カツカレー、メチャ美味そう! |
ガイド本やレシピサイトにはないマンガの創造性とオリジナル性が美味しすぎる
コドモもオトナも、みんな大好きカレーライス。香りだけでヨダレがジュルッ。素晴らしい国民食です。
英国などの洋風、もっちり黄色いダシが嬉しい和風。インド、タイなどアジア風。
さらにおなじみの、わが家風(笑)。カレーの種類は作り手の数だけあるほど。
だから食べたい時や作る時、困っちゃうことがある。それだけに、
「有名店のカレーってどんな感じ? オススメ店を教えて!」
「マンネリ気味なので、世界の名物カレーや変わったカレーライスを作りたい」
「カレーの具で迷ってます。いつもの材料に飽き飽きしてるので、変わってて美味しい具材があったら教えて!」
そんな声がたくさんあるんです。
「どんなカレーにしようか?」と困った時、多くの方がレシピサイトやガイド本を参考にすると思います。
当ブログでは「カレーマンガ」をオススメします! そして数多い作品の中からチョイスした、
- 「今日もカレーですか?」(原作・藤川よつ葉さん、作画・あづま笙子さん)
- 「クッキングパパ カレー編」(著者・うえやまとちさん)
- 「華麗なる食卓」(著者・ふなつ一輝さん)
上記の3作品を紹介&解説します。
いずれもカレー愛が素晴らしくて、美味しそうなひと皿がたくさん登場する作品ばかり。
有名店&世界の名皿や変わった具材のカレーが登場して、しかも分かりやすいレシピ付き。
何よりもマンガだから表現できる創造的でメチャ美味しそうなカレーが、困った時の参考になるんです。
記事を読めばナットク&マンゾク。作品のページを開きたくなります。そして「今日はこのカレーにしよう!」と背中を押してくれますよ。
改めて、カレーについて&3作品をチョイスした理由
日本でのカレーの歴史は明治時代に始まりました |
カレーライスは老若男女を問わず、みんなが大好きな国民食。
ベースの具はタマネギ、ニンジン、ジャガイモ。ニンニクやショウガを加えたり。お肉は豚、牛、鶏 etc。
野菜類や肉類などがほどよく煮込まれていて、食材のバランスが取れた完全食でもあります。
何より、体に優しいのがカレールーに使われている多くのスパイス。漢方薬で使用されているモノばかり。
黄色の色付けに使うターメリックは肝機能を向上させる。カレー特有の香りの源であるクミンは消化器官に有効とか。
ガーリック(ニンニク)は滋養強壮。抗菌作用があって免疫向上の効果あり。
だから暑さで食欲が激減する夏カレー、さらに朝カレーは有効なんですね。
★カレーに歴史あり
カレーの発祥はイギリス。インドから入ったスパイスのソース「Kari」が「Curry」に転じたという説が有力。
日本には明治時代にイギリスから入ってきて、福沢諭吉が「コルリ」の名前で紹介したのが始まり。
各地の洋食屋さんで高級な「西洋料理」として提供(後述)。その後、国産のカレー粉が発売されました。
1926(大正15)年には稲田食品製造所(今のハウス食品)が日本で初めて固形のカレールウを発売しました。
★3作品をチョイスした理由は?
