さんのタッチはポップ。江口寿史さんのイラストをほうふつさせる感じ。


コミックスに掲載されている7エピソードはカラーで、めっちゃオシャレ。


1エピソードごとに展開されるストーリーは、立ち寄る先での人とのふれあいがホンワカさせてくれます。


モンキーが7つのエピソードをつないでいくオムニバス映画のよう。


モンキーに乗って旅したいなあ。すなおにそう思わせる魅力が詰まっています。


★登場人物とあらすじ


主人公は東京に住む高校2年生の翔太。気が弱くて同級生にパシリをやらされているけど、芯が強くて優しい少年。


高校からの帰り道、翔太は廃業間際のバイク屋さんの敷地で、サビついてボロボロのモンキーと出会うんです。

バイク屋のオヤジさんから「自分で整備できるなら登録書類付きで3000円でいいぞ」と声をかけられる。

道具やパーツは敷地内にあるやつを自由に使える。翔太はモンキーのメンテナンス本を買ってオーバーホールに着手。

パーツをバラしつつメンテ。フェンダーには流星マーク。シート内にはそのマークが2つに割れたペンダントがあった。

オヤジさんのアドバイスを受けながら、翔太はオーバーホールに成功。いまや貴重な人気バイクを格安でゲットした。

夏休みに入った翔太は、自宅のテレビで流れていた「美人すぎる看板娘に会いに行こう」という番組に興味を引かれました。

番組には九州最南端の鹿児島・佐多岬にある駐車場売店の娘・星が登場。

「ライダーは岬を目指せ。あなたが来るのを待ってまーす」。星の呼びかけに翔太はモンキーで佐多岬へ向かおうと決意。

お父さんからもらったヘソクリの資金と借りたキャンプ道具をモンキーのおしりにくくりつけて、準備OK。

翔太は東京〜佐多岬間の往復3000キロ約2週間のツーリングに出るんです。


★4miniファン憧れのモンキーでロングツーリング


この作品の最大の魅力は、モンキーでロングツーリングに出るという夢のようなストーリーです。


モンキーは1967年に登場した原付一種のミニバイク。全長は約1.37メートル、全高85センチ。


小柄な女性でも両足が地面にベッタリつくほどメチャ小さい!まさにモンキー。 


エンジンは世界的ビジネスバイク「スーパーカブ(後述)」と同型で頑丈。燃費はカタログ値で驚異のリッター100キロ


構造がシンプルでいろんなカスタムが可能。だからカスタムパーツもたくさん。


2017年に生産が終了したけど、2018年に原付二種の125cc で復活。


一方50cc モンキーは中古車市場の人気者で、相場価格は30〜80万円!


4mini(4ストローク・ミニバイク)の代表的なバイクです。


そんな超人気バイクで東京〜佐多岬間をツーリング。ゼイタクすぎ! うらやましすぎる!


4mini ファン憧れのモンキー


★佐多岬にいたる道の風景にモンキーが映える


ジェットヘル&ゴーグル姿の翔太は高校男子だけに、小柄なモンキーにまたがる姿はキュウクツそう。だけどカワイイ。


キャンプ道具を積んだモンキーが進んでいく風景。まずは横浜・山下公園〜江ノ島・烏帽子岩〜小田原を疾走。


愛知・豊橋〜滋賀・甲賀〜大阪〜兵庫・神戸と姫路。さらに広島〜山口・下関〜福岡・博多〜熊本。そしてゴールの鹿児島・佐多岬。


ビビビーッ」と排気音を響かせてモンキーが通り過ぎていく風景は、めっちゃ美しくて映えるんです。


ページが進むにつれて、ホントに翔太とツーリングしている気分。「旅したいなあ」とウズウズしてきます。


★ヒューマンストーリーも秀逸


旅先で出会う人とのふれあいも、伏線が張ってあって面白いんです。


第5話小人のバイク屋」。広島でのエピソード。安芸の宮島を通過した直後、モンキーのエンジンから異音が発生します。

翔太は近くにあったバイク店に駆け込み、エンジンの点検をお願いする。

店主はモンキーのフェンダーにある流星マークを見て「このモンキー、どこで買ったんじゃろか」。

修理には6〜7万円以上かかる。翔太は自力で修理し自分ができない所の工賃やパーツ代を支払うことにした。

夜を徹して修理したが寝落ち。朝起きたら修理は終わりバイクはキレイになっている。「小人がやってくれたのか?」

バイクは店主が店内にあったモンキーのパーツで、無償で組み替えてくれた。

店主は佐多岬で土産でも買えとお金をカンパしてくれます。でも店主が無料で修理もしてくれた理由は何なのか?

