人類の危機に遭遇したらアナタはどうする⁉︎ |
ストレス発散、主人公への共感…怖すぎるストーリーの世界が満たしてくれる
巨大な怪物やゾンビ、悪魔たちが出現。街は破壊され、人類は滅亡の危機に遭遇するー。
そんな「パニック」ものはマンガで人気のジャンル。
人気の理由はいろいろありますが、一番はストレス。学校や職場で起きたイヤなことや辛いこと、人間関係の悩みなど…。
令和の日本は、ひどいストレス社会ですからね。
そんな下降メンタルから抜け出すために、ストレスの発散と解消の方法を求めている。
方法はいろいろ。体を動かして汗をかくスポーツ、ゲーム。そして「パニックマンガ」。
「パニックものでオススメのマンガ、ありませんか?」
「今の自分では体験できないスリル感や怖さを楽しめるマンガを教えて」
「人類の危機を主人公が乗り越える、ハラハラしてホッとできる作品を探してます」
なんて声がたくさんあるんです。
でもパニックマンガはたくさん作品があって、選ぶのに困っちゃうほど。
この記事では、人類の危機に〝遭遇〟してヤバイほどのスリル感を味わえるオススメの「パニックマンガ」をチョイス。
- 「ハカイジュウ」(作・本田真吾さん)
- 「アイ アム ア ヒーロー」(作・花沢健吾さん)
- 「デビルマン」(作・永井豪さん)
- 「野生伝説 羆風」(原作・戸川幸夫さん、作画・矢口高雄さん)
- 「漂流教室」(作・楳図かずおさん)
上記の5作品について紹介&解説します。
いずれも人類の危機や大事件・パニックをテーマにした名作・力作ぞろい。
自分がパニックに遭遇して、危機を脱出しようと苦闘するような気分が味わえる。
困難を乗り越えようと奮闘する主人公の姿に感動するヒューマンストーリーも秀逸。
この記事を踏まえて5作品を読めば、ナットク&マンゾク。ストレスも発散&解消できますよ!
5作品を選んだ理由
闇の中で何かが狙っている⁉︎ |
人類の危機やパニックを描くマンガはたくさんあって、テーマのジャンルも豊富。
それだけに、自分が読みたいジャンルを探すのは大変です。
この記事では、おおまかにジャンルを5つに分類。オススメ作品を絞り込みました。
- 未知の怪物もの=「ハカイジュウ」
- ゾンビもの=「アイアム ア ヒーロー」
- 悪魔・黙示録もの=「デビルマン」
- 野生動物もの=「羆風」
- 異世界トリップもの=「漂流教室」
5ジャンルから選んだ各作品は、パニック要素の設定が巧みでストーリーの世界観に引き込む魅力が際立っています。
さらに5作品には危機を乗り越える人間のたくましさ、強さ、教訓も描かれてます。
パニック要素を楽しめて「現状の困難を乗り越えよう」という強い気持ちがもらえる。これが5作品をチョイスした理由です。
ここからは1作品ずつ紹介・解説していきます。
1.「ハカイジュウ」〜未知の生物・怪物もの〜
2010年5月号から2014年7月号まで第1部。2015年1月号から2017年7月号まで第2部が連載。
全82話でコミックスは全21巻が発売されています。
主人公は高校生の鷹代陽(たかしろ・あきら)。通学する東京・立川の高校から惨劇がスタートします。
