藤井フィーバーで「将棋をマンガで勉強したい」という人にオススメの「将棋マンガ」3選

2021年11月18日木曜日

マンガを楽しむ

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藤井7冠の大活躍で将棋人気が加速中

盤面図、棋譜、キャラクターが語る対局のキモがわかりやすくておもしろい

2023年10月11日、将棋の王座戦五番勝負の第4局で藤井聡太7冠永瀬拓矢王座を下し、王座タイトルを獲得。

史上初の8冠に輝きました! トンデモない大記録です。

藤井8冠は竜王・名人の2大タイトルを獲得するなど、偉業を達成し続けています。

そんな藤井8冠の強さで、将棋人気も上昇中。将棋を指したことのない人からも、

将棋をやってみたい!」「将棋を勉強してみたい!」という声がたくさん。


中には「将棋マンガで勉強になる作品はありますか」という声も多いんです。


マンガ」と聞けば、当ブログは黙ってられません!


◯◯名人の最強棋譜」とか、有名棋士の棋譜を解説した活字本。将棋の経験がある人には大変参考になります。


初心者向けでも、イラストと解説文がメインの「マンガ将棋入門」などたくさんあります。


でも、マンガ雑誌にのっている「将棋マンガ」は、ストーリーを楽しみつつ将棋の勉強になるのがメリット


当ブログは「将棋の勉強になるマンガ」3作品をチョイス。


  1. 「5五の龍」(原作・つのだじろうさん)
  2. 「聖(さとし)ー天才・羽生が恐れた男ー」(作画・山本おさむさん、監修・森信雄さん)
  3. 「月下の棋士」(原作・能條純一さん)

以上の3作品について、将棋の勉強になるポイント、魅力をくわしく解説します。


記事を読めば「おもしろそう!」「勉強になりそう」と絶対に納得。


よし! このマンガを読んで将棋を勉強するぞ!」と作品のページを開きたくなりますよ!


3作品を選んだ理由


将棋マンガは、個性的でおもしろい作品、素晴らしい名作があります。


多くの作品の中から、当ブログが上記の3作品をチョイスした理由があるんです。


  1. ストーリー上で進行している対局の盤面図がしっかりとのっている。
  2. キャラクターのセリフやナレーションに「5一飛」など棋譜も記している。
  3. 対局の進行のくわしい説明と棋士の表情が描かれ、対局の緊張感が伝わる。