その秘密はフェンダーの流星マークにあり。そして〝答え〟は最終話流星号」で明かされます。


〝答え〟に関しては作品をご覧ください。少々ベタな展開ですが、人のつながりや想いの大切さに感動します。


翔太も佐多岬への旅で成長。出発前の弱気な少年が勇気ある青年に成長した姿が清々しい。読後感は最高です。


3.「スーパーカブ」

★〝原付の旅〟の名手「ホンダ・スーパーカブ」が登場

作画・蟹丹さん、原作はトネ・コーケンさん。そしてキャラクター原案・さん。


原作のトネさんが2016年〜2021年まで小説投稿サイト「カクヨム」で掲載していた作品をコミカライズ。


ウェブ雑誌「コミックNewtype」で2017年12月29日から連載中。


コミックスは計9巻(2024年2月8日時点)が発売中。アニメも2021年に全12話が「AT- X」などで放送されました。


世界中で活躍している50cc のビジネスバイク「ホンダ・スーパーカブ」がメインバイクで登場。


2017年時点で世界の生産台数が、なんと1億台を突破(スゴっ)!


北海道発のバラエティ番組「水曜どうでしょう」の人気企画「原付の旅シリーズ」で日本やベトナムを激走したバイクです。


燃費は驚異のリッター105キロ!(カタログ値)


