![]() |
プロレスラーの入場曲は気分をアゲてくれます |
気持ちが落ち込んだ時や仕事での作業用にピッタリ
気分が落ち込んだ…。勉強や仕事、スポーツで「やったるぞ!」と気持ちを一気にアゲたい。
そんな時にお世話になるのが音楽。ミュージック。
コロナ禍でリモートワークが浸透。ワタシも自宅での仕事が増えブログ作業もやっているので、毎日のように曲を流しています。
「仕事やブログをやりながら」なので、歌声のないインストルメンタルが中心。まさに「作業用」です。
インスト曲でもたくさんジャンルがあるけど、ワタシを含めてよく聴かれて人気があるのがプロレスの入場テーマ曲。
プロレスラーがリングに登場する時に流れる曲。これから闘う男たちのための曲。
「よっしゃ! やったるか!」って気合いが入るリズムと曲調なので、気分が爆上がりします。だから、
「気分を一気にアゲてくれるレスラーの入場テーマを教えて!」
「プロレスの入場曲で、カッコよくてオシャレで作業用に聴ける曲ってありませんか?」
そんな声がたくさんあるんです。
でもリングでは多くのレスラーの方たちが活躍していて、入場テーマもたくさん。何を聴けばいいのか迷っちゃうほど。
この記事では気持ちをアゲてくれて、カッコよくてオシャレで作業用にピッタリな入場テーマ曲をチョイス。
- 「HOLD OUT」(武藤敬司、グレート・ムタ)
- 「王者の魂」(ジャイアント馬場)
- 「STAR DUST」(内藤哲也)
- 「UWFメインテーマ」(山崎一夫、田村潔司)
- 「パワーホール」(長州力)
- 「Aguja De Abeja」(エル・デスペラード)
- 「炎のファイター 〜INOKI BOM BA YE〜」(アントニオ猪木 )
上記の7曲について紹介&解説します。いずれもカッコよくてオシャレ。気分が爆上がりしてヤル気はMAX。作業もはかどる名曲ばかり。
この記事を読めばナットク&マンゾク。曲を聴きたくなりますよ!
プロレス入場テーマ曲って、いつ始まったの?
![]() |
日本での入場曲の第1号は誰? |
プロレス会場で、いまや欠かせないレスラーの入場テーマ曲。
「〇〇選手のぉ、入場です!」。リングアナのコールと同時にテーマ曲が鳴り響く。
会場のボルテージは一気にレッドゾーンへハネ上がります。
この入場テーマという演出。そもそも日本ではいつ始まったのか?
1974(昭和49)年、国際プロレスの試合会場で使われたのが最初。
当時はジャイアント馬場さんの全日本プロレスが大人気。米最高のメジャー団体「NWA」から派遣された多くの人気外国人が活躍。
アントニオ猪木さんの新日本プロレスが「日本人対決」を売りに追撃する状況。
国際プロレスはラッシャー木村さん、ストロング小林さん、アニマル浜口さんらが主力。
金網内での死闘などデスマッチ路線が人気でしたが「第三の団体」的な存在。
そんな国際プロが1974年、もう一つの米メジャー団体「AWA」と提携。大物選手が来日するようになりました。
第1号はスーパースター・ビリー・グラハム選手。ガチモリ筋肉系レスラーの走りの人で、米マット界で大人気でした。
国際プロが大物選手の参戦を盛り上げるため導入したのが、入場曲の演奏。
彼のリングネーム「スーパースター」の由来になった米映画「ジーザス・クライスト・スーパースター」の主題歌を流したんです。
会場は大熱狂。各団体のリングで入場テーマが流れる演出が広まったんですね。
★7曲をチョイスした理由
国際プロのリングから始まった入場テーマ曲。今では多くのレスラーがファイトスタイルをアピールするために流しています。
そんな中から、この記事で紹介する7曲をチョイスした理由は、
- レスラーのファイトスタイルをイメージして作られたオリジナル曲。メロディーを聴けば選手の姿が思い浮かぶ。
- リズムやテンポ、メロディーがカッコよくてオシャレ。作業用としてピッタリ。
