「俺はまだ本気出してないだけ」ダメ主人公が教えてくれる40代男の3つの「本気の出し方」

2022年12月21日水曜日

マンガを楽しむ

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40代は人生の中間地点です

「本気って、どう出せばいいの」と悩む人へ、言い訳と現実逃避から抜け出す方法


俺はまだ本気出してないだけ…

長〜い人生でつまづいたり、うまくいかなかった時。つぶやいてしまうフレーズです。

特に、濃くて深い人生経験を積んだ40代の男性。

職場で結果が出なかったり、今のポジションが納得できない。だから口にしてしまう。

厳しい状況に立たされた時の、自分への言い訳ヘリクツ現実逃避。いろんな意味があります。

でも「本気の出し方」って、すごく難しいんです。実際に、

本気出してないっていったけど、本気の出し方が分からない…

俺の能力ってすごいと信じている。でも、いつ、どう発揮したらいいか分からない。教えて…

そう悩んでいる人が多いんです。 そんな方に読んでいただきたいのが、人気マンガ「俺はまだ本気出してないだけ」。

主人公の40代ダメ男の奮闘する姿が描かれています。

何の考えも次のステップもなく、家族がいるのに「自分を探すため」会社を退社。思いつきでマンガ家を目指すヘタレ人間。

原稿を描けばボツを食らいまくり。マンガ家デビューの見込み、まるでナシ…。

でも、ある出来事が契機になって「本気スイッチ」がON。デビューへの扉に迫る。

ダメ男のヘタレっぷりから「本気モード」に入るまでのストーリーがメチャ感動的。そして「本気の出し方」の参考になるんです。

この記事では、40代のダメ男が教えてくれる「本気の出し方」を紹介&解説します。

  1. ヘタレっぷりを正当化する自分を振り返る。
  2. 親友の切ない人生と自分のダメっぷりを男泣きで洗い流す。
  3. 「本気」をぶつける「方向性」「方針」と「覚悟」を決める。

上記の3点はストーリー上では重要ポイント。3点の解説を読めば、ストーリーのおもしろさを楽しみながら「本気の出し方」がよく分かるんです。

本気出してないっていったけど、本気の出し方が分からない…

俺の能力ってすごいと信じている。でも、いつ、どう発揮したらいいか分からない。教えて…

なんて悩んでいる方は「本気の出し方」が分かり、人生に立ち向かう勇気もらえます。

特に40代の方。「俺もやってやるぜ!」と明日への第一歩を踏み出せますよ!