校内にいた鷹代は、突然発生した巨大地震で気を失う。目が覚めると、周りは同級生の死体の山と数えきれないほどの怪物たち。襲いかかる怪物から校内中を逃げ回り、友人と合流して校外に脱出。外には巨大な怪物が街中を破壊、人を襲っている。立川市内の周辺には巨大な溝が広がり、他の地域から孤立していた。
墨田区にあるスカイツリー。政府の対策本部で怪物への攻撃作戦を指示する司令塔だった。都内には巨大な壁が埋め込まれ、怪物の進撃を止めるため地上に出現。怪物は壁をも壊し進撃する。謎の部隊「フューズ」が出現。巨大な怪物と人間を超えた身体能力で死闘を展開するが…。
巨大地震後に出現した怪物たちに東京や日本、さらに世界はグチャグチャに破壊されます。
- 怪物は千差万別。小動物サイズから、ビルより高いトール型まで。
- 怪物の姿もムカデ型や、体中にイボイボがあったり、無数の触手があったり。
- 東京中にあふれるほどうごめいていて、人を襲い食らう。寄生もする。
鷹代も「フューズ」になって戦いますが、怪物はうじゃうじゃ。
地中には全長数百メートルの「帝王」もいる。スカイツリーはこいつを動けないようにするくさびだったんです。
なぜ、政府は惨劇を想定していたのか、人類はどうなるのか。
「帝王」ら怪物たちがどこから来たのか。
メチャ気になりますが、ここから先は「ハカイジュウ」をお読みください。
2.「アイアム ア ヒーロー」〜ゾンビもの〜
2009年22、23合併号から2017年13号まで連載。コミックスは全22巻が発売されています。
謎の感染症にかかり「生ける屍」と化した「ZQN」が人間を襲い、日常が崩壊していくストーリー。
2016年に大泉洋さん主演で実写映画化された際、制作側から「ZQN」がゾンビだとされました。
映画やドラマではゾンビものは人気ジャンル。ゾンビをテーマにしたマンガは「アイアム ア ヒーロー」がハシリです。
★あらすじ
全国的に「かみつき事件」が発生。人が突然、人にかみつく異常事態。英雄が住む東京でもひん発する。英雄の近所でも首が真後ろに折れているのにかみつく異常な少女がウロウロ。かみつかれた人がゾンビと化して人を襲う奇病がまん延。「ZQN」と呼ばれる感染者で街はあふれ返る。英雄の彼女や周囲の人がゾンビと化す。英雄は命からがら都内から脱出。富士山の周辺へたどり着く。
脱出先でも、都内と同様の生き地獄が展開されていました。
玄関トビラの郵便受けから英雄が部屋の中をのぞくと、向こう側で血走った彼女の目と合う。彼女は英雄に襲いかかるが、少しだけ感染前の記憶と人格が残っている。でも救えない。英雄は心を鬼にして彼女の首をバッサリ。
英雄が立ち寄った先では、避難者によるコミュニティーが作られ、秩序を取り戻そとしている。
ただ、どんな社会でも主導権を取りたい人が出てくる。避難先も同様でした。
- コミュニティーのトップになりたい人たちが争う。
- みにくい泥試合にゾンビが襲来して三つどもえの戦いになる。
三つどもえって…。もう、グチャグチャ。ホント、人間って何なんでしょうか…。
英雄が樹海で出会った比呂美。映画では有村架純さんが演じていてカワイイ!