この2点に尽きます。ここから1曲ずつ紹介&解説していきます。
1.「HOLD OUT」(武藤敬司、グレート・ムタ)
2023年2月21日、プロレスリング・ノアの東京ドーム大会で引退試合にのぞんだ武藤敬司さん。
2022年後半からの「引退ロード」を激走し、リングに別れを告げました。最後のリングで鳴り響いたのが代名詞「HOLD OUT」。
新日本のエースとして活躍した1990年〜1995年ごろに入場テーマにしていた名曲です。
★天才レスラー
1984年に新日本に入門。全日本強化指定選手に選ばれた柔道の実力と運動神経で天才肌と評判になり、この年にデビュー。
1986年には初の米国修行。ド派手なアメリカンスタイルをマスターしました。
1988年に再び海外遠征。ペイントヒール「グレート・ムタ」として米マットに参戦し超人気。
新日マットでは、同期入門の故・橋本真也さん、蝶野正洋さんと「闘魂三銃士」として活躍し名勝負を展開。
さらに全日本や自ら立ち上げた「WRESTLE−1」、ノアでもファイトしています。
★プロレスLOVE
ホント天才肌なレスラー。2022年11月時点で59歳。年齢や体力、体調に合わせたスタイルができちゃう。信条は「プロレスLOVE」。
プロレス技なら何でもできる人。若いころのフィニッシャーは華麗なムーンサルト・プレス。
格闘技路線のUWFインターナショナル・高田延彦さんには、あえてプロレスの古典技・四の字固めでタップさせて勝利。
ヒザの故障で飛び技を封印してからは、ヒザを相手の顔面に当てるシャイニングウィザード。
年齢に応じて変化させたファイトスタイルのように、入場テーマも12曲。その中でも代名詞といえるのが「HOLD OUT」です。
★天才レスラーのファイトが思い浮かぶメロディー
「HORD OUT」の作曲者は鈴木修さん。編曲家、ギタリストで蝶野さんら多くのレスラーのテーマ曲を手がけています。
とにかくアップテンポでキャッチーな曲。リングで流れていた1990年〜1995年ごろは武藤さんの全盛時代。
技のキレやド派手さ。ゆったりしたリズムからトップスピードで攻撃に入る心にくい緩急ぶり。
曲はファイトスタイルにめちゃマッチ。聴けば当時はいていたオレンジ色のトランクスの勇姿がよみがえるんですよ。
★ムタバージョンがタマらない
武藤さんの〝化身〟グレート・ムタ。全日本などで活躍したグレート・カブキさんの息子として米マットで大人気になりました。
毒々しいカラーがペイントされた顔。不気味なたたずまい。緩急とキレのある攻撃。そして毒霧。
「引退ロード」でも暴れまくっているムタの入場テーマが、「HOLD OUT」の和風バージョン。
三味線&尺八が「HOLD OUT」のメロディーを奏でるんです。
原曲と違って、これがまたアジアンテイストで神秘的。奇怪なムタのファイトに合って実にイイんです。
「HOLD OUT」&ムタ・バージョン、いずれも気分をアゲてくれて作業用にピッタリですよ。
2.「王者の魂」(ジャイアント馬場)
209センチの長身と135キロの肉体。「東洋の巨人」として米マット界でも大人気だったプロレス界のレジェンドです。
ワタシのような昭和生まれのオッサンは、馬場さんのテーマ曲といえば「日本テレビスポーツのテーマ」が思い浮かぶかも。
紹介する「王者の魂」は、1982年の世界最強タッグリーグで初披露。勇壮な曲調が馬場さんをイメージさせる名曲です。
★東洋の巨人
馬場さんは新潟・三条実業高校の野球部でエースとして活躍。1954年に巨人へ入団。
大洋(現DeNA)への移籍が決まっていた1960年1月、宿舎の風呂場で転倒して左ヒジをケガして現役を引退。
スポーツを続けたかった馬場さんは1960年4月、面識があった故・力道山さんに入門を直訴。認められ日本プロレスに入団。