「俺はまだ本気出してないだけ」のあらすじ


著者は青野春秋さん。2007年から2012年まで「月刊IKKI」で連載。単行本は全5巻が発売されています。

2013年には実写映画化。堤真一さん、橋本愛さんらが出演して話題になりました。

主人公は大黒シズオ。40歳。「自分らしい生き方」を探すために勤めていた会社を退社。

でも次への行動を起こすことなく、自宅でゲームざんまいの日々をすごしていました。

ある日突然「俺、漫画家になるわ」と決意。でも、ただ思いついただけ。

書きたいことやアイデアもなく、すぐに「書くことがねえなあ」と行き詰まる。

何とか原稿をまとめて出版社に持ち込むけど、採用されるわけがない。

ボツの連発が続く中、生活のためハンバーガーショップでバイト。ここでもサブリーダー止まり。

20代のバイトリーダーに「店長(あだ名)」と呼ばれるなどバカにされる。

それでも「俺が本気を出せば」と飲み屋でクダを巻く。現実逃避と自己正当性がすごすぎるダメ人間です。

★男の40代を切なく描く

男の40代は、職場での自分のポジションや家庭の状況など現実との戦いに直面する世代です。

自分の立ち位置が痛いほど分かっている。そして自分が進んでいく先も見えてくる…。

よし、頑張ろう」と奮起する人もいれば「このまま変わりなく、年取っていくのかなあ」。

自分の〝来し方と行く末〟を複雑な思いで考え、振り返る。人生の中間地点にいるんです。

だからこそ「俺はまだ本気出してないだけなんだ」なんて言葉を口にしてしまう。

ここからは、その代表格である主人公のストーリーを紹介&解説していきます。

1.ヘタレっぷりを正当化する自分を振り返る


シズオのダメっぷりは、箇条書きにできちゃうほど。「しっかりしろよ!」と怒鳴りたくなるくらい、トンデモないオジサンなんです。

「自分探し」をしている自分がカッコいいと思っている。

家の中ではパンツ一丁。朝からワイングラスを傾け、棒アイスをシャリシャリ食べる。

見かねた老父が「家族がいるのにどうするんだ!」と激怒。「そういうのは間に合ってます」と返してブチ切れられる。

数合わせの合コンに参加。マンガ家になるとカッコつけ、女の子は「ちゃんと(普通に)がんばった方がいいですよ」。

バイトリーダーに「体が臭い」と注意され「俺くらいになると中身で勝負してるわけだよ」とカッコつける。

バイト先の後輩に「なんで、マンガなんスか?」と聞かれ、答えられない。

★ダメおやじを見捨てない娘がいとおしい

そんなダメ人間の娘、高校生の鈴子がホントにけなげ。カワイくてメチャいい娘。

友だちに父をバカにされ、いじめられている。それでもグレず毎日がんばって生きている。

オヤジを温かい目で見守り、お金まで貸して「がんばれっ!」ってはげますんです。

その姿はホントにいとおしくなります。しかし一方で、

シズオの元から自立しようと、鈴子はフィンランドへの留学を決意する。

留学先で建築の勉強をするための資金を稼ごうと、ひそかに風俗店に勤める。

ある日、店内で客として来店したシズオとはち合わせして…。

ここまで書くだけで、読むだけで、笑っちゃうし情けなくなる…。

だからシズオはオヤジとして、がんばるんです。泣かせるんです。

鈴子が風俗店でバイトしている理由が留学資金のためであることを知る。

そして鈴子に「あの仕事は辞めなさい」と優しくさとす。

娘にそんなことまでさせている自分に腹を立てる。

シズオはヘタレなりに「このままじゃいかん」と奮起。マンガ家デビューを目指して、必死に作品を量産します。

★もう一人の自分にダメっぷりを指摘される

でも世の中、そんなに甘いもんじゃない。

ボツが続き「俺、なんのタメにマンガ描いてんだろ…」とモンモンと悩む。

夢の中で、もう一人の自分に「このまま漫画家めざしていいと思うの?」「ゴール見えてんの?」と怒られ、大喧嘩。

取っ組み合いの末、2人で泣きながら抱き合い「ごめん!」。自分を取り戻す。

シズオはもう一人の自分に、自身のダメっぷり&ヘタレっぷりをビシッと指摘されます。

取っ組み合いのケンカになるけど、自分を振り返りダメさ加減を自覚するんです。

さらにシズオは原稿を描きまくって持ち込み、新人ながら担当編集者が付きます。

でも、シズオの作品は感性が独特(つまり絵がヘタ)すぎ。ストーリーの「方向性」や「方針」、内容もブレブレ。

当然ながら再びボツ。ボツのアラシが吹きまくる。

読んでいる最初のうちは笑っていたけど、だんだんイライラしてきて「もっと、がんばれっ!」。

さらに「デビューさせてやってくれ!」。感情移入してくるんです。

2.親友の切ない人生と自分のダメっぷりを男泣きで洗い流す


シズオの周りにもダメ人間がいます。同級生の宮田。サラリーマンです。

ただ妻と離婚。月1回だけ息子と会うことを許され、再会を続けていました。

そして子供にパンが大好きということを聞いて、脱サラ。パン屋さんを始めました。

でも宮田の身の上に、さらに悲しい出来事が起こるんです。

妻から外国人と再婚し息子と日本を離れると告げられ、心がポッキリ折れる。

絶望感に陥って命を絶つことを決意し、旅に出る。だけど、できない。

心配して探し回り、パン屋さんを手伝っていたシズオの前に現れ「俺、死ねなかったよ。みじめだな」。

シズオは「お前がみじめとか興味ねえけど、死ぬとかって…」と絶句。2人は抱き合ってオイオイと号泣する。

40代男が抱き合って、大声をあげて号泣する姿。ホントに切ない…。

生きることって、むずかしいなあ。悲しいなあ。心が締め付けられるシーンです。

★耐え切れないほどの痛恨事に男は号泣する

オトナになって、さらに40代にもなると「泣く」ことって人前で見せたくないんです。

グッと涙をこらえて、目じりをそっと指でふく。

それがオジサンのダンディズム。分別。まあ、やせガマンですが(苦笑)。

そんなオジサンが号泣する。大切な人との別れ、人生にかかわるほどの重大なことに陥らないと、男泣きなんてできない。

宮田は自分でいられた唯一の、心の支えだった息子との別れ。

シズオは宮田の境遇が自分のダメっぷりへのイラ立ちとリンクして、心の中にためていた思いが満タンになる。

シズオ、そして宮田にはホントに痛恨なことだったんです。

★男泣きが「本気スイッチ」をONに!