カレーが登場するマンガはたくさんあります。ただ創造的でオリジナルなひと皿や各国の名物カレーのレシピが登場する作品は少ないんです。
この記事で紹介する3作品は、まさに専門の「カレーマンガ」。メチャ美味しそうで参考にしたくなる3つの魅力と特徴が際立っている。
- 日本の名店や世界の名物カレーが登場。詳しく解説されていて食べてみたくなる。
- マンガならではの創造性&オリジナル性が素晴らしい。おもしろい具材や変わり種カレーも登場する。
- 原作者・著者が実際に作って試食済み。分かりやすいレシピが付いている。
レシピサイトやガイド本にはない、マンガだからこそ表現できる魅力と楽しさが困った時やカレーのチョイス時の参考になる。
これが3作品を選んだ理由です。
ここからは日本のカレーの歴史も分かる作品を1つずつ紹介&解説していきます。
1.「今日もカレーですか?」
原作は藤川よつ葉さん、作画があづま笙子さん。2020年4月からWEBサイト「ストーリアダッシュ」で連載中。
単行本は計7巻が発売中(2024年7月27日時点)です。
★作品のあらすじ
主人公は黒部ちな、18歳。進学のために上京した女子大生。
ちなは東京の加来井女子大に通うため上京。新宿駅に降り立ち西葛西の学生寮に向かおうとしたが、右も左も分からない。道を聞いた大阪出身の遠藤夏美に誘われて昼食に。夏美と入った有名洋食店のカレーライスの美味しさにビックリ。夏美も加来井女子大の新1年生で意気投合。カレーライス好きの夏美とともにカレーの名店をめぐる日々をエンジョイ。
ストーリーには、実際にあるカレーライスの名店と名物カレーが登場します。
第1皿(話)では、東京・新宿にある老舗洋食屋さんの「新宿中村屋 Manna(マンナ)」が舞台になります。
新宿中村屋さんは、お菓子を含めた日本でも有名な食品メーカー。一方で本格的なインドカレーが有名です。
1927(昭和2)年に喫茶部を開業した際、目玉料理として提供したのが「純印度式カリー」。
値段は80銭。「1銭=現在の200円」で換算すると1万6000円!(2022年現在の値段は1870円)
当時の大衆食堂のカレーライスの10倍の値段だったけど、1日300食の売り上げがあったそうです。
超高級だけど、食べたい。明治の人たちにとって、憧れのひと皿だったんですね。
★カレーとお味の描写が分かりやすくてヨダレが…
家のカレーよりサラッとしてる!お肉も大きい!(骨つきです)。辛くて、でも甘くて、すこしすっぱい…?複雑な味がする。風味がスッとするというか、すごくいい香り!
鶏肉はフォークを当てただけでほろっと骨から離れて、この繊維質の旨味と歯応え。歯が喜んどる!煮崩れしてないのにスプーンがスッと入るじゃがいも。ソースをかけると染み渡る、モチモチしつつも固めに炊いたご飯。
ちなと夏美がカレーを味わい楽しむ姿も美味しそうで、食べてみたくなるんです。
「新宿中村屋」以降のストーリーでも実在するカレーの名店が続々と登場。
第7皿は東京・下北沢の「般°若 PANNYA CAFE CURRY」の「カツカレー」。
こちらのカツカレーは読んでいてビックリしました。カツの衣がイカスミを使っているので、なんと真っ黒!
イカスミのパスタやリゾットは食べたことがあって、めちゃコクがあって美味しい記憶しかありません。
そのイカスミをカツの衣に使ったら、どんな風味がするんだろう? メチャお店に行って食べたくなりました。
第13皿では「丸亀製麺」の「カレーうどん」。
大手の讃岐うどんチェーン。ワタシも大好きでよく利用していますが、カレーうどんは未体験。
でも絶妙なダシがブレンドされた特製ルーで味わうコシのあるうどんは反則! まずかろうわけがない! 食いたくなる!
第24皿は神奈川の「横須賀海軍カレー本舗」の「よこすか海軍カレースペシャル」。
旧日本海軍では、洋上の生活で曜日感覚を保つために金曜日に「カレーライス」を提供。
艦船の乗組員は「金曜はカレーの日だ」と楽しみにしていたそうです。
海軍カレーのモデルはイギリス海軍の兵食で、食材のバランスが抜群。洋上生活で問題だったカッケ(脚気)を予防する食事でもありました。
現在の海上自衛隊にも引き継がれている、素晴らしいひと皿を食べられる場所の1つが横須賀。行ってみたい! 食べてみたい!