1960年9月のデビューから、巨体を生かした破壊力バツグンのファイトで人気が上昇。翌年には米国へ武者修行に。
米国ではメーンイベンターに成長。最も権威が高かったNWA世界ヘビー級のベルトもゲット。
「東洋の巨人」として帰国後は猪木さんと若手のエースとして君臨。
力道山亡き後の1972年、全日本プロレスを旗揚げ。以後もエース、御大としてプロレス界をリードしました。
★勇壮で豪快なファイトスタイル
馬場さんのイメージは、ゆったりと腕を振り上げ「アポぉ」なんていいながら手刀を繰り出す。
ロープに振った相手が戻ってくるところを32センチの足で迎撃する16文キック。
全盛期を過ぎたころの動きを芸人さんがモノマネして、そのイメージが浸透しているんですね。
でも若いころは、助走をつけて高い打点のドロップキック。長い腕を巻き付けて繰り出すランニング・ネックブリーカー。
躍動感にあふれ破壊力バツグンの技を展開。実はグランド(寝技、関節技)もうまかった。
蝶野正洋さんのフィニッシャーの1つ「STF(ステップ・オーバー・トゥホールド・ウィズ・フェイスロック)」。
馬場さんは日本プロ時代のシングルマッチで披露。「白覆面の魔王」ザ・デストロイヤーに極めて苦しめました。
さらに柔道や総合格闘技系の関節技「腕ひしぎ十字固め」。
1987年に行われた異種格闘技戦。対戦したパキスタンの空手家ラジャ・ライオンに極めてタップさせてるんです。
馬場さんはアメリカンスタイルをベースに、打撃・関節技もできるバランス型のファイター。
巨体ゆえに見えるゆったりとした勇壮なファイトに、「王者の魂」がハマるんです。
★王者の風格が漂うメロディーとアンサンブル
「王者の魂」はシンガーソングライターで、アニメ「キテレツ大百科」のテーマ曲を手がけた実川俊晴さんの作曲。
ギター、ピアノ、トランペットとドラムによるロック調のアンサンブル。
同じフレーズを繰り返して(リフ)メロディーが進行するんですが、ギターソロでのリフがメチャカッコいい!
フレーズが繰り返される途中で転調が入ったり、聴いていて飽きない。
目を閉じて耳を傾けていると、馬場さんがリングをのっしのっしと歩く姿が思い浮かぶほど。
昭和〜平成のレジェンドのテーマ曲。令和のプロレスファンにも愛してほしいと思います。
3.「STAR DUST」(内藤哲也)
新日本プロレスのエース格、独特なファイトスタイルが大人気の内藤哲也さん。
リーダーを務めるユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(L・I・J)」はプロレス女子に超人気。
メキシカンスタイルと緩急が効いたファイト。「STAR DUST」は内藤さんのスタイルをイメージさせる名曲です。
★受け入れられなかった天才肌
子どものころの内藤さんは新日の大ファン。武藤敬司さんのファイトスタイルをビデオで研究しまくったそうです。
高校卒業後にアニマル浜口さんのジムでプロレスの基本を学び、2005年12月に新日へ入門。
半年後の2006年5月にデビュー。2009年にはメキシコへ遠征。天性の運動神経でルチャ・リブレ(メキシカンスタイル)をマスター。
新日のタイトルの最高峰IWGPヘビー級王座にも迫りますが、彗星のように現れ台頭したオカダ・カズチカさんを越えられない。
天才肌のファイトを見せながらも、ファンは受け入れずブーイングの日々が続きました。転機は2015年、2度目のメキシコ遠征。
大団体「CMLL」のユニット「ロス・インゴベルナブレス」。団体の思惑やファンの視線を気にせず、自分たちがやりたいスタイルを貫く。
ユニットのそんな哲学に共感し加入したことで、自分のカラを破ったんです。
★制御不能のカリスマ
帰国後に「L・I・J」を結成。2016年にはオカダさんを破ってIWGPを初戴冠。新日本のスター選手に一気に駆け上がりました。