彼女はゾンビにかまれたんですが、人を襲わない「半感染状態」。
免疫力があり「ZQN」と意思を交わすことができる。そんな彼女がストーリーのキモになります。
この先は「アイアム ア ヒーロー」をお読みください。
3.「デビルマン」〜悪魔、黙示録もの〜
全53話。コミックスは全5巻が刊行。1972年にテレビアニメ化されました。
悪魔の力を身につけた主人公・不動明(ふどう・あきら)が悪魔「デーモン」たちと闘う。
アニメ版では奇怪な姿のデーモンを退治する正義のヒーローとして、昭和のチビッ子たちの間で大人気になりました。
一方のマンガ版は、実にグロ。ストーリーもメチャ怖い。子供のころは夜に思い出して、眠れませんでした。
地球の先住者でほかの生物との合体能力を持った「デーモン」が、地上の支配を取り戻すため人を襲って、食らうんです…。
飛鳥の父が研究していた「デーモン」が200万年の眠りから目覚め、地上の支配を取り戻そうとしている。不動は飛鳥に「デーモン」に対抗するための「悪魔人間」なってくれと懇願される。親友の頼みを快諾した不動は「デーモン」の合体能力を利用して「デビルマン」となる。「デーモン」は人を襲い、憑依し、食らう。街に忍び込んでいる悪魔たちを、不動はデビルマンとして撃退していく。眠りから目覚めた「デーモン」は大軍団を結成し人類に宣戦布告。総攻撃を仕掛ける。一方、有名な学者が「悪魔の正体は社会に不満を持つ人間」と公言。政府による非道な「悪魔狩り」が行われ…。
★見どころ
不動が合体した「デーモン」は勇者「アモン」。時おり生じる、人を食いたいという衝動に悩みます。
- 「デーモン」は残ぎゃく。亀のような「ジンメン」に食われた人の魂はとらえられ、背中のこうらに顔が浮かんで泣く。
- 「デーモン」の総攻撃には無差別合体があり、適合しなかった人は体が爆発する。まさに自爆テロ。
- 政府による「悪魔狩り」は、罪もない人を「悪魔」に認定し非道の限りを尽くす。
- 市中の人々も暴徒と化して「悪魔狩り」。ガールフレンドの美樹ら、不動が身を寄せていた牧村家の人たちも襲われて…。
原作・戸川幸夫さん、作画・矢口高雄さん。「月刊ビッグゴールド」で1996年8月号から1997年12月号まで連載。
コミックスは現在、ヤマケイ文庫から全1巻が発売中です。
1915年12月に北海道で発生した「三毛別羆(さんけべつひぐま)事件」が克明に描かれた記録的な作品でもあります。
「三毛別羆事件」は7人が亡くなり、3人が負傷。史上最悪の「熊害」とされています。
生還された方からの聞き取りを記した資料を克明に調べて再現。そのため極めてショッキングな内容。事実が描かれています。
気のすすまない方は、この項目はスキップしてください。
★あらすじ
三毛別は開拓者たちが懸命に土地を切り開いて作り上げた、のどかで美しい村でした。
そこに悪夢のような事態が襲いかかりました。
1915年12月9日。冬の三毛別にヒグマが出現。民家に侵入して母子2人を手にかけ、母親の遺体を持ち去った。
12月10日夜。大人3人、子供7人が集まっていた民家をヒグマが襲った。
妊婦さんとおなかの子、3人の幼い子ども計5人が犠牲になり、3人が重傷を負った。
住民たちは猟師たちの助けを借りて、討伐隊を結成。ヒグマの獲物を取り戻す習性を利用して遺体を民家に置き待ったが現れず。
12月15日。討伐隊とは別行動をとっていた猟師が山中でヒグマを発見。心臓近くと頭部に弾丸を打ち込み、倒した。
ヒグマは村人によってソリで里に降ろされました。その際は激しい吹雪となった。そのため吹雪は「羆風」と呼ばれたそうです。
★見どころ
倒したヒグマの体長は2・7メートル、体重350キロ。トンデモない大きさ。
手練の猟師たちがヒグマを追跡しますが、警戒心が強いヒグマをとらえられません。
- 12月10日の民家が襲われた場面は、米俵に隠れて難を逃れた当時10歳の男の子の証言が再現されている。
- 最初に襲われた妊婦さんはヒグマに「腹破らんでくれ」「のど食って殺して」と叫んだ。
最悪の事態に遭遇しながら、おなかの子を守ろうとする母親の決死の姿。