ビジネスユースはもちろん、ロングツーリングでも楽しめる名車に魅了されたカブ乗り女子高生たちの物語です。


★主な登場人物とあらすじ


主人公は小熊。姓名は不明。高校2年生(連載開始時)でおかっぱヘアがカワイイ、内気な女の子。山梨県北杜市で一人暮らし。


小熊が赤ちゃんのころにお父さんが亡くなり、高校入学後にお母さんが疾走。奨学金をもらいながら高校に通っています。


同級生の礼子。姓は不明。長い黒髪の勝気な美少女。東京・八王子の自宅から離れ、旧武川村内にある別荘から高校に通学。


同級生の恵庭椎。小柄なカワイイ女の子。自転車で転落したところを小熊に助けられて仲良くなりました。

友だち、両親、趣味もない小熊は「私には何もない」。孤独な女の子だった。

高校までの長い坂道を苦戦しつつ自転車を漕いでいると、同じ高校の生徒が運転するスクーターが横を抜いていった。

原付に興味を持った小熊は帰宅途中の道にあるバイク店へ。原付の値段をみて「お金が足りない」と驚いた。

店主のシノさんは「中古でよければ1万円」と一台のカブを紹介。シートに座った小熊は目前に広がる風景に魅了される。

シノさんによると、激安の理由は「人を殺している。3人」。いわくつき事故車。普通ならドン引きしちゃうところ。

小熊は「構いません。買います」。原付一種免許を取り、カブのオーナーに。

シノさんからヘルメットとグローブをキャンペーンでもらい、カブのアクセルをオン。

そろ〜りとスタートしたカブの目前に広がる風景に向かって、小熊のバイク生活が始まる。

第1話ないないの女の子」のラストシーン。自分が初めてバイクに乗った時の記憶と風景を思い出してゾクゾクしてきますよ。

スーパーカブは世界中で疾走しています

★バイクを知っていくことの楽しさ

小熊はカブが初めてのバイク。知識はなし。でもカブに乗ることで、たくさんの〝気づき〟に遭遇していきます。


まずは荷物。最初の目的はカブでの通学。自転車では学生カバンは前カゴに入れてたけど、購入したカブは未装着。


そこで「一澤帆布」さんのリュックにスイッチ。通勤通学ライダーの基本正装をマスター(笑)。


そして公道での練習。キープレフトで走ること。トラックなど大型車が横を通る時は風圧に襲われること。


いろんなことに気づきます。そして重要なガソリン残量のチェック第2話ガス欠」では緊急事態に遭遇…。

真夜中の公道へ練習に出た小熊。コンビニに立ち寄った後、キックスターターを踏んでもエンジンがかからない。

あわてつつもバイクに装備されている説明書を開き「ガソリン残量をチェック」を実行。残量ゼロを確認。

説明書にある通り燃料コックを「ON」から「RES(リザーブ)」に切り替え。無事にエンジンがかかり、ガソリンスタンドへ。

バイクに乗り初めのころって、残量がギリギリの状況でどれくらい走れるのか? それが分からない。めっちゃビビります。

まだ大丈夫かなと思って走ってたら、突然エンジンストップ。大あわてした経験があります(苦笑)。


小型バイクには燃料メーターがない車種があって、タンクにはガス欠した場合に走行するためのリザーブ機能があるんです。


カブには燃料メーターがある上にリザーブ機能付き。小熊がやったようにコックでスイッチできる。


リザーブの容量は車種によって違うけど、30キロ〜50キロくらい走れてガソリンスタンドに到達できるんです。


バイクに乗りたい人、初めての人には知っていてほしい知識と情報。カブと小熊が教えてくれるんです。

★カブでつながっていく友だち


バイクに乗ればもっと走りたくなる。インドアな人も外向きになる。小熊もカブがもたらす効果で変わっていきます。


そして、もう1つのカブ効果が友だち。カブ乗りの仲間たちとのつながりです。


1番手が同級生の礼子。小さなころからカブが好き。自宅の広い敷地内でカブに乗りながら育った女の子です。

八王子の実家から離れて別荘暮らし。原付免許を取る前後から愛車探し。チョイスしたのが郵政カブ

郵便配達員さん専用カブ。手紙など重い荷物を載せても小回りがきく設計の特別仕様車。しかも郵便物ボックス付き。

礼子はカブで小熊が通学していることを知り「バイクを見せて」と頼む。

小熊のカブを見て礼子は「いい状態のバイクね」と大興奮。自分の郵政カブを小熊に見せる。

郵政カブはマフラーなどがカスタムされている。小熊は、礼子が「カブ好き」だと知り、親近感を覚える。

2人はカブを停めている駐輪場でお昼を食べるほどの仲に。「カブなら遠いところ、どこにでも行ける」と語り合うんです。

★影響しあうカブ乗り仲間たち