ファイトスタイルは、スピード感あふれるルチャ・リブレがベース。
ロープワークを使った空中殺法やスープレックス、ジャベ(メキシコ流関節技)などを駆使。どんな状況、体勢でも攻撃できる人。
スローペースで試合の主導権を握りつつ、突然ギアを上げて攻撃。緩急をつけた攻撃は武藤さんをほうふつさせます。
無敵のマイペースぶり。入場では会場の周囲を見つめながらゆっくり花道を歩む〝唯我独尊〟。
リング上でのコール後、コスチュームを脱ぐのもユッタリ。相手がイラ立つほど。
ついた異名が「制御不能のカリスマ」。まさに、いい得て妙。
そんな「制御不能」ぶりが見事にイメージされているのが「STAR DUST」です。
★メロディーも制御不能
「STAR DUST」の作曲者は「KAZSIN」。
2人組の音楽プロデュースユニット。他のレスラーのテーマ曲や「報道ステーション」のテーマ曲も手がけています。
メロディーは内藤さんのファイトスタイルのように、制御不能のイメージ。
初っぱなの激しいギターソロから、メロディーは抑え気味にフレーズを繰り返して進行。音調が急上昇して突き抜けてMAXに到達。
ノラリクラリと試合を進める内藤さんが、勝負どころで一気にギアを上げてたたみかける。ファイトスタイルそのもの。
ワタシはウォーキング中に聴いてますが、序盤はスローペース。入場時に内藤さんが周りを見回しながら歩く姿を気づかぬうちにマネしてる(笑)。
音調が上昇するシーンでは、テンションが爆上がり。仕事やブログ作業で疲れた時の気分転換には最高ですよ!
4.「UWFメインテーマ」(山崎一夫、田村潔司)
UWFは昭和〜平成にかけて大人気になった団体。前田日明さん、高田延彦さん、佐山聡(第1次まで)さん、藤原喜明さんらが所属。
ロープワークやドロップキックなどプロレス要素をなくして、投げ技、打撃、関節技の格闘技路線を展開。現在の総合格闘技の火付け役となりました。
まさに〝ガチ路線〟を貫いた団体のイメージソングが「UWFメインテーマ」です。
★UWF信者
UWFは1984年に設立された第1次(旧UWF)、1988年に旗揚げされた第2次(新生)と2つの時期で活動しました。
2期にわたった詳しい事情や理由については、当ブログでも紹介&解説しています。
伝説の格闘技プロレス「UWF」の崩壊、解散の裏事情が分かる「暴露本」ベスト3
第1次が設立された当初のファイトスタイルはプロレスと同じ。前田さんがエースとして奮闘しつつ、経営難とも苦闘。
その後、高田さんと藤原さん、佐山さんと山崎一夫さんが参加。総合格闘技の確立を目指す佐山さんの主導で格闘技要素を導入。
「今まで見たことがない」「真剣勝負のプロレス」と人気を獲得していきました。
経営難から新日本と提携、離脱をへて再び旗揚げされた第2次は人気が爆発。
「真剣勝負」に喝采を贈る若者たちは「UWF信者」と呼ばれ、社会現象にもなりました。
★U信者のハートに刺さり続けるメロディー
団体の特徴の1つに、イベント開始直後に行われる「選手入場式」があります。それまでのプロレス団体にはなかったモノでした。
選手全員が花道を通ってリングに勢ぞろい。その空間に流れたのが「UWFメインテーマ」。
ズラリと並んだU戦士の勇姿。会場に鳴り響くテーマ曲。
2つが記憶にリンク。U信者だったワタシはメロディーを聴くだけでリングが頭の中に浮かび上がり、気持ちが爆上がりします。
作曲は桜庭伸幸さん。石川さゆりさんの名曲「天城越え」を編曲した大物作曲家&編曲家。
メロディーはひと言でいって勇壮! 格闘技に対して真剣に、シリアスにのぞむ男たちへの讃歌! UWFを象徴する名曲なんです。
★山ちゃんのテーマ
「UWFメインテーマ」は団体の象徴曲として選手入場時に流れました。でも、自分の入場テーマとして愛したU戦士もいたんです。
山崎一夫さん。第1次からのU戦士。通称「山ちゃん」。キックの名手。