名店のカレーライスのイメージとお味が分かる「今日もカレーですか?」。
「有名店のカレーって美味しそうだけど、どんな感じ?」という方。ぜひ作品をお読みください。
2.「華麗なる食卓」
著者はふなつ一輝さん。「週刊ヤングジャンプ」で2001年7号から2013年2号まで連載。
全534話を収録したコミックスは、全49巻が発売されています。
アジアをはじめ世界中で腕をみがいたカレー職人が活躍する「世界初のカレーマンガ」。
作品では登場したカレー料理のレシピ付き。読者が料理を再現できることが特徴です。
そのレシピを集めた「華麗なる食卓〜美味なるレシピ編〜」も発売されています。
★作品のあらすじ
マキトはシンガポールで母親と2人暮らしだったが、愛する母が事故で他界。知人の料理人に鍛えられ料理の世界に進む。だが母親が作ってくれたカレーを再現できない。再現するための答えと父・佐久間鋭司を探すためアジアなど世界を放浪。父の手掛かりを知っているという、シンガポールで働いていた店の兄弟子・曽根崎総一郎を追って日本へ。曽根崎が経営するカレー店「ガネーシャ」にたどり着くが、曽根崎の娘・結維に店が経営不振で潰れる寸前と教えられる。結維と店を立て直すことを決意。店の買収工作や火事など危機に直面するが、凄腕を駆使した料理で乗り越えていく。
エディブルファイトの主催者が父であり、その父に近づくためでもありました。
またマキトが悩みを抱えた人にカレー料理を提供し克服するきっかけを与えるなど、ヒューマンストーリーも展開されます。
マキトはシンガポールからインド、タイ、スリランカ、パキスタンなどを放浪。すべてアジアの香辛料どころ、カレーどころ。
だから彼が作る料理は、アジア各国の名物カレー料理がズラリそろっています。
曽根崎は経営不振で店を閉め、シンガポールへ。結維は母親と店を切り盛りしたが限界。閉店することを決意。マキトは結維を元気づけるため「会心の一食をお見舞いしたるワ!」。厨房でカレーを作る。マキトが作ったのはキーマ・マタール、ひき肉のカレー。インドでは羊だけど牛ひき肉で日本風にアレンジ。結維は「甘味とか酸味とか、あたしにはちょっと辛すぎるトコロまで父さんのカレーそっくり」。
インドやタイでポピュラーなフルーツ、タマリンドの甘酸っぱい風味がアクセントになったレッドカレーです。
食欲が落ちた夏に食べると元気が出そうなひと皿です。
★本格カレーのレシピが分かりやすい
「キーマ・マタール」や「キェーン・ソム」など、ストーリーに登場するカレー料理にはレシピが添えられています。
- カレー粉(大さじ1杯)、牛ひき肉500グラム、冷凍グリーンピース1カップ、ローリエ2枚、トマトピューレ、ガラムマサラ…。
- 鍋にサラダ油をしいてローリエ、唐辛子を入れて炒めて香り付け。
- みじん切りの玉ネギを加え、最初は中火で煮えたら弱火でキツネ色になるまで炒める。
- キツネ色になったらカレー粉とひき肉を入れて炒める。
- 肉の色が変わったらトマトピューレとグリーンピースを投入。水をひたひたに加え20〜30分弱火で煮込む。
- すりおろしニンニクとショウガ、塩とガラムマサラを適量加えて味を整え、ひと煮立ち。
大まかにレシピを紹介しましたが、分かりやすいでしょ? これにイラストが付くので、もっと分かりやすいんです。
「世界のカレー料理なら、特別な調理具や具材が必要じゃない?」。 そう考えると思います。
でも、レシピではどの家庭にもある調理具や近所のスーパーでも買うことができる具材やスパイスも紹介しています。
その料理に必要な具材がなくても、身近な具材と家にある調理具を使って世界の名物カレーを作ることができるんです。
これが「華麗なる食卓」のオススメしたい特徴なんです。ぜひ作品のページを開いてみてください。
3.「クッキングパパ カレー編」
著者はうえやまとちさん。「モーニング」で1985年から現在まで連載中。
コミックスが計168巻(2024年1月時点)まで発売されている、ロングセラーのクッキング&グルメマンガです。
★あらすじ
奥さんの虹子は新聞記者で昼夜問わない仕事。荒岩は仕事を定時までに仕上げ、帰宅すると家事や洗濯もこなす。長男・まこと&長女・みゆき、そして虹子のために料理を作り「美味しい、父ちゃん」という言葉に幸せを感じる。会社でも上司や同僚たちのために腕前を披露。恥ずかしかったので10年近く虹子が作ったことにしていた。
料理の腕前はプロが認めるほど。知人の餃子屋さんがピンチの際はピンチヒッターで厨房に立って腕をふるうほど。
和・洋・中そしてエスニック。どんなジャンルの料理も作ることができるんです。
作品で登場した料理はさまざま。一品ごとにレシピも紹介。料理ジャンルごとに再編集した単行本やレシピ本もたくさん発売されています。
当然「カレー編」もあり大人気。荒岩流カレーのバリエーションが素晴らしくて美味しそうだからです。
★創造性豊かなカレーがメチャ美味しそう
「カレー編」の中でも人気で、ストーリー的にも素晴らしいのが「単身赴任者にまるごと・ザ・カレー」。
竹田課長は横浜から単身赴任中。博多料理は好きだが、単身生活での軽いホームシックもあって食欲が落ちていた。荒岩は「普通の家庭料理でいいなら」と夕食に招待する。荒岩家では、まことの友だちが集合中。竹田は子どもたちとお風呂に入ったり遊んだりして、横浜の家族を思い出す。夕食がカレーと聞き竹田はちょっとガッカリ。でも横浜で家族とワイワイいいながらカレーを食べていた思い出が蘇る。「お待たせ」と出てきたカレーにビックリ。豚肉やタマネギ、ジャガイモ、ニンジンがカタマリのままドーン!
