おっさんにキュンキュンする人が増加中⁉︎ |
いい味出してるおっさんの姿がおかしくて感動して泣けてくる
令和では「おっさんブーム」が到来しています。
テレビドラマでは吉田剛太郎さん(63)主演の「おっさんずラブ」が大ヒット。
お笑いの「Mー1グランプリ2021」では、長谷川雅紀さん(50)&渡辺隆さん(43)のベテランコンビ「錦鯉」が優勝。
「がんばってる姿がカワイイ」「いい味出してる」なんて声があがってます。
この記事を書いてるワタシもおっさんなので、恥ずかしいやらうれしいやら(笑)。
だからマンガでも、おっさんが主人公で活躍する作品が大人気。でも、
「主人公がおっさんで、イタいけどいい味出してるマンガありますか?」
「おっさんががんばってる姿に感動しちゃう、笑える作品を教えてください」
「おじさんにトキめいて、キュンキュンするマンガを探してます」
そんな迷える声がたくさんあるんです。
確かに、おっさんが主人公のマンガはいっぱいあって選ぶのに困るほど。
この記事ではおっさんがいい味を出していてメチャ面白い「おっさんのマンガ」をチョイス。
- 「異世界おじさん」(著者・殆ど死んでいるさん)
- 「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(著者・秋本治さん)
- 「天才 柳沢教授の生活」(著者・山下和美さん)
上記の3作品を紹介&解説します。
いずれもおっさんが奮闘する姿がイタいけど笑えて、感動できて、キュンとトキめいちゃう名作・力作ばかり。
この記事を読めばナットク&マンゾク。作品のページを開きたくなりますよ。
3作品をチョイスした理由は?
おっさんは若い世代にとって未知のキャラ |
おっさんが主人公のマンガは、これまでもたくさんありました。でも現在は「シン・おっさんブーム」の感があります。
人気の理由は、若い人にとって「おっさん」が未知のキャラであること。
キモい。セコい。イタい。ダンディー。ちょっとカッコいい、かな⁉︎ いろんなイメージがあります。
だから「おっさんって、何を考えているの?」と知りたくなる。
若い世代にとっては、これまで描かれなかった「興味のある新キャラ」なんですね。
この記事で紹介する3作品は、数多い「おっさんのマンガ」の中でも特徴と魅力がメチャ際立ってるんです。
- 今の社会や流行とズレてるのに、微妙にかみ合うイタさが面白い。
- 子どものままオトナになったような、おっさんのハチャメチャぶりに憧れてしまう。
- いつでもドコでも自分の流儀や生活パターンを貫く個性的な面白さとカッコよさ。
上記の3つの特徴と魅力があふれていることが、3作品をチョイスした理由です。
ここからは1作品ずつ紹介&解説していきます。
1.「異世界おじさん」
著者は殆ど死んでいるさん。Webコミック配信サイト「Comic Walker」で2018年6月から連載スタート。
2021年6月からは「WebComicアパンダ」に移籍して連載中です。
コミックスは計11巻(2024年4月時点)が発売中。累計発行部数は150万部(2021年6月時点)を突破。
テレビアニメ化もされて、2022年7月から「AT-X」などで放送開始。
新型コロナウイルスの影響で放送の延期もありましたが、これまで全13話がオンエア。人気が急上昇しています。
ゲーマーでオタクな人が、異世界に転移したらどうなるのか?