第2次の解散後に参加したUインター、新日本プロレスでも入場テーマとして使用。
2000年1月の永田裕志戦で引退するまで、ファンに名曲を聴かせてくれました。
山崎さんは新日本のリングでも打撃・投げ技・関節技のUスタイルを貫いた人。
U戦士であることにこだわり続けた人。Uのテーマにふさわしい人でした。
★サプライズのメロディーに大熱狂
山崎さんの引退で「UWFメインテーマ」はもう会場で聴くことはない。そう思われてました。
失意の中にあったU信者を歓喜させたのが、田村潔司さんでした。
田村さんは第2次末期に入門しデビュー。団体解散後はUインター、リングスに参戦。いまもUスタイルを貫く総合格闘家です。
2000年2月、田村さんはリングスの日本武道館大会でヘンゾ・グレイシーと対戦。大舞台の入場曲に「UWFメインテーマ」を使ったんです。
田村さんの入場テーマはほかにあったんですが、サプライズで流れたUのテーマに会場は大熱狂&コーフン。
当時はグレイシー柔術が大旋風。まさに黒船襲来。ファンは「勝てるのはU戦士しかいない」と期待を寄せていました。
でも迎え撃った高田さんがヒクソン・グレイシーに2度のタップ負け。「UWF最強」と信じていたファンは「Uって何だったの?」とガックリ。
田村さんはUの誇りを背負い、Uのテーマに乗って大一番へ。見事にヘンゾを下しました。
グレイシー柔術の軍門に降りかけていたUWFが復活した象徴の曲でもあるんです。
5.「パワーホール」(長州力)
現在はYouTuberとしても大人気の長州力さん。現役時代は「革命戦士」として昭和〜平成のマット界の大スターでした。
新日本では、猪木さんや藤波辰爾さん、前田さんら新日正規軍と抗争を展開。
全日のリングでも馬場さんやジャンボ鶴田さん、天龍源一郎さんらと名勝負を披露しました。
豪快なリキラリアット。フィニッシャーのサソリ固め。鬼気迫るファイトをイメージさせてくれるのが「パワーホール」です
★噛ませ犬発言
長州さんは専大レスリング部で活躍。全日本学生選手権グレコ90キロ級で優勝。ミュンヘン五輪にも出場。
アマレスの実績を引っさげて1974年に新日に入団、この年の8月にデビュー。
でもエースの猪木さん、自分より年下だけど新日では先輩の藤波さんの影に隠れて低迷の時期が続きました。
1982年、メキシコ遠征で実力と実績をつけて帰国してから反骨心が爆発。
猪木さん&藤波さんと組んだ6人タッグ戦で仲間割れ。藤波さんに「なんで俺がおまえの前(格下の意味)を歩かなきゃいけないんだ!」。
当初は「俺はおまえの噛ませ犬じゃない!」と発言したとされてました。でも、ご本人は上記のように証言されています。
「革命戦士」として造反。1983年にマサ斉藤さん、アニマル浜口さん、谷津嘉章さんらと「維新軍」を結成し正規軍と抗争を展開。
藤波さんとのシングル戦は、意地と誇りをぶつけ合う「名勝負数え唄」と絶賛されました。
★パワフルなストロングスタイル
1984年にジャパンプロレスを旗揚げ。維新軍ごと全日に移籍。馬場さん、鶴田さん、天龍さんと激闘。
スタン・ハンセンさん、故ブルーザー・ブロディさんら大物外国人とも名勝負を展開。
以後も新日などのリングで2019年に引退するまで、マット界をけん引し続けました。
ファイトスタイルはパワフルで鬼気迫る迫力。フォールされてもカウント1で跳ね返す。
ロープワークで加速をつけてのリキラリアット。相手のヒザと腰を破壊するサソリ固め。ぶっこ抜きブレーンバスター。
リングインした時点で闘志と怒気を体中から放出するデンジャラス感。ゴングが鳴ればハイスパートでねじ伏せてフォールする。
「パワーホール」のごとく、激しいファイトでした。
当時の平沢さんはプロレスの知識がなく、長州さんのことも知らなかった。
YMOのような感じで、という注文にしたがってサクッと作り上げたそうです。