マンガを読みながら、そばに将棋盤を置いてストーリーの盤面の通りコマを並べる。


キャラクターが指す一手の意味と心の揺らぎがスゴくわかるんですね。


上記の3作品に登場する棋士たちは、命をけずるような鬼気迫る表情で一手を指す。


中継で見る対局のように、緊張感が漂って迫力があるんですよ。


1.「5五の龍」

原作は、つのだじろうさん。1978年から1980年まで「週刊少年キング」で連載されました。


つのださんといえば、「恐怖新聞」「うしろの百太郎」などが有名なホラー作家。


一方で、つのださんは将棋がお好き。若いころに通ったトキワ荘でマンガ家仲間と対局。


将棋の勉強もされてます。「5五の龍」連載当時はアマ三段、のちにアマ四段に昇段。


ご自身のすごい棋力と知識をストーリーに展開されているんです。


★あらすじ


主人公は中学生の駒形竜。草野球の助っ人をやったり、友人の宿題を代わりにやったりしてお金を稼ぐ少年です。


竜は周りから「がめついやつ」といわれる。

父親が働かず内職で生計を立てる母親を助けるため、お金を稼いでいた。

父親は将棋の真剣師。ある日、100万円をかけて虎斑圭介と寺の境内で対局。雨中の死闘で父親は倒れ病院へ。

竜は父の代わりに対局を申し出る。意気に感じた虎斑から1年間の猶予を与えられた。

竜は強くなるため、将棋会館に通う。

将棋の真剣師とはお金をかけて闘う人たち。プロの棋士を目指していたが挫折。将棋を捨てられない人として描かれています。


竜は将棋会館で多くのライバルたちと出会い、対局を重ねる。

対局していくうちに、竜はプロの棋士を目指すことを決意。奨励会のテスト受ける。

言動やマナーが悪いことからテストは不合格。「おなさけ」で入会しプロ棋士を目指す。

昇級を目指し仲間たちと対局。多くの勝敗を重ね、挫折してやめていく仲間の姿など将棋の厳しさを知り、人間としても成長する。


★「5五の龍」の魅力


父親と虎斑の真剣師同士の対局や、竜の奨励会での対局シーンが圧巻です。


対局での戦況をわかりやすくするため、誌面上にみやすい盤面図を配置。


対局者の一手一手を、セリフの吹き出しやナレーションで「5一銀」「3二金」などと棋譜をていねいに説明。


コマの動きがものすごくわかりやすいんです。


対局のヤマ場は多くのページを使って描かれるため、初心者でも対局の流れがわかるほど。


将棋をよく指す人なら、吹き出しの棋譜を読めば対局の進行具合が理解できるんです。


スーパースター羽生善治九段は奨励会員のころ、実際に作品の棋譜を検討したことがあるそうです。


★ストーリーもおもしろい


ページの下部分には「玉に迫れ」など将棋の格言も紹介。


将棋の歴史や奨励会の組織的な説明、対局でのマナーなどもストーリーで語られます。


プロ棋士を目指す奨励会は、棋士のタマゴたちが命をけずって闘う舞台。


緊張感や迫力に満ちた対局シーンのほかにも、小ずるい仕掛けでライバルを出しぬく。


ヒリヒリした人間模様も描かれ、ストーリーもメチャおもしろいんです。


「5五の龍」の紙の単行本(ヒットコミックス)は全10巻。


愛蔵版(中央公論社)が全2巻、中公文庫コミックス版が全6巻が発売されましたが、現在は絶版


ただ、電子書籍版で復活。「amazon」や「BOOK☆WALKER」などのマンガストアで購入できます。


2.「聖(さとし)ー天才・羽生が恐れた男ー」


羽生世代」の一人、病気のため29歳で亡くなった村山聖(さとし)九段の生涯を描く作品。


作画は山本おさむさん。監修が森信雄さん、村山さんの師匠です。


1999年から2002年まで「ビッグコミック」で連載。コミックスは全9巻発売されました。


★あらすじ

村山さんは、羽生九段とともに将棋界の逸材として期待を受けました。

一方で、小さいころから腎臓の病気ネフローゼと闘っていました

故郷・広島の病院で闘病生活。院内学級で友人たちと将棋で遊ぶうちに棋力が向上。

小学4年で出場した「中国こども将棋名人戦」で入賞。

小学5年で出場した全国大会で、羽生らライバルになる棋士たちと巡り合う。家族の反対を押し切り奨励会試験を受け、合格。

関西の奨励会入り。大阪では師匠の森が同居。親身な世話を受ける。病気を抱えながら順調に昇級。

奨励会入りから2年11カ月、異例のスピードで四段デビュー。

プロデビューした村山さんは快進撃を続け「怪童丸」の異名を取ります。

順位戦などで羽生と死闘を演じ、「東の羽生」「西の村山」と並び称される。

順位戦では名人に挑戦できるA級まで昇格。だが、ぼうこうガンが見つかり、療養。

手術後、対局に復帰。再び羽生らライバルと死闘を演じるが、ガンが再発。29歳で死去。

★「聖(さとし)ー天才・羽生が恐れた男ー」の魅力

ストーリーでは誌面上に対局の盤面図、キャラクターの吹き出しやナレーションで棋譜が語られます。


「5五の龍」と同じく、対局の進行具合がすごくわかりやすいんです。


作品の最大の特徴は、登場する棋士のほとんどが実在の人物であること。


羽生さんや佐藤康光九段森内俊之九段ら「羽生世代」、谷川浩司九段との対局シーンが描かれます。


この強豪棋士たちとの対局シーンがスゴすぎる!


第1巻の冒頭では、羽生さんの回想と村山さんとの対局シーンからスタート。


誌面に盤面図が置かれ、羽生さんが棋譜と村山さんが指した一手一手をどんな心境で受けたのか、語ります。


羽生さん自身の言葉と山本さんの絵が絶妙マッチ!