でも「男泣き」って、心の中にずっと長くためてきたモノをはき出す効果があるんですよね。

戸惑いや未練を断ち切る。後悔する自分に踏ん切りをつける。

宮田は気持ちを切り替えて、始めたパン屋さんでおいしいパンを焼き続けることに心を砕く。

そしてシズオ。親友の切ない事件と自分のダメっぷりへのイラ立ち。

自分でも「何とかしなくちゃ」と焦っていた心のオリを、男泣きで洗い流した。

そして「本気スイッチ」がONになるんです。

3.「本気」をぶつける「方向性」「方針」と「覚悟」を決める


宮田の騒動は、シズオにとって転機になります。

どんなストーリーを描けばいいのか分からず、ブレブレだった「方向性」と「方針」がカチッと定まる。

定めた先は、宮田が体験した騒動。シズオはストーリーにするために本気を出すんです。

シズオは友人の辛い体験をモデルにして作品を描き上げ、出版社へ持ち込む。

読んだ編集者は「イケる」と判断し公募作品に推薦。

この作品が編集部の選考で、入選候補になる。

シズオの作品のタイトルは「パンを焼く」。

パン屋さんの主人と、別れた妻と海外で暮らす息子。父子がお互いに思い合う心のキビを描いたストーリー。

シズオ作とは思えないほどジーンとして、泣けてしまう出来栄えなんです。

★親友の思いをストーリーで昇華させる

「パンを焼く」の内容については、ネタバレになるので少しだけ紹介します。

シズオは宮田の悲しい体験をベースに、ストーリーの世界観を構成しました。

主人公の店主は外国で暮らす息子を思いつつ、「いつか食べてもらいたい」とパンを焼き続ける。

異国の息子は新しい家庭で平和に暮らしている。それでも別れた父を思い続け、いつか再会したいと考えている。やがて成長して…。

ストーリーのエンディングは、宮田の息子への思いを反映させて昇華している。宮田を救っているんですね。

そんな方向性&方針を決めて、ブレずに作品を描き上げました。

だから編集者は「イケる」と判断し、公募作品に推薦したんです。

ホントに泣けてしまうストーリーで、ワタシの筆力ではうまく表現できないほど。ぜひ作品をご覧ください。

★「方向性」「方針」=覚悟を決める

ここまでストーリーの流れとともに紹介してきた「本気の出し方」。

つまりは自分の「本気」をぶつける「方向性」と「方針」をしっかり決めること。

俺はこれで勝負するんだ」「そのためには、これを磨くんだ」。そう心の中で「覚悟」を決めること。

シズオは、そう教えてくれるんです。

シズオはマンガ家デビューできるのか。海外への留学を目指す鈴子はどうなるのか。

ここから先は、ぜひ作品をお読みください。

ワタシは何度読んでも、エンディングで涙腺が崩壊しています(笑)。

まとめ・ダメ人間の「本気の出し方」が元気をくれる

男の40代は切なくて悲しいんです

ここまで主人公・シズオの「本気の出し方」について、ストーリーの重要ポイントを紹介することで解説してきました。

  1. ヘタレっぷりを正当化する自分を振り返る。
  2. 親友の切ない人生と自分のダメっぷりを男泣きで洗い流す。
  3. 「本気」をぶつける「方向性」「方針」と「覚悟」を決める。

上記の3点で紹介したシズオの姿は「本気の出し方が分からない」と悩む人には参考になります。

思いつきでマンガ家になろうとした当初は、ただ、原稿を描くだけ。

ストーリーの内容も読者へ伝えたいメッセージも、ヘッタクレもありませんでした。

でも宮田の悲痛な体験を目の当たりにしたシズオは、男泣きして心のオリを吐き出したことで「本気スイッチ」がON。

作品の方向性と方針が定まり、「これで勝負する」と覚悟を決めて作品に本気をぶつける。

これって、マンガを描くことに限らない。長い人生でとても大切なことだと思うんです。

特に40代は人生の中間地点。「俺はこんなもんじゃない」「もう一度勝負をかけたい」。

そう悩んでいるところで、方向性と方針を定めて覚悟を決める。一歩踏み出すための具体的な方法だと考えるんです。だから、

本気出してないっていったけど、本気の出し方が分からない…

俺の能力ってすごいと信じている。でも、いつ、どう発揮したらいいか分からない。教えて…

そう悩む方は、ぜひ大黒シズオの物語を読んでください。

おもしろくて切ないストーリーが「本気の出し方」を教えてくれますよ!

当ブログでは、ほかにもヒューマンストーリーマンガを紹介しています。ぜひお読みください。






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