曲はドラムとシンセサイザーのメロディーがトップギアでスタート。テクノ調の音とフレーズが繰り返され、メチャ耳に残る。
理由は、不安を感じる短調音のフレーズが高速テンポで繰り返されるため。NHKの緊急地震速報の曲と同じなんです。
長州さんの鬼気迫る迫力とデンジャラス感を象徴する「パワーホール」。入場テーマ曲の代名詞の1つとなりました。
でも当時の平沢さんは権利について無頓着。著作権買取契約で楽曲を提供。曲が有名になっても印税がゼロだそうです。
6.「Aguja De Abeja」(エル・デスペラード)
ドクロをベースとした覆面が、めちゃカッコいいエル・デスペラードさん。
新日本のリングを飛び越えて、いまや日本のジュニアヘビー級を代表するレスラーの1人。
メキシコCMLLのリングでマスターしたルチャ・リブレ&ジャベ。ちょっと小ずるいラフファイトがプロレス女子にも大人気。
入場テーマ曲「Aguja De Abeja」は、デスペさんにピッタリの名曲です。
★ならず者ルチャ・ドール
覆面の下の正体は…、ヤボだからやめておきます(笑)。ただ、ソノ筋の情報によると、学生時代は柔道、レスリングで活躍。
専大時代の全日本学生選手権で、フリースタイル&グレコ84キロ級でいずれも8強入り。
新日本には2009年に入門し、2010年にデビュー。2012年にはメキシコに遠征。
トペ(飛び技)やジャベなどルチャ・リブレとルード(スペイン語でヒール)スタイルをマスターし確立。
2014年に正体不明のならず者ルチャ・ドール「エル・デスペラード」として新日に。
鈴木みのるさんの「鈴木軍」の一員としても「ならず者」ぶりを披露。
ジュニア戦線をけん引する実力者。IWGPジュニアヘビー級王座も獲得。
2020年の「BEST OF SUPER Jr.27」決勝。高橋ヒロムさんに破られた覆面をはぎ取って素顔のまま激闘。
試合には敗れたけど心が揺さぶられた名勝負でした。ありがとう、三上恭佑さん!
★華麗で小ずるくて心が熱くなるファイト
デスペさんの特徴は、リングでのたたずまい&立ち振る舞い。
入場時は体の柔らかさを生かして、180度の開脚でリングイン。
ピンとした姿勢から動くと、マスクやロングタイツに着いているフリンジがヒラヒラと踊る。メチャ華麗です。
素早いロープワーク。場外の相手へ見舞うトペ。反則技のサミング(目つぶし)は相手を小バカにするように指2本で目をチョン。
ナックルパンチ「ロコ・モコ」でダメージを与え、ヒザと腰を極めるマフラーホールド。
豪快で破壊力バツグンの投げ技、ギターラ・デ・アンヘルとピンチェ・ロコ。
静と動の技とムーブがファンの心を熱くする。「Aguja De Abeja」は、そんなファイトスタイルをイメージさせてくれるんです。
タイトル「Aguja De Abeja」はスペイン語で「蜂の針」という意味。
蜂のように飛び、刺す。ファイトスタイルをフラメンコのメロディーで表現しています。
フラメンコギターで奏でるメロディーは美しく始まり、次第に激しく、熱くなる。
曲間に漂う、もの悲しいフレーズ。めっちゃカッコいい! ブログ作業中は指が止まって体がスイングしてます(笑)。
7.「炎のファイター 〜INOKI BOM BA YE〜」(アントニオ猪木 )
最後に紹介したいのはアントニオ猪木さんの入場テーマ曲。誰もが耳にしている名曲です。
猪木さんは2022年10月1日。難病「全身性トランスサイレチンアミロイドーシス」との闘病の末、旅立たれました。
プロレスファンを含め多くの人たちが猪木さんの死を悼み、テーマ曲「炎のファイター」を流して追悼しました。
★「格闘技世界一決定戦」
ブラジル出身の猪木さんは1960年4月、故・力道山さんにスカウトされて日本プロレスに入門。9月にデビュー。
馬場さんとともに「B・I 砲」として活躍。力道山亡き後の1972年、新日本プロレスを立ち上げました。