異世界で17年生活し、おじさんになって元の世界に戻ったゲーマーが直面する現実とのギャップがメチャ面白いんです。
★登場人物とあらすじ
主人公は「おじさん」、名前は嶋㟢陽介(しばざき・ようすけ)。ストーリー初登場時は34歳のおっさんです。
子どものころからゲーマーでセガサターン派。ロン毛でメガネ。2000年当時のオタクそのもの。
コミックスの表紙ではメインを飾らず、女の子のキャラのカタスミに登場しているのが笑えます。
17歳のとき、ゲームソフトを買いに出た際にトラックに…。昏睡状態が続いた17年後の2017年、意識が戻り目覚めます。
たかふみは目覚めたおじさんの様子を見に病院へ。いきなり「異世界『グランバハマル』から帰ってきた」と告げられる。「頭がおかしくなっていた」。最初はそう思ったが、おじさんから証拠として見せられた魔法を見て「本物だ!」。おじさんに勧めようと持参した自立支援の申込用紙を破り捨てると、自分の部屋へ引き取りルームシェアを開始。生計を立てるため、おじさんは能力を使ってYouTuberに。そこそこの収益を上げる。おじさんは異世界での生活を明かす。それはファンタジー風の異世界とはかけ離れた悲惨で壮絶な日々だった…。
そして異世界に転移した現代人が勇者として活躍し尊敬される。そんなイメージとテンプレがあったりする。
でも、おじさんは転移した異世界で、活躍はするけど悲惨な日々を過ごしていたんです。
★異世界「グランバハマル」
おじさんは交通事故で異世界「グランバハマル」へ転移。17年間すごしました。
グランバハマルの住人は、みんな美男美女。おじさんの風貌はロン毛でメガネ、いわゆるイケていないオタク。住人から見ればブサイク、魔物オークの亜種に見える。だから転移直後に遭遇した勇者一行に狩られてしまう。さらに一行から見世物小屋に売られてしまう。値段は銅貨3枚。落ちていたタワシ(120枚)よりめちゃ安かった。おじさんは牢屋に放り込まれるが、初めて発動した魔法で牢を破り脱出に成功。
おじさんも神さまから申し出があったんですが、気づかなかった。理由は申し出が中国語だったから。中国人と間違えられたんです(笑)。
おじさんは言葉が通じない勇者一行にボコられて「言葉が分かって理解し合えればいいのに」とつぶやく。
神さまは願いを聞き届けた。おじさんは牢屋にいた精霊たちと無意識に会話しているうちに魔力を借りて脱出できた。
要するに神さまから「翻訳」スキルを頂き、精霊から力を借りる能力が発動。
「精霊魔法」は異世界では強力。おじさんは特異な力を発揮していくんです。
★ゲーマーの経験値が異世界を生き抜くスキルに
おじさんは、元の世界へ戻るためのカギを探す旅に出発。行く先々で魔物や魔族の討伐に成功します。
使えるようになった精霊魔法は異世界でも強力だけど、おじさんが対決する魔族は大軍。まさに多勢に無勢。
異世界モノのRPGをやりこんでいたおじさんは、ゲームでの経験値を生かして魔族の大軍を撃破。「どうすればそんなに強くなれるのか?」。そう聞かれると「コツコツ(ゲームを)やり込んでたから」。
古代魔道具を探す美少女エルフは、竜に襲われているところをおじさんに助けられる。おじさんがオーク顔なので罵詈雑言を浴びせるが、時折見せるナイスガイコメントで胸キュン。ホレてしまう旅費に困っていると漏らすと「足しにしろ」と指輪を薬指にハメられたり。プロポーズと思ってドギマギ。おじさんは質屋に売ればいい金になるとすすめてくる。それが本心と分かり、激怒。それでも気になって後をつける。
おじさんは恋愛感情にうとい上に、経験は恋ゲーの経験値しかない(涙)。
しかも「ツンデレ」概念が生まれた2004年以前に異世界へ転移したから、女の子の繊細な恋愛感情が分からない。
だから最強勇者なのにオークとして狩られて、ホレられた女の子から攻撃される。イタくて最凶の17年間を過ごしたんです(泣)。
★現世でも魔法が使える「異世界おじさん」
2017年におじさんは元の世界に帰還。現世にも精霊が存在するので、おじさん得意の精霊魔法が使えるんです。
「異世界ではどうだったの?」。たかふみの質問に答える形で自分の記憶を魔法で作ったスクリーンに再現するその映像は早送り&早戻しがOK。画面の拡大・縮小もピンチイン・アウトで対応。
ボタンが多い方がいいとガラケーをオークションで落札したり。送料がもったいないと出品者の元へ魔法で飛んでいったり。
創設した「異世界おじさん」チャンネルで「光の剣を作ってみた」など魔法を駆使した動画を投稿。再生回数は200万回と順調に伸びて、6万円ほどの収益をゲット。そのお金で「Xbox」などを買ってエンジョイ中。
でもチャンネル登録者数が伸びず800人あまり。YouTube規約で収益を得るには1000人以上の登録者が必要。
YouTuberとしての存続危機、無職のプータローになる危機に陥るんです。
原因は閲覧者の「スゴいCGですね」などのコメント。ムキになって「魔法です」などとコメごとに反論。「動画の加工素人臭すぎ」なんてコメにも大反論するため登録してもらえない。
異世界で身につけた魔法を生かしてYouTuberとして生きるおじさん。現実のネット社会でどう生き抜くのか?