まさに「まるごと・ザ・カレー」。ストーリーで紹介されているレシピによると、
- 具の豚バラブロック、玉ネギ、ジャガイモ、ニンジンはそのまま。玉ネギ、ピーマン、セロリなどの野菜は細切れに。
- 鍋に入れてバターで軽く炒める。お湯を入れて固形コンソメ1個を投入。4〜5時間じっくり煮込む。
- 野菜の細切れがとろけてきたらトマト、リンゴ、ケチャップ、ワイン、生クリームなどお好みで加える。
- カレー粉(固形ルーでもOK)を少量ずつ入れて、味を確かめながら決める。弱火で少し煮込んで完成。
いつもと同じ具材を丸ごと使う。しっかり時間をかけて煮込む「まるごと・ザ・カレー」。
いつもと同じカレーにちょっと変化球を交えると、未体験のひと皿になるんです。
レシピも注目を集め、クックパッドなどで再現&アレンジ投稿がたくさん紹介されているほど。
荒岩が竹田課長にカレーをごちそうした理由は、煮付けや肉ジャガなどはお店で食べ慣れているだろう、ということ。
カレーは香りが家族の思い出を呼び起こす。丸ごとの具は煮込んだ素材の旨味と今までになかった驚き&斬新さも味わえる。
荒岩の2つの配慮が最高の〝隠し味〟なんです。
完成した豚バラカレー美味いよ! |
★実際に作って試食した料理だから再現できる
「カレー編」には他にもたくさん荒岩流カレーが登場します。
「激辛タイカレー」「ドライカレー」や、トマトや玉ネギと鶏肉で作る「無水カレー」 etc。
ワタシがお世話になっているのが「懐かしの豚バラカレー」。
予算が限られているので、お肉は豚バラが多いわが家にピッタリ(笑)。
荒岩流は豚バラとニンニクに塩・コショウを振りかけてバターで炒めるのがポイント。
しっかり煮込んで完成したカレーは、コクと風味がバツグンでメチャうまっ!
うえやまさんは、マンガの創造性とオリジナル性をフル稼働。作品に登場させる料理を生み出しています。
自分で作って試食を繰り返し「美味しい!」とナットクした逸品を披露しています。ぜひ作品をお読みください。
まとめ・マンガの創造性を活かしたレシピがおもしろくて参考になる
海の家で食べる夏カレーは最高に美味い! |
ここまで有名店&世界の名皿や変わった具材のカレーが登場して、レシピも付いて参考になる「カレーマンガ」について紹介、解説してきました。
- 「今日もカレーですか?」(原作・藤川よつ葉さん、作画・あづま笙子さん)
- 「華麗なる食卓」(作者・ふなつ一輝さん)
- 「クッキングパパ カレー編」(作者・うえやまとちさん)
上記の3作品は、いずれもカレーへの思い入れや魅力にあふれた作品ばかり。さらに、
- 日本の名店や世界の名物カレーが登場。詳しく解説されていて食べてみたくなる。
- マンガならではの創造性&独自性を生かして、おもしろい具材や変わり種カレーが登場。
- 原作者・著者が実際に作って試食済み。分かりやすいレシピが付いている。
マンガだから表現できる3つの魅力が、カレーのチョイス時に参考になるからです。
「有名店のカレーってどんな感じ? オススメ店を教えて!」
「マンネリ気味なので、世界の名物カレーや変わったカレーライスを作りたい」
「カレーの具で迷ってます。いつもの材料に飽き飽きしてるので、変わってて美味しい具材があったら教えて!」
なんて悩んでいる方は、この記事を踏まえて3作品を読んでみてください。絶対にマンゾク&ナットク。
「今夜のカレーライスはこれに決めた!」と背中を押してくれますよ。
当ブログでは、ほかにも「美味しいマンガ」を紹介しています。ぜひお読みください。
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