対局の息詰まる緊張感、村山さんの一手の鬼気迫る迫力がビンビン伝わってくるんです。


★村山さんの生きざまが泣けてくる


理解しやすい対局シーンは将棋の勉強になります。棋士が指す一手の意味、すさまじさ、気迫も参考になります。


特に読んでほしい、学んでほしいのが、村山聖という将棋に命をかけた棋士の生きざま


村山さんは将棋の勉強をするため、プロデビュー後は将棋会館に歩いて通えるところに一人暮らし。


体調が悪くても将棋会館に通い、過去の棋譜や対局をみて研究していたそうです。


少女マンガが好きで、部屋はコミックスでいっぱい。休みの日は部屋で寝転がって読みふけっていました。


ときには「なぜ自分ばかりこんなに苦しむんだ」と苦悩します。それでも覚悟を抱いて、命を燃やして対局に臨んでいました。


強豪棋士同士の対局での一手の意味がわかり、棋士の生きざまが理解できる作品なんです。


3.「月下の棋士」

原作は能條純一さん。1993年から2001年まで「ビッグコミックスピリッツ」で連載されました。


コミックスは全32巻、文庫版が全20巻刊行されています。


主人公は氷室将介。伝説の棋士、「棋界の暴れん坊」御神三吉九段のまご。


子どものころから三吉と将棋を指し、トンデモない棋力の持ち主。


ツバつき帽子をかぶり、ラガーシャツにジーパン。


対局相手に「駒が泣いてるぜ」なんて挑発。型破りな言動で対局に臨むんです。


★あらすじ

三吉の死語、氷室は上京。「この少年は将来の名人なり」と記した三吉の書き置きを手に将棋会館に乗り込む。

奨励会入りを直談判し、有望な若手と対局。見事勝利し、特例での初段で奨励会入りする。

奨励会でも勝ち進み、プロデビュー。王竜戦トーナメントを勝ち進み、名人経験者の強豪を倒して初代王竜に輝く。

氷室はタイトルホルダーになったのに、型破りな性格と言動が災いします。

暴力騒ぎを起こして王竜ははく奪、除名寸前までになる。

棋界の大物らの取りなしで除名は回避。順位戦で勝ち進みA級に昇格。A級でも勝ち進み名人への挑戦権を獲得。

宿命のライバル、名人・滝川幸次との死闘を展開する。

★「月下の棋士」の魅力

ストーリーで描かれる対局シーンは、実際のプロ棋士による対局の棋譜を参考に描かれていています。


河口俊彦六段(連載当時)が監修。正確でちみつな将棋理論と知識がサポートしてるんです。


ストーリーを追えば、対局の進行が分かるようになっています。


盤面図も1ページ内に大きめに表現。しかも戦場になっている場所をクローズアップ。


勝負を左右する一手では、コマを光らせて強調。棋士が指す一手の表現が素晴らしいんです。


★棋士のキャラにはモデルがいる


ストーリーに登場する棋士たちは架空の人物です。でも、しっかりとモデルがいるんです。


御神三吉は、大阪の伝説的な棋士の坂田三吉さん。おおらかで豪快、型破りな人柄だとされ、名曲「王将」のモデル。


滝川幸次は、十七世名人の資格を持つ谷川浩司九段。強烈な強さとクールさが反映されています。


氷室将介。帽子にジーンズというラフなスタイルで挑発的なセリフが特徴ですが、羽生善治九段がモデルとされます。


連載当時の羽生さんの圧倒的な強さ。能條さんにはとても印象的で、主人公に反映されることになったそうです。


能條さんの描くキャラはシャープな線で表現され、実にクール。


キャラの表情は、しかめっツラや口をゆがませてののしるなど、独特で人間くさい。


一手ごとに、局面ごとに変わる棋士たちの表情がカッコいい!


「月下の棋士」はプロ棋士の棋譜を元にした対局を正確に、独特な手法でわかりやすく、おもしろく説明してくれます。


勝負のあやに生きる棋士たちの、対局での生きざま、美学も教えてくれる作品です。


まとめ・マンガでも将棋を学ぶことができる


マンガで将棋を学ぶメリットがある

ここまで、3作品について将棋の勉強になるポイント、魅力を説明してきました。


将棋の勉強になるマンガを教えて」という方にとっては、


  1. ストーリー上で進行している対局の盤面図がしっかりとのっている。
  2. キャラクターのセリフやナレーションに「5一飛」など棋譜も記している。
  3. 対局の進行のくわしい説明と棋士の表情が描かれ、対局の緊張感が伝わる。

という3つのメリットが得られるので、ぜひお読みください。その後、本格的な勉強に入るのが一番です。


当ブログではほかにも将棋マンガを紹介していますので、ぜひお読みください。


「将棋の渡辺くん」有名棋士のネタバレ爆笑エピソードがいっぱいの〝将棋名鑑〟活用術


また「3作品がすぐに読みたい!」という人は、スマホなどにダウンロードすれば即読みできる電子書籍版がオススメです。


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