この続きは、ぜひ作品をご覧ください。
2.「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
著者は秋本治さん。「週刊少年ジャンプ」で1976(昭和51)年から2016(平成28)年まで連載。期間はなんと40年!
全1960話をまとめたコミックスは全201巻! 2016年6月時点で累計発行部数は1億5650万部を記録。
2021年にさいとう・たかをさんの「ゴルゴ13」に抜かれるまでは、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」として世界一。
「ギネス世界記録」に認定されていました。
2001年に第30回日本漫画家協会賞の大賞、2004年に第50回小学館漫画賞審査員特別賞を受賞しています。
アニメも大ヒットしました。1996年6月から2004年12月までフジテレビ系でレギュラー放送。
また、2005年1月から2008年11月まで不定期ながら放送。テレビSP版も放送されています。
劇場版も1999年、2003年と2作品が公開されています。
昭和から平成にかけて40年間、ハチャメチャで型破りな警察官のおっさんが主役を張り続けた作品です。
★登場人物とあらすじ
主人公は両津勘吉(りょうつ・かんきち)。警視庁の葛飾暑管内にある亀有公園前派出所に勤務する巡査長です。
東京・浅草生まれの江戸っ子。角刈りヘアで太くてつながった眉毛。制服の袖をまくりあげ、サンダルばきで出勤。ダラシないおっさん。
酒好き、ギャンブル好き。宵越しの金は持たない浪費家。でもお金大好き。人呼んで「両さん」。
おもちゃもマンガも好き。限定グッズを買うために勤務をサボって売り場に並ぶ人。
派出所の仲間も個性的な人ばかり。まずは両さんを慕う後輩2人から。
後輩の巡査、中川圭一(なかがわ・けいいち)は大富豪。高級ブランドの制服にマグナム44を装備。銃が撃ちたくて警官に。
女性警官の秋本麗子巡査も大金持ち。スタイル抜群の超美人。優しいけど格闘術・射撃はバツグン。
両さんは亀有公園前派出所に勤務する警察官。ギャンブル好きで、立番もせずラジオの競馬中継に集中する不良警官。酒好きで夜勤のときは、ストーブで酒をお燗して飲んで暖を取ることも。それでも正義感と腕っぷしが強いケンカ十段。大原部長はこの点を買っている。とにかく浪費家。プラモやラジコン、テレビゲームなども大好きで、給料やボーナスをつぎ込むから貯金ゼロ。金欠から金儲けに走るなど、両さんの型破りな行動からストーリーが進んでいく。
★初期の不良警官ぶりにドギモを抜かれる
両さんは1970〜2010年代を駆け抜けたキャラ。年代ごとの世相や流行を反映した姿が描かれています。
要するに、各年代ごとに流行に乗ってイキイキと生きる両さんがいるわけです。
オススメは初期の不良警官ぶり。コミックス第1巻の第1話「始末書の両さんの巻」は「月例ヤングジャンプ賞」入選作。
ストーリーの構成力、筆力、ハチャメチャぶり、ギャグのリズムとテンポがマジでカンペキ。
これが新人作家のデビュー作か⁉︎ と驚くほどの完成度。