礼子の郵政カブについている郵便物ボックスを見て、小熊も愛車にボックスをつけたくなりました。荷物はかさばりますからね。

礼子は信用金庫の知り合いに許可をもらい、廃車になった行員用カブから外したボックスをゲット。小熊のカブに設置。


仲が深まるにつれて2人はカブのカスタマイズ修理を実行。バイク店のシノさんに相談しパーツ屋さんを紹介してもらったり。


さらにカブで富士山登頂を目指す礼子に刺激されて、小熊もチャレンジしたり。


同級生のは自転車で川に転落したところを小熊に救われたことでカブに興味を持ち、従来モデルを小ぶりにしたリトルカブを愛用したり。


仲間たちが影響しあって〝カブ沼〟にハマっていく(笑)。読んでいるこちらもバイクに夢中になっていく姿を見て楽しくなってくる。


また、礼子はなぜ郵政カブを選んだのか? これについてはスピンオフ漫画「スーパーカブ Rei」で明かされています。


「コミックNewtype」で連載中。コミックスも第1巻が発売中です。こちらも合わせてご覧ください。

4.「ホッカイダー 1998はじめての北海道編」

★北海道ツーリングをつづったエッセイ漫画


著者は神威バズさん。漫画のほかイラストやTシャツのデザインも手がけている作家さん。


作品は2018年8月1日から「電書バト」がコミックス全1巻を電子書籍で配信中。


神威さんが1998年、初めて北海道をバイクで旅した10日間の体験を描いたエッセイ漫画です。


その後も20年、神威さんは北海道にバイクで上陸。その体験を元にした作品をウェブ雑誌「マンガ on ウェブ」で連載。


この連載をまとめた続編「ホッカイダー 北海道旅エッセイ漫画」(全1巻)が電子書籍で発売されています。


★登場人物とあらすじ


主人公は神威バズさん、ご本人。1998年当時、23歳だった神威さんは初めて北海道に上陸。


相棒は「ホンダ・ホーネット250」。250cc で扱いやすい上にパワフルなエンジンを積んだスポーツバイク。


ホーネットはスズメバチの意味。2007年に生産が終了していますが、今でも人気の名車です。

1998年当時、神威は映像制作会社に勤めていたが休みなく働く日々に疲れ切っていた。

ある日トイレの中で、ツーリング雑誌の北海道特集を読んで「会社を辞めよう」。

1カ月後、愛車にキャンプ用具を積んで初めてのバイク旅に出た。

都内を出発し東北道を北上。本州最北端の青森・大間崎からフェリーに乗り、函館に上陸。北海道の道を走り出した。

バイク乗りなら誰もが憧れる北海道。どこまでも続く道をホーネットで駆けめぐるんです。

★旅の苦労話が面白くて参考になる


神威さんのツーリングの面白さは移動中の苦労話。「バイク旅あるある」に「こんなことあるの?」を付け加えたいほど。

東北道では岩手付近でトンボの大群に襲われ、ヘルメットや服にトンボの死体がグッチャリ。

へばりついた死体で視界が狭まったメット内には虫の匂いが充満。

青森では道の駅で野宿。銀マットとシュラフを敷いて寝たが、電灯に集まった虫が落ちてきたり寄ってきたり。

深夜には車が集まってきてドリフト大会がスタート。爆音で眠れない…。

道内に入っても珍道中。南北海道では羊蹄山へ向かったが、道を間違える。

「ちょっとぐらい遠回りしても」と突き進んだが、広い道内の遠回りはとんでもない距離になり、ガス欠。

重量約170キロのバイクをガソリンスタンドまで1時間押していった…。

ホント、スサまじすぎる北の大地の洗礼。でも1時間の間に12人のライダーが声をかけてくれたそうです。

ホンダ・ホーネット。こちらは900cc

★旅の楽しさが詰まりまくり

ツーリング中の泊まりは主にライダーハウス(簡易宿泊所)。当時の相場は1泊500円。町営で無料のところもあったそうです。

ライダーはもちろん、自転車旅のチャリダーも集まってくる。親しくなって夜は宴会がてら道内の情報交換。

「あそこのアイスが美味かった」「あの町のホタテ丼が最高」とか。情報を聞いて「明日行ってみよう!」。

みんなで情報を教え合って次の目的地の参考にする。ホント楽しそう。いい感じ。

ホーネットが失踪する北海道の風景の描写も素敵です。

道東の納沙布岬ではライダーハウスの宿泊者が「空がヤバイぞ」。

みんなで外に出て夜空を見上げたら満天の星。街灯のないところまでバイクで移動し道路に寝そべって最高の星空を楽しむ。

中標津では展望台の開陽台へ。見渡す限り広がる地平線に大感動。

羅臼から向かった知床峠は高速カーブの連続。景色そっちのけでバイクをバンク(傾ける)して駆け抜ける。