その間には団体内での政争に絡んでいました。機会があれば紹介したいと思います。
新日旗揚げ当初は全日に外国人選手のルートを抑えられ大苦戦。国際のエース・ストロング小林さんとの「日本人対決」で対抗。
さらに対抗策として展開したのが異種格闘技路線。米統一ヘビー級王者モハメド・アリさんとの一戦は世界中の注目を集めました。
1976年6月、日本武道館で両雄が激突。「格闘技世界一決定戦」という触れ込みでしたが、結果はドロー。
猪木さんがグランドから繰り出したローキックの印象が強い「世紀の大凡戦」として世界中のメディアがたたきました。
でも、試合のルールでプロレス技がほとんど禁止されていたとされています。
キックなどの打撃技。投げ技。代名詞・卍固めなどの関節技。すべてダメ。制約の中で使えたのがローキックだったようです。
でも「大凡戦」の象徴とされ「アリキック」と呼ばれた攻撃。アリさんに大ダメージを与えていたんです。
後年のアリさんは、蹴りを浴びた大腿部に血栓症が発生。引退後は歩行にも支障をきたしたと明かしています。
アリさんも猪木さんのファイトに敬意を評して、自身のテーマ曲「炎のファイター」の使用権をプレゼント。
米国人作曲家のマイケル・マッサーさんによる名曲をアレンジ。猪木さんのファイトスタイル「燃える闘魂」を象徴するテーマが誕生しました。
★聴けば燃え上がる闘魂
「イノキ! ボンバイエ!」のコールから始まるメロディーは、まさに勇壮。
天まで伸びるようなトランペットの高音。知らず知らずアゴを突き出して「何だバカやろー」ポーズの自分がいる(笑)。
「仕事でもブログでもかかって来い、コノやろー!」と気分がアガります。
トランペットベースの演奏なので「古臭い」「色褪せた」感じはまったくない。まさに長く聴き続けられる名曲の特徴。
ファイトスタイルとテーマ曲の象徴「燃える闘魂」。愛弟子の前田さんらのUWFなど総合格闘技の源流になりました。
まとめ・気分をアゲる入場テーマ曲は作業用にピッタリ
- 「HOLD OUT」(武藤敬司、グレート・ムタ)
- 「王者の魂」(ジャイアント馬場)
- 「STAR DUST」(内藤哲也)
- 「UWFメインテーマ」(山崎一夫、田村潔司)
- 「パワーホール」(長州力)
- 「Aguja De Abeja」(エル・デスペラード)
- 「炎のファイター 〜INOKI BOM BA YE〜」(アントニオ猪木 )
上記の7曲はいずれも名曲ばかり。気分が落ち込んだり、仕事やブログ前にヤル気をMAXにしたい人にはピッタリ。だから、
「気分を一気にアゲてくれるレスラーの入場テーマを教えて!」
「プロレスの入場曲で、カッコよくてオシャレで作業用に聴ける曲ってありませんか?」
そんな方はぜひお聴きください。気持ちが爆上がりしてヤル気MAX。作業がはかどりますよ。
この記事を書いたきっかけは、やはり猪木さんの訃報でした。
名レスラーが旅立たれ、引退したりすることで曲を聴く機会も少なくなる。微力ながら記録に残したい。そんな思いでした。
当ブログでは、ほかにもプロレス・格闘技がテーマのマンガ・小説を紹介しています。ぜひご覧ください。
「空手バカ一代」創刊50周年!主人公・大山倍達のすごすぎる超人伝説を徹底的に解説、検証する
「プロレスマンガの最高傑作を教えて」という人に読んでほしい名作ベスト3を徹底解説
ファイターの「息づかい」や「間合い」まで楽しめる格闘技&武道作品ベスト3選
7曲はYouTubeに投稿された曲を視聴していただきましたが、スマホなどでパケット代を気にせず聴きたい方は購入をオススメします。
「amazon music」ではプロレス入場テーマ曲の品ぞろえが充実。たくさんの曲が楽しめますよ。
※当ブログではアフィリエイトプログラムを利用して本や商品を紹介しています。
0 件のコメント:
コメントを投稿