おじさんが道に迷い、公園前派出所で両さんに道をたずねた。でも両さんはラジオの競馬中継に夢中で待たされる。おじさんは目的地の名前を伝えるが、両さんは「そんな場所、ワシがないと言ったらない!」と脅して追い出す。空腹になり天丼を出前してもらったが、お茶を入れている間にネコに食われ激怒。愛銃の全弾5発をうち尽くす。
派出所に配属された中川がタクシーで出勤。長い金髪、ピエール・エロダン製の制服。銃はS&Wのマグナム44。映画「ダーティハリー」の主人公の愛銃にシビれ、お取り寄せ。映画での射撃シーンを再現した際にコーフンのあまり発砲。象を倒す豪弾がライトバンに命中したが、2人は知らんぷり。ガン無視。
★劇画タッチにギャグを織り交ぜたら
デビュー前の秋本さんは、戦場などのアクションモノなどをテーマとした劇画タッチの作品を描いていました。
でもブレークできない。デビューに至らない。そこでギャグを織り交ぜたら肩の力が抜けてストーリーが進み、キャラも動き出した。
劇画タッチ&細かい背景の中で、不良警官の両さんがハメを外しまくる。こうして「こち亀」が誕生したワケです。
両さんは、年代ごとに流行ったいろんなことにハマっていきます。アニメから「こち亀」の世界に入った人はおなじみの姿だと思います。
プラモデルやラジコン、ゲーセン&テレビゲーム、パソコン、ネット。
ガサツだけど手が器用。始末書の書きまくりで減俸されるけど、給料やボーナスをつぎ込んで流行するギアをオトナ買い。
徹底的にやりこんで流行モノをマスター。その道の達人になっていく。
だからプラモの製作テクはピカイチ。プラモマニアの間で尊敬を集める神的な存在。製作代行のバイトまでやっちゃうほど。
ゲームも喫茶店やゲーセンのインベーダーからプレステやオンラインモノまでやり込み、業界No. 1のゲーマーに。
「おじさん、スゲえ!」と子どもが憧れちゃうほど。それで自分の達人ぶりが「金になる」と気づいて金儲けに走り自滅する。
自滅してリスタートする姿がバカバカしくて面白い。ホント、いい味出してるんですよ。
★人情モノがジ〜ンとくる
不良警官の両さんのハチャメチャぶりがおもしろい「こち亀」。もう1つの魅力的な要素が「人情モノ」です。
亀有や両さんの地元・浅草周辺といった下町が舞台だけに、住民とのふれあいなどが描かれている。
両さんの子ども時代のエピソードもたくさん登場して、これがいい味を出していてホロリとするんです。
小学校のクラス会の幹事になった両さん。派出所の電話で出欠を確認。大原部長に怒られながら、任務を続行。会場のお店前で受付役をしていると高級車にひかれそうになり、チンピラ風の運転手とモメ始める。車から出てきた貫禄十分の男が「クラス会にきたのに迷惑をかけるな」と運転手を怒り、両さんに謝る。旧友の金太だった。金太はヤクザ風のカッコで「ふんい気こわれるんじゃないか」と気にするが、両さんは会場へ引っ張っていく。
金太は「みんな、しらけてたんじゃないか」と気にするが、一杯入ってゴキゲンの両さんは飲み直そうと飲み屋さんへ。2人が昔話に花を咲かせていると、外で運転手が地元のチンピラとケンカ。仲裁に入った両さんは警官だと告げる。金太は警官だったことに驚くが、2人で暴れているうちに「ガキのころのケンカを思い出させるな、勘吉」とうれしそう。