北海道ならではの風景が最高。そんな景色をバイクで駆け抜ける。「バイクっていいなあ」と思っちゃうシーンです。

★テント泊の夜は会話がはずむ


開陽台には無料のキャンプ場もあり、ここで宿泊決定。神威さんは初めてのテント泊に挑みました。でも、

風雨が強まり初めてのテント設営に大苦戦。設営終了後には嵐になってテントが転がりそうな事態に…。

2時間ほどで嵐がおさまり、夕食。お米が食べたくて途中でキャンプ用コンロを買ったが水&火加減が分からず失敗。

ポップコーンみたいに吹き出したお米を噛んだらガリガリ。ふりかけをかけまくって完食したが、徒労感に襲われる。

落ち込んだ気分を救ってくれたのがツーリストたち。コーヒーを飲もうと声をかけてくれたんです。

ツーリストたちは開陽台で連泊中。中には20泊という猛者もいる。

「北海道で一番怖い生き物は?」という話になり、キタキツネから感染するエキノコックスがヤバいという声が上がる。

キャン飯の残りものを食べたキツネの唾液がついた食器を洗わずに使ったら感染。10年後に腹を食い破って出てきた…。

感染するケースはキツネのフンを触ったりすること。でも感染例は少ないそうです。ベテランライダーがビビらせようとしたようで(笑)。

洞爺湖のライダーハウスのご主人によると、北海道には人を襲うヒグマがいますが、実際に遭遇したらヤバいのはエゾジカ


体重が100キロ以上あって、走ってくるバイクを跳ね返す。道路へ飛び出してきて衝突事故が多いそうです。


北海道旅ならではの情報が満載した「ホッカイダー」。北の大地でツーリングを考えている人はホント、参考になりますよ。


まとめ・バイクキャンプをしたい人へ〝プラス1〟


名車トライアンフ。渋すぎる

ここまでバイクの魅力やツーリングシーンが楽しめる「バイク漫画」を紹介&解説してきました。


  1. 「日本をゆっくり走ってみたよ〜あの娘のために日本一周〜」(著者・吉本浩二さん)
  2. 「佐多岬(CAPE SATA)」(著者・大一さん)
  3. 「スーパーカブ」(作画・蟹丹さん、原作・トネ・コーケンさん、キャラクター原案・博さん)
  4. 「ホッカイダー 1998はじめての北海道編」(著者・神威バズさん)

上記の4作品はいずれも名作ばかり。バイクの楽しさやツーリングの魅力があふれ「バイクっていいなあ。乗ってみたい」とウズウズします。


バイクっていいなあ〜、乗りたいなあと思っちゃう漫画を教えて


バイクの楽しさや知識を教えてくれる作品が読みたい!


バイクでゆったり走るツーリング風景を描いた作品を探しています


そんな風に考えたり迷っている方にはピッタリの作品です。

★バイクキャンプをしたい人にピッタリの〝プラス1〟


最後に「バイクでキャンプしたい」という人に向けて〝プラス1〟を紹介します。


今のキャンプ人気に火をつけた漫画「ゆるキャン△」(著者・あ f ろさん)。この作品にもバイクがたくさん登場します。


ヒロインの1人、志摩リンの愛車はヤマハの50ccスクーター「Vino(ビーノ)」。


リアに装備したキャリアにキャンプ道具を積んで、目的のキャンプ地へ快走します。


リンをバイク&キャンプ好きにした渋いおじいちゃんは、英トライアンフ社の名車「スラクストン1200R」が愛車。


1200cc のデカくてクラシカルでオシャレなバイク。10年後のキャンプシーンでリンも乗っています。


もう1人のヒロイン・各務原なでしこの浜松時代の親友で、リンとも仲良くなる土岐綾乃は「ホンダ・エイプ100」。


私の愛車「エイプ50」の兄貴分で100cc(原付二種)。リンとのツーリングキャンプで疾走します。


こちらもバイクとツーリングの楽しさ&魅力がたっぷり。紹介した4作品と合わせてご覧ください。


読めば「バイクに乗ってみよう」「ツーリングに行くぞ!」と背中を押してくれますよ


この記事では、ほかにも「面白い旅の漫画・小説」を紹介しています。


「旅の小説&紀行本」プロレス伝道、原付、乗合バス…ディープな旅気分が味わえる厳選3作品


谷風長道、コブラ、星野鉄郎…星の海をさすらう気分が楽しめる「宇宙の旅マンガ」名作3選


「キャンプって楽しいの?」という人がハマってテントを張りたくなるアウトドア小説お勧め3選


この記事で紹介した4作品と〝プラス1〟をすぐ読みたい方は、スマホなどにダウンロードすれば即読みできる電子書籍がお勧め。


「ebookjapan」「まんが王国」などのマンガストアなら無料で試し読みができますよ。





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