山から降ろしたヒグマが村に到着。弟を亡くし生き残った6歳の女の子が、涙を流しながら棒でヒグマを叩く。
ヒグマは退治しても、犠牲になった肉親は帰ってこない。怒り。悲しみ。やるせなさ。
何ともいえない。つらすぎるシーンです。
「三毛別羆事件」は最初、小説で取り上げられました。
世界でも類を見ない「熊害」を風化させてはならない。教訓として語り継ぐためです。
日本の各地で開発が進む中、自然の破壊も同時に進行。すみかを奪われた野生生物たちが食べ物を探すため里や街に現れています。
生命の危険が気がかりな獣害が報告されている今だからこそ、読んでいただきたい作品なんです。
5.「漂流教室」〜異世界スリップもの〜
「週刊少年サンデー」に1972年23号から1974年27号まで連載。
コミックスは全11巻、文庫版は全6巻が刊行されました。
突然、小学校が消滅し校内にいた子どもたちとともに異世界へスリップ。
子どもたちはパニックを回避し、知らない世界で決死のサバイバルを展開します。
昭和の時代では、ストーリー設定はトンデモなく斬新! 現在はやりの「異世界」「タイムスリップ」モノの先駆け。
1987年には大林宣彦監督のメガホンで実写映画化され、大人気となりました。
揺れがおさまった後、外を見ると大和小の周辺は砂漠や岩だけの世界になっていた。学校中はパニックに陥る。ショックのあまり先生たちは全員が亡くなってしまう。子どもたちは荒廃した世界が、文明が崩壊した未来の世界だということを知る。翔を代表として子どもたちは協力。翔は全員が家族だとして規律のある生活をして困難を乗り越えようと努力するが…。
そんな人間のみにくい縮図を、翔たちが乗り越えていく姿が描かれます。
★見どころ
子どもたちは、荒廃した世界に助けになるものがないのかと考え捜索にでます。でも、あるのは砂漠と岩ばかり。
- 巨大な未来ヒトデ、長さ1キロ以上のミミズのような化け物、巨大サソリに襲われ、子どもたちが犠牲になる。
- 子どもたちの間でボスになって支配したいという子が現れ、争いや裏切りが発生。
- 学校にパンを納入していた大人が食料を牛耳り、暴力をふるって子どもたちを支配しようとする。
それでも翔たちは文明が崩壊した未来の世界だと知り、協力し合って困難を乗り越えようと決意。生き残るために奮闘する。
絶望的なストーリーに救いと希望を味付けする、メチャ感動的なシーンが展開します。
さらに翔と母・恵美子との時空を超えたコンタクト。素晴らしいアイデアです。
- 翔の同級生・西あゆみがもつ超能力を介して、母子はコンタクトに成功。
- 翔たちが必要な物資を、恵美子はコンタクトで決めた場所に置く。
- 過去から未来への「タイムカプセル」で救援物資を送る。
現代と未来がつながり、母は息子が生きていることを知る。
最初はパニックに陥っていた母は子どもたちを救うため、必死に考え、あらゆる方法を試すんです。
楳図さんのズバ抜けた作家性を表すエピソード。ホント、傑作です。
子どもたちは爆発物で時空の切れ目を作ることを考えつき、現代への生還をめざします。
そして、この先は…「漂流教室」をお読みください。
まとめ・救いがあるエンディングから勇気をもらう
過酷な物語のエンディングには救いがある |
いずれもパニックに陥る設定や描写、ヒューマンストーリーとの絡み方が絶妙。
人類の危機に〝遭遇〟してヤバイほどのスリル感を味わえる名作ばかり。だから、
「パニックものでオススメのマンガ、ありませんか?」
「今の自分では体験できないスリル感や怖さを楽しめるマンガを教えて」
「人類の滅亡の危機を主人公が乗り越える、ハラハラしてホッとできる作品を探してます」
という方には、ぜひ読んでいただきたい作品です。
そして、しっかり味わってほしいのがエンディング。
5作品のエンディングには危機を乗り越える人間のたくましさ、強さ、教訓が描かれてます。
だから実に感動的。その上に「よし!苦しい現状を乗り越えてやろう」と強い気持ちになれるんです。
ストレスが解消&発散できて、明日への活力がわきますよ。
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