両さんは「どっちも因果な商売だ。おまえもそう思ってるだろ」。2人は再会を約束して別れる。
続きはぜひ作品でご覧ください。いい味が出てますよ。
3.「天才 柳沢教授の生活」
著者は女流作家の山下和美さん。「モーニング」で1988年から不定期ながら連載スタート。
2003年に第27回(平成15年度)講談社漫画賞の一般部門を受賞。
2006年から月1回の定期連載になりましたが、2013年から休載中。
コミックスは全34巻が刊行。現在は電子書籍版となって復活しています。
テレビドラマ化もされて、2002年にフジテレビ系で放送。松本幸四郎(現・松本白鸚)さんが主演した全9話が人気となりました。
★登場人物とあらすじ
主人公は柳沢良則(やなぎさわ・よしのり)。68歳。Y大学経済学部の教授。妻の正子(まさこ)との間に4人の娘をもつ経済学者です。
細い目、髪は天然パーマでフサフサ。体がスラリとしたダンディーなイケメンおじさん。
柳沢教授は「朝は5時半に起床、夜は9時に就寝」。どんな状況であっても生活リズムを守る規則正しい人。世の中のルールも遵守。横断歩道以外は絶対に渡らない。ルールを乱す人はヤクザでもキッチリと注意する。マジメ一徹な外見とは違い、柔軟な性格と探究心の持ち主。若者のカルチャーなどじっくりと考察して理解しようと努力する。この常人離れした生活態度に家族、教え子、ご近所さんらが巻き込まれていくユーモラスな日常が展開される。
なんと著者の山下さんのお父上、古瀬大六さん。東北大や横浜国大で教授を歴任した経済学者です。
さらに名前の「良則」は、山下さんのおじいさんで英語学者だった古瀬良則さんから〝命名〟。
柳沢教授が活躍するY大学は、山下さんの母校(中退)でお父さんが教べんをとった横浜国大がモデルとされています。
★常人離れした規則正しさ
規則正しい生活をモットーにしている柳沢教授。ルール遵守の学者さんの生きざまを、家族はどう思ってるんでしょうか?
教授は妻に頼まれ、世津子を大学まで連れていくことになった。娘は「本当は嫌だけど」と父と出発。大学までの通学路では、教授は近道や私道を通らず公道を歩くので時間がかかる。イラ立った世津子は近道して先行、父を待つ。教授は選挙前に貼られた違反ポスターをはがすなど、なかなか来ない。世津子は「父さんと学校行くの、いや。恥ずかしいもん」と先に行ってしまう。
違法ポスターをはがしたり、道に落ちているフンの周りをチョークで囲んで「犯犬(猫)を捕まえろ」と書いちゃう。
「恥ずかしい? 何故だろう。ここに来るまで私がしてきた事は全て正しい」「もしかして、世津子は18年間そういう目で、私を」教授は細い目から涙をこぼす。でも校門では世津子が笑顔で父を待っていた。
そんなお父さんが大好き。世津子自身が世の不条理を許せない性格。教授そっくりです。
世津子の彼氏は経済学部に在籍するパンクロッカーのヒロミツ。ツンツンヘアに鼻ピアスの男の子。
でも優しくて自炊もうまい。教授は教え子の本質を見抜き、見た目で判断しない。我が家の夕食に招待もする。
そんなお父さん、子どもは尊敬しますよね。世津子のモデルは著者の山下さんのようです。
★夜の六本木でも生活リズムを守る
一方、柳沢教授の教え子たちは、恩師をどう思っているのか?
教授はゼミの4年生たちに六本木でのお別れ会に誘われる。ゼミ生たちは提出した卒論に手心を加えてほしい下心がある。ゼミ生の車で六本木へ向かうが、教授は「40キロの制限速度に落としなさい」「横断歩道前では車を止めなさい」。ゼミ生たちはイラ立つが、公共ルールには厳しいが個人的事情には立ち入らない教授に好感を抱いている。
暗くてうるさくて、タバコくさくて換気も悪い。脳細胞が破壊されそう。店には芸能人の中森美香子もいて大騒ぎに。喧騒の中でも夜9時になると、教授はカクッと熟睡。戦後まもない東京のダンスホールにいる夢をみる。イケメンの教授はモテモテ。妻の正子似の女性からダンスに誘われタンゴを踊る。現実でも美香子に誘われ、教授は寝ぼけながらタンゴを披露。ゼミ生は店のDJにタンゴの曲をかけさせる。教授は自分の行動様式的にタンゴしか踊れなかったが、意外にカッコいい。ゼミ生も美香子も教授の姿にウットリ。
★孫の華子は柳沢教授が大好き
規則正しい生活を守り天下無敵の柳沢教授ですが、一人だけ勝てない相手がいます。孫の華子(はなこ、上の表紙)。
教授の長女・奈津子(なつこ)の娘。幼稚園のうさぎ組に通園中。教授の血を引いてクルッとした髪がキュートな美人さん。
夫が出張中の奈津子は実家でハネを伸ばし、華子のお守りを教授に頼む。家では華子がまとわりついて落ち着かない。教授は「興味を引くものを買おう」と華子をおんぶ紐で背負い外出する。キッズショップで洋服を買おうとするが、華子が気に入った服は6500円。「母さんの服より高いのは問題だ」。華子は「ちどい!」と大泣き。980円均一の服でお茶をにごされる。帰宅途中で華子が教授の背中でふんばって…。
第7話「教授、公園を散歩す」では、2人で遊ぶテクニックとスキルをマスター。
教授は世界経済について思索しつつ、華子と滑り台やブランコ、砂遊びをエンジョイします。
華子はおじいちゃんの家にくると、早朝から教授にベタベタ。おじいちゃんが大好きなんです。
目を細めて、眉間にシワを寄せて思索ポーズ。おじいちゃんの難しい経済学書を手に規則正しく道を歩く。
常人離れした規則正しさ。クールなたたずまいも崩さず孫と遊ぶ教授の姿はキュンキュンしますよ。
柳沢教授の活躍の続きは、ぜひ作品をご覧ください。
まとめ・イタいけど面白くてキュンキュンするおっさんを楽しもう
いい味出してるおっさんキャラを楽しもう |
ここまで、おっさんがいい味を出していてメチャ面白い「おっさんのマンガ」について紹介&解説してきました。
- 「異世界おじさん」(著者・殆ど死んでいるさん)
- 「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(著者・秋本治さん)
- 「天才 柳沢教授の生活」(著者・山下和美さん)
上記の3作品は、いずれも名作・力作ばかり。数多い作品の中でも、
- 今の社会や流行とズレてるのに、微妙にかみ合うイタさが面白い。
- 子どものままオトナになったような、おっさんのハチャメチャぶりに憧れてしまう。
- いつでもドコでも自分の流儀や生活パターンを貫く個性的な面白さとカッコよさ。
3つの特徴と魅力が際立っているんです。だから、
「主人公がおっさんで、イタいけどいい味出してるマンガありますか?」
「おっさんががんばってる姿に感動しちゃう、笑える作品を教えてください」
「おじさんにトキめいて、キュンキュンするマンガを探してます」
なんて方にはピッタリ。この記事を踏まえて作品を読めばおっさんが奮闘する姿がイタいけど笑えて、感動できて、キュンとトキめきますよ!
当ブログでは、ほかにも面白い「おっさんマンガ」を紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
「孤独のグルメ」ぼっち飯に悩む人に勇気を与えてくれる井の頭五郎の「一人飯の哲学」
「俺はまだ本気出してないだけ」ダメ男・大黒シズオに学ぶ40歳代男の「本気の